言葉の欠片

一榮 めぐみ

白く霧のかかった山が見えて
空は一面、雲に覆われていて
風が少し冷たくて


走る自転車、自動車、


ざわめく木


遠くなる記憶、夢。


綺麗な言葉を並べるのは好きじゃない。
残酷な言葉を並べるのも好きじゃない。


どんな言葉も、誰かに刺さる。


僕に刺さった釘は抜けたかな。


頭に刺さったあの釘は、一緒に抜いてくれたのに
まだ刺さってるみたいに時々、疼く。


左脚に刺さった釘は、抜けたみたいだ。
もう、大丈夫だよ、ありがとう。


僕は、僕の力を魔女に奪われた。
あの人は、僕から力を奪った。


あの空間、
あの時間、
恐ろしい、
あの一帯は、
魔女の魔法陣の中にある。


どうしたら、あの魔女から奪われた、力を取り戻せるんだろう。


魔女に勝つには何が必要?


それは僕の力だ。


おまえのお金儲けになんて使わせないんだから!


返せ、返してくれ!!


僕が欲しいのはお金じゃない!!!

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