ママは乙女!

オンスタイン

6話 パパの名前はゆーとーせい?

オットー主教と別れた後、家に帰ろうとして本部をの敷地を出ようとした時の事だった
「よぉー久しぶりだなー優等生さんよ」
シトラと2人で歩いていると1人の男が近づいてきた
「パパはゆーとーせいって名前なの?」
「そんな堅苦しい名前じゃないんだけどなー」
面倒臭くて相手にしたくなかったのだがシトラもいるし…
「随分と出世したみたいだなさっきもオットー主教と話してやがった」
どうやら偶然ではなく待ち伏せのようだった
「いやー実は仕事でやらかしてお叱りを受けてたところなんだよー」
なんとか言い訳をしたが効果はなさそうだ
「お叱りだけで自分のガキ連れてくるわけねえだろ」
まったくその通りだった
「ところで君は誰かな?なんとなく見たことがある顔なのは分かるんだが…」
「とぼけてんじゃねえよ気づいてるくせによ」
思い出したこの男は士官学校の同期だ。まあ首席で早めに卒業したためあまり顔を覚えていないのだが…(自慢じゃないよ…?)
「お前は気に入らねえやつだったいつも無感情で誰とも接点を持つこともなくただ指示されたことをやるだけ、まるで機械だ」
確かにあの頃は自分を持つことが面倒だった。ただ周りの人間の期待に応えるだけ
親がいない俺は自分を大切にしろだの個性だのそんな言葉とは無縁だった
「だがそんなクソ野郎がどうだ!知らず知らずのうちに士官学校を出ていって艦長だなんて大役に踊りでやがった!」
男の言うことは実にありきたりな事だった、要するに嫉妬である
「てめえは絶対に許さねえあの日から俺は機械以下の存在なのかと夜も眠れなかったんだぜ!?」
仕方がない、本当に機械以下の存在だったのだから
「聞いたぜお前、オットー主教とこの娘と出来てるんだってな?」
おいおい子供の目の前だぞーと思いながらも聞き流す
「どうだった?娘の体はよたいそう気持ちよかっただろうなー」
おいおい本当に子供の目の前だぞー口から滑りでそうになった声を止める
今ここで喋ると色々面倒臭い
「あんな小さい娘抱いて出世できるなら俺だってしとけば良かったぜククク」
「君だと何本、骨があっても足りないよ」
「ああ?」
とうとう声を出してしまった
だがもうどちらにせよ面倒臭いのでさっさと終わらせることにした
俺は後ろにいるシトラに声をかける
「シトラちゃんパパはちょっとお友達と遊ぶから向こうに行っててくれないかな?」
「パパなにして遊ぶのー!?」
それは聞かないでくれよ…
「てめえやる気満々ってわけか…おもしれえ!」
そう言うと脇から20人程の男がぞろぞろと出てきた
「僕のファンならサインしてやるから順番にならんでほしいな〜」
「調子こいてんじゃねえぞ艦長さんよ!」
男はそう言って襲い掛かってきた
挑発したのだから当たり前だがやはりシトラをどうにかするのが先だったかと後悔しつつ前を向き直した
「カッコイイところを娘に見せるのも父親のロマンだよね!」
そして襲い掛かってきた男を遠慮なくぶん殴った
「パパかっこいい!」
娘にこんな姿を見られてカッコイイと言われるのは一般的に考えてすごく恐ろしいことだが今はその言葉のおかげでアドレナリンが吹き出てくるので良しとする
「1人ずつかかってくるとは君たちも律儀なもんだなーありがたいが今は急いでるんだかかってくるなら一斉にきてくれ」
さらに挑発を加え襲ってくる人数が増えるが問題ない
確実に1人1人対処していく
気がつけば全員がひれ伏していた
「良かった良かった案外、早く片付いた。ささ、こんな所で転がられてると困るんださっさと自分の足で帰ってくれ歩けるようには調整したはずだからね」
「てめえこの人数相手に手加減しやがっただと!?」
「君たち相手に本気なんか出してたら艦長は務まらないよ」
「へっ甘いな甘すぎるぜ艦長さんよ」
「勘違いしないでくれ」
「あっ?」
「今、俺は艦長としてここに立っているわけじゃない」
そう言ってシトラを少し見た

「父親として立っているんだ」

決め台詞っぽく言ったつもりだが残念ながらシトラは褒めてくれなかった…

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コメント

  • 神月闇子

    次はシトラのクローンなんてヾ(〃>_<;〃)ノ ヤメテヨ!

    0
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