庭には、
1話 異世界転生?
それから目が覚めたのは3秒後か、3日後か、あるいは3年後かもしれない。
目映い陽射しが目に差し込んでくる。ゆっくりと目を開くと、視界いっぱいに青い空、そこに白い雲が浮かんでいる。綺麗だ。
そこですぐに俺の頭には二つの仮説が浮かんだ。
一つ、その中では何でも思い通りになると言う、明晰夢。
二つ、美少女ハーレムに俺tueeeな異世界転生。
そして直前までの記憶をたどる限りきっと後者だろう。
「うへへっ」
一体どんな美少女がヒロインとして現れるのかを考えると、つい口元が緩んでしまう。
まず、そのヒロインに会わなければ。
そんな使命感に駆られ、美少女を探しに行くことにした。
彼は、裸足であることなど忘れるほどに真剣だった。
ついでにヒロインを探しながらその辺を散策してみることにした。
足で行ける程度の範囲だがその散策で分かったことがある。
何故か人が見当たらないこと、思っていた世界観(中世のヨーロッパに魔法使いや獣人族)とは違い、むしろ荒廃した建物があったり、草が生い茂っていたりと、人類がいなくなった後、300年経ったらこうなっているんじゃないかという廃れきった街並みになっていること。
「はぁ、美少女どころか人っこ一人いないんじゃ、ハーレムがつくれないじゃん。てゆーか、どこだよ?ココハドコ?ワタシハダレ?ワ~レ~ワ~レハ、ウチュージン。ってもうなに言ってんだろ…。」
思っていた異世界と違って少しガッカリしていた。
「はぁ、美少女落ちてこないかな。」
すっかり気持ちが落ちきっていて、自然と地面を見ながら歩いていた。石が落ちていたら蹴りたくもなる。
コツっと足先で石を蹴った、「キシィ!」と変な鳴き声が聞こえたのは蹴った石がその声の主に当たったのと同時だった。
「は?」
目と鼻の先にいたのはタコのような蜘蛛のような緑色の小さな生き物。
「キィシィシィ」
「おいおい、待て聞いてないぞ!」
「キィシ「キィシキィ「キシィ」
周りからおんなじヤツが2匹も出てきた。
「だから、聞いてないって!毒とか持ってたらヤバいって。」
「キィシィ―!」
「うっ、くそっ帰宅部なめんなよ!」
ここでチートでも使って、いや使わずとも倒せるラノベの主人公では俺はなかった。だって戦い方とか知らないし。
俺は全力で緑色の生き物とは反対方向に走った。逃げたとかそんな格好悪いことはしていない、逃げではない、ただ反対方向に全速力で走っただけ。
他の生き物にも注意しながらなんとか喫茶店のような場所に逃げ込んだ。扉を閉めると肩の荷が下りた。
「はぁ、ここまで来れば。ってこれフラグじゃん。いやもう考えるのは止めよう、あんな気持ち悪いのもう見たくないし。はぁはぁ。わっ!」
「しっ!」
「もごもご」
「大丈夫人間だ。」
「ぷはーっ、はぁ、息が、はぁ、止まる。」
「すまんすまん。虫に喧嘩売って襲われそうな、裸足で走る面白い奴が見えたもんで、借りを作らせてやろうと思って。とりあえず、少し眠っててくれ。」
「はぁ、はぁ、なんだ…それ…。」
薄れゆく視界、遠のく思考の中で思った。
ヒロインがポニーテール美人で良かった。
それでも、やっぱり元の世界が…。
目映い陽射しが目に差し込んでくる。ゆっくりと目を開くと、視界いっぱいに青い空、そこに白い雲が浮かんでいる。綺麗だ。
そこですぐに俺の頭には二つの仮説が浮かんだ。
一つ、その中では何でも思い通りになると言う、明晰夢。
二つ、美少女ハーレムに俺tueeeな異世界転生。
そして直前までの記憶をたどる限りきっと後者だろう。
「うへへっ」
一体どんな美少女がヒロインとして現れるのかを考えると、つい口元が緩んでしまう。
まず、そのヒロインに会わなければ。
そんな使命感に駆られ、美少女を探しに行くことにした。
彼は、裸足であることなど忘れるほどに真剣だった。
ついでにヒロインを探しながらその辺を散策してみることにした。
足で行ける程度の範囲だがその散策で分かったことがある。
何故か人が見当たらないこと、思っていた世界観(中世のヨーロッパに魔法使いや獣人族)とは違い、むしろ荒廃した建物があったり、草が生い茂っていたりと、人類がいなくなった後、300年経ったらこうなっているんじゃないかという廃れきった街並みになっていること。
「はぁ、美少女どころか人っこ一人いないんじゃ、ハーレムがつくれないじゃん。てゆーか、どこだよ?ココハドコ?ワタシハダレ?ワ~レ~ワ~レハ、ウチュージン。ってもうなに言ってんだろ…。」
思っていた異世界と違って少しガッカリしていた。
「はぁ、美少女落ちてこないかな。」
すっかり気持ちが落ちきっていて、自然と地面を見ながら歩いていた。石が落ちていたら蹴りたくもなる。
コツっと足先で石を蹴った、「キシィ!」と変な鳴き声が聞こえたのは蹴った石がその声の主に当たったのと同時だった。
「は?」
目と鼻の先にいたのはタコのような蜘蛛のような緑色の小さな生き物。
「キィシィシィ」
「おいおい、待て聞いてないぞ!」
「キィシ「キィシキィ「キシィ」
周りからおんなじヤツが2匹も出てきた。
「だから、聞いてないって!毒とか持ってたらヤバいって。」
「キィシィ―!」
「うっ、くそっ帰宅部なめんなよ!」
ここでチートでも使って、いや使わずとも倒せるラノベの主人公では俺はなかった。だって戦い方とか知らないし。
俺は全力で緑色の生き物とは反対方向に走った。逃げたとかそんな格好悪いことはしていない、逃げではない、ただ反対方向に全速力で走っただけ。
他の生き物にも注意しながらなんとか喫茶店のような場所に逃げ込んだ。扉を閉めると肩の荷が下りた。
「はぁ、ここまで来れば。ってこれフラグじゃん。いやもう考えるのは止めよう、あんな気持ち悪いのもう見たくないし。はぁはぁ。わっ!」
「しっ!」
「もごもご」
「大丈夫人間だ。」
「ぷはーっ、はぁ、息が、はぁ、止まる。」
「すまんすまん。虫に喧嘩売って襲われそうな、裸足で走る面白い奴が見えたもんで、借りを作らせてやろうと思って。とりあえず、少し眠っててくれ。」
「はぁ、はぁ、なんだ…それ…。」
薄れゆく視界、遠のく思考の中で思った。
ヒロインがポニーテール美人で良かった。
それでも、やっぱり元の世界が…。
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