私が、宇宙の女王になるわ!だから、貴方は私を守りなさい!

ちょこぱい

ミーシャ





----- Original Message -----


 少女の名前はミーシャという


 太平洋に浮かぶこの孤島で、最終地球大戦ラグナロク後から人間に見つからないように隠れ住んでいた。しかし、少し前にこの島が騒がしくなった。バイオテック・イノベーション社がこの島を観光地にしようと開発しだしたのだ。


 ミーシャは隠れ家を追われるように、島の中央に位置する鍾乳洞しょうにゅうどうで身を潜めていたが、今の社長に見つかってしまい、殺そうとしたが口外こうがいしないことを約束させ殺すのを止めた。


 それから、社長はちょくちょくここを訪れては私の事や私の話すことを真剣に聞いていた。


 ある日、社長はある提案をしてきた。


 「ミーシャ様、この島を太古の生き物達が住む楽園にしませんか?貴女あなたの力があれば可能です!」


 下らないと思った。太古の生き物達は、我々の種族にとったら犬猫のような物だ。犬猫の楽園の何が楽しいのか、私には分からなかったが、人間にしたら夢のような世界なのだと説明された。


 しかしながら、永遠ともいえる寿命をもつ我々にしたら、このいうに下らない提案に興味が湧いてしまう。


 「良いだろう、生まれてきた太古の生き物達は私が管理・しつけをしよう、ただ1つ欲しい物がある」


 それは、若くて力のある人間の男を連れてくることだ。種族が違えど 、お年頃なミーシャも恋をして種族を増やす為に、子供を生んでみたいと思っていたのだ。


 パークが完成すると、ミーシャはペット達が人間に危害を加えないように調教・洗脳し、見返りとして、パークを訪れている男を誘拐した。


 しかし、残念ながらミーシャが恋に落ちるような男はいなかった。ところが、さらわれた男はみな、ミーシャのとりこになってしまい、ミーシャの元から帰ろうとしなかった。


 そして今回、初めて胸の高鳴りを感じたのが錬太郎だった。連れの娘がいなくなった隙に近付いて拐う予定だったが、予定を変更して娘の方を拐ったのだ。


―――――――――


 鍾乳洞に着いたミーシャは、寝室のベットに気絶している咲良を寝かせた。


 「この娘、咲良といっていたな・・・」


 ミーシャは咲良が使った能力に見覚えがあった。かつて、地球の覇権はけんを争って戦ったアギス達の能力にそっくりだった。まだ、能力を完全に使いきれていないおかげでミーシャは命拾いした。アギス達は覇権争いに勝利した後、人間に統治を任せて何処かへ旅立った筈だ。


 部屋のドアを叩く音がした。


 「入って良いわよ」


 「ミーシャ様、おかえりなさいませ」


 拐った男達が入ってきた。


 「その女の子は?」


 「貴方ちには関係無いのよ、っていうかもう帰ってくれない?」


 「私達はミーシャ様の恋人になれませんでしたが、しもべとしてお側に置いてください」


 「しもべなんていらないのよ!はぁ・・・」


 ため息を漏らしながら椅子に腰を掛けた。


 この隠れ家にミーシャの他に同族はいない、かの大戦でほとんどが死に、生き残った僅かな同族も散り散りになって行方知れずだった。


 「なんと言われようと、私達の考えは変わりませんよ!」


 私の事を秘密にするなら帰っても良いと言っているのに、誰一人帰ろうとしなく、ミーシャ親衛隊などと名乗って、ミーシャの世話をし始めてしまった。


 「仕方ないわね、もうすぐお客が来るから奥で大人しくしてて」


 「畏まりました、何かありましたら申し付けてください」


 男達が部屋から出ていくと、ベットに寝ている咲良に毛布を掛けた。


 「さて、出迎えに行くか・・・」


―――――――― 鍾乳洞入り口


 《ここで間違いない》


 乱丸は鍾乳洞に向けて鼻をピクピクと動かし匂いを嗅いだ。


 乱丸の背中から飛び降りたレイカは体から冷気を纏った。この冷気は咲良の黒炎バージョンに似ていて、触れた物を一瞬で凍結させてしまう。


 そして、一振りの剣を召喚した。


 宝剣アルマス、シャルルマーニュ大帝の騎士の1人チュルパンが瀕死の重症を負いながら敵を千回斬りつけた剣で、氷の剣と呼ばれている。


 「行くわよ」宝剣アルマスの露を払うために地面に向けて一振りのすると、地面が裂けて凍り付いた。


 狭い洞窟の入り口を1列になって進んだ。


 《寒い!危ないからもう少し離れるニャ》


 トラ吉と乱丸の毛先が白く凍っている。


 「しょうがないでしょ!狭い道なんだから、トラと乱丸は寒い国の動物なのに、何よ!これくらい!」


 レイカが洞窟内の先頭を歩いているので、残留冷気が後ろの2匹に僅かに当たっているのだ。


 しばらく狭いトンネルを進むと出口らしきもにが見えた。出口に着くと地下のなかとは思えないほどの広い空間が目の前に広がっていた。


 右手には天井から涌き出た水によって大きな池があり、左手には何か解らない動物の石像が建ち並んで訪れる者を出迎えていた。


 そして、前方には巨大な神殿が天井高くまでそびえ建っていた。


 「・・・・綺麗、上のテーマパークよりこっちのがよっぽど魅力的だわ」


 《ああ、だが・・・観光してる暇なさそうだな》


 前方の神殿から、羽の生えた生物がこちらに向かって来ていた。よく見ると人間の女の子の姿をしている。手には槍と盾を持ち、ピンクの色をしたセミロングの髪の上に王冠を被り、形の良い大きな胸を守る為のビキニの胸当て、腰はスカート状の鎧を着ている。


 レイカの少し離れた上空で停止し、槍を振り回し石突を空間に突き立てると、辺りの空気が槍を中心にして鐘の音をたて振動した。これ以上の侵入を警告した。


 「我は竜族の王ミーシャである、アギスの作りし模造品よ、立ち去れ!これ以上の侵入は許さん」


 その声は、聞く者の心に響く音色をもった歌のようだった。



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