ママは乙女!

オンスタイン

5話 アポカリプス家のひーおじいちゃん

「へえ…オットー主教がまた呼んでるのか〜」
少し憂鬱な気分になったが行きたくないわけでもない
「パパとママお話し中ー?」
隣でシトラが口をもぐもぐさせながら話しかけてきた
するとテレサがシトラに向かって言った
「シトラも呼ばれているのよ」
「ええ!シトラも呼ばれてるの〜?」
「やっぱりか…」
シトラこそ驚いていたが艦長はなんとなく分かっていた
きっと孫の子の顔が見たいという純粋な気持ちだろう…
「孫の子にも溺愛できあい…かオットー主教はとんだロリコンだな」
一体明日はどうなることやら…

翌日、シトラは1番早起きしていた
「やあおはよう…シトラちゃん早起きとはいい子だね〜」
テレサは…どうやらまだ寝ているようだった
「もーおやすみだからっていつまでおねむなのかなー?ママは」
本当にぐっすり眠っているのだ寝顔は…実に愛おしい
「ママはこのまま寝かせておこうか」
シトラは笑って頷いた
「さてと…準備していこうかひいおじいちゃんのところへ」
シトラは少し実感が湧いていない様子だったがすぐ付いてきた
「……」
ふと艦長は後ろで寝ているテレサを見た
(行ってきますのチューでもしようかな…)
頭の中にそんな考えがよぎったがきずかれたりでもしたら大変な事になるのは想像できたので止めておいた
「行ってきまーすママ」
「それパパが言うの〜?」
「えへへ、パパは甘えたさんだからねー」

呼び出されたのはこの前と同じ天命本部だった
「ここに来るとなんだか腕が痛むなー」
艦長はこの前にここでオットー主教に腕を折られている…まあ今日はそのオットー主教に会いに来たのだが
「やあオンスタイン君」
不意に声をかけられ慌てて前を向き直すとオットー主教が外に出てきていた
シトラはポカーンとした顔でオットー主教ならぬひいおじいちゃんを見つめていた
「そんな熱い眼差しを向けられたら嬉しくなっちゃうなー」
オットー主教はものすごくニコニコしながらテレサを見つめ返した
「お久しぶりですねオットー主教」
「ああ、よく来てきてくれたねオンスタイン君。腕が治っていてなによりだ」
「パパこれがひいおじーちゃん?」
シトラがひょこっと顔を覗かせてそう聞いてきた
「ひいおじいちゃん…なるほどね確かにそうだお嬢さんお名前は?」
急に質問されてビクッとしていたがゆっくりと口を開いた
「し、シトラ…アポカリプス」
「シトラちゃんか…ママとよく似ているがそのまっすぐな眼差しはパパに似たようだね」
良かった…俺にも似ているところがあったのか…と艦長は安堵した
「オンスタイン君この子ここに置いていってくれないかい?」
「持ってかえらないとテレサちゃんに片腕ならず両腕折られそうなので…」
冗談半分で言ったがオットー主教は大笑いしていた
「そうだろうね、テレサならやりかねないよ」
そう言ってオットー主教はしばらくシトラを見つめた後満足そうに言った
「今日はもう帰っていいよ可愛い天使の顔が拝めて日頃の疲れが吹き飛んだよ」
オットー主教はそのままきびすを返そうとした
「はい、失礼しますオットー主教」
オットー主教は後ろ姿を向けながら手を振っていた
俺はその姿を見て不意に言わなければならないことにきずいた
「オットー主教またシトラのクローン作ろうだなんて考えないでくださいよ?」
オットー主教はビクッ!と肩を震わせていたがそのまま無言で立ち去っていった
「親子共々、心配な人だなー」

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