言葉の欠片

一榮 めぐみ

知らない

僕は何も知らない
何もわからない


でも追いかけられてる。
戦わなくちゃいけない。
ずっとそう思ってた。


でも敵なんていなかった。


風の声を聞いた
人の話を聞いた


空を見た
地を見た
夢を見た


そして、その先にも


何もなかった


幻だけ見ていた。


水飛沫の向こう側の
光の先の
闇の中の。


ねぇ、本当にだいじなものは
目には見えないんだって。


だから不安で
だから落ち着かなくて


僕には何も無かった


夢を見ていただけなんだ


そう思わないと辛すぎるだろ
生きていくことは
辛すぎるだろ



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