Mechanical War

語彙力不足

01

ー後10分...後10分...)

意識が遠退いてゆく...
先生の寒いギャグと小難しい授業が眠気となって学生達を襲う。

食後の授業は彼ら又は彼女らにとってはただの苦行にすぎないのだ。

(寝ちゃだ...zzz)

気がついたら視界は真っ暗になっていた。

どうやら、眠ってしまったらしい...


5時限目の終了のチャイムが鳴った。

長くつらい授業ももう終わりだ。

「ーというわけでここら辺は凄く重要だからちゃんと復習してきてね♪」

そう言い残して先生は教室から出て行った。




ごく稀にだが、授業が終わっても寝続けるツワモノがいる。

「ねえねえ美咲ちゃん」 

「おー佐蔵、どうしたの~」 

「明美ちゃんが寝てる~」

「もしかしてこれって結構レアな状況だったりしない?」

明美は真面目で成績もそこそこ良い女子生徒だ。そんな彼女が居眠りをしているのだ。この状況がレアじゃないわけが無い。

「確かに...あ、ちょっと待って~ よしっ、あった」

喩月はポケットから携帯電話を取り出した。 
傷一つなく新品のように綺麗だけど、少し古そうな見た目をしている。

「フフフ...なるほどね」

パシャ

「お~結構かわいい寝顔してるね~」

「本当だぁ~...そうだ!」

美咲はニヤリと笑った。
変なことでも思いついたのだろうか。

「さっきの寝顔、櫻井に見せてみない?」

「いいね~、自分の寝顔見てどんな反応するのかな~」
「あっ、でも見せる前に起こさなきゃね~」

「どうせなら寝起きドッキリ的なものを仕掛けたいんだけど...何かいいアイディアとかない?」

「振ったら爆音がなるやつとかどうかなぁ~
確か一枚の紙で作れた気がするよ~」

「ああ~あれか! だったら私作れるけど...何か紙とかない?」

「さっき配られたプリントとかじゃダメかなぁ~」

「その手があったか!」

美咲は机の中に手を突っ込んでプリントを取り出した。
手慣れなのだろうか、彼女はそれを30秒程で作ってしまった。

「出来た」

そう言って彼女は明美の席に近づいた。明美はまだ寝ている。

パァン!!

「ヒャッ」

紙で鳴らしたとは想像出来ないほどの爆音で明美は起こされた。

一瞬驚きの表情を見せたが、何事もなかったかのようにいつもどうりの様子に戻った。

「おはよ〜櫻井ぃ〜 よく眠れたぁ〜?」

「べっ、別に寝てなんかないし...」

授業中に寝ていた奴は大体そう言う。
バレバレなのに隠したがるのだ。

続いて喩月があの写真を見せる。

「みてみて~この写真」

「ん~?どんな写真...っておい!これ私の寝顔じゃねえか!」

「えへへ~」

恥ずかしいのだうか、明美の顔が少し赤くなった。

「後で消せよ!ぜっ、絶対だからな?」

と彼女に言われたので、

「やだ~」

と喩月は答えた。そのとき、彼女の頭にげんこつが降ってきた。

ボカッ!!

「いてっ」

今日の明美のげんこつは特に強烈だった。
今まで食らった中で最も痛かったかもしれない。

「だからぁ~、けーしー て♡ 」

(この目線...ヤバいっ、いつもとは気迫が全然ちがう...それに、もしここで拒否したら何されるかわからない!)

「わかったわかった!消す消す!」

そのまま残すしておいたらちょっとかわいそうだし、拒否したら何されるかもわからないから消すことにした。

「消しちゃったか~ 結構可愛いかったのに」

「うっ、うるさい!」

明美は恥ずかしそうにそう言った。




※佐蔵→佐蔵 喩月

※美咲→七瀬 美咲

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