悪役令嬢は退場しました
悪役令嬢の置手紙
『この手紙を読んでいるあなたへ、
多分この手紙を読んでいる今日は、私は学園の創立記念式典のパーティーに参加している事でしょう。
そして、私はこの家に二度と立ち入る事は無いと思います。
何故なら、私は今日婚約者である王太子様から婚約破棄を宣言され断罪されるからです。
婚約者が好きな人を苛めた、という冤罪で……。
その好きな人、というのは私の妹である、と言う事を私は知っていますし、両親も加担している事も知っています。
思えば、私の人生は私の物ではありませんでした。
5歳の時に強制的に婚約者を決められ厳しい王妃教育を受け、公爵令嬢として私は生きてきた10年でした。
しかし、それももう限界です。
妹は親に甘やかされ生きて私の事を小馬鹿にしていました。
両親も妹の味方です、この家には私の味方なんていません。
そして、私の耳に聞こえてきたのが妹が婚約者と仲良くしている、と言う事。
更に既に肉体関係も持っている、更に二人して私を馬鹿にしている、と言う事。
はっきり言ってもう泣きたいし怒鳴り散らしたいしもう荒れた気分です。
何故、私だけハズレくじを引かなければならないのでしょうか?
そして、私は決断しました。
もう、全部捨てる、と。
婚約者も家族も国も全部捨てて知らない土地で一から人生をやり直そうと決めたのです。
そこで、今日の婚約破棄を使ってやろう、と思いました。
仕掛けてくるのなら今日しかない、と思い計画を準備しました。
計画は簡単です、断罪を受けた後私は自らの命を絶ちます。
バルコニーから飛び降りるのです。
勿論、死ぬわけではありません。
ちゃんと飛び降りた時点にはクッションを隠して用意しました。
そして、本当に私が死んだと思わせる様に知り合いの錬金術師に私に似せた『人形』を作ってもらいました。
血や骨まで作られてある完璧な人形です。
多分、人形とは気付く人はいないでしょう。
ついでに置き土産と言ってはなんですが両親が陰でやっていた不正の証拠を国王様に送りつけました。
私の死後、国王様が愚か者達に断罪してもらう約束になっています。
私のこの計画を知っているのは国王様、王妃様、そしてこの手紙を読んでいるあなたです。
国王様夫妻は私がこの計画を話した時、泣いて謝られました。
今まで苦労をさせてすまなかった、後始末は我々がやる、貴女は自由に生きてくれ、と言ってくれました。
今日で公爵令嬢としての私は死にますしこの家のお終いです。
この手紙を読んでいるあなた、多分掃除をしに来たメイドだと思いますが、この手紙を読み終えたら火で燃やしてください。
そして、机の引き出しに私が書いた紹介状とちょっとしたお金を入れておきましたのでそれを持ってすぐに家を出てください。
このままこの家にいても良い事等ありません。
なんで、こんな事をするのか、疑問に思う事と思いますがそれは手紙を読んだ時点であなたは私の味方だと思うからです。
この手紙はわかりにくい所に置いてありますからね。
それではあなたの人生に幸がある事を祈っています。
ベンシアール家長女レネシアより。』
多分この手紙を読んでいる今日は、私は学園の創立記念式典のパーティーに参加している事でしょう。
そして、私はこの家に二度と立ち入る事は無いと思います。
何故なら、私は今日婚約者である王太子様から婚約破棄を宣言され断罪されるからです。
婚約者が好きな人を苛めた、という冤罪で……。
その好きな人、というのは私の妹である、と言う事を私は知っていますし、両親も加担している事も知っています。
思えば、私の人生は私の物ではありませんでした。
5歳の時に強制的に婚約者を決められ厳しい王妃教育を受け、公爵令嬢として私は生きてきた10年でした。
しかし、それももう限界です。
妹は親に甘やかされ生きて私の事を小馬鹿にしていました。
両親も妹の味方です、この家には私の味方なんていません。
そして、私の耳に聞こえてきたのが妹が婚約者と仲良くしている、と言う事。
更に既に肉体関係も持っている、更に二人して私を馬鹿にしている、と言う事。
はっきり言ってもう泣きたいし怒鳴り散らしたいしもう荒れた気分です。
何故、私だけハズレくじを引かなければならないのでしょうか?
そして、私は決断しました。
もう、全部捨てる、と。
婚約者も家族も国も全部捨てて知らない土地で一から人生をやり直そうと決めたのです。
そこで、今日の婚約破棄を使ってやろう、と思いました。
仕掛けてくるのなら今日しかない、と思い計画を準備しました。
計画は簡単です、断罪を受けた後私は自らの命を絶ちます。
バルコニーから飛び降りるのです。
勿論、死ぬわけではありません。
ちゃんと飛び降りた時点にはクッションを隠して用意しました。
そして、本当に私が死んだと思わせる様に知り合いの錬金術師に私に似せた『人形』を作ってもらいました。
血や骨まで作られてある完璧な人形です。
多分、人形とは気付く人はいないでしょう。
ついでに置き土産と言ってはなんですが両親が陰でやっていた不正の証拠を国王様に送りつけました。
私の死後、国王様が愚か者達に断罪してもらう約束になっています。
私のこの計画を知っているのは国王様、王妃様、そしてこの手紙を読んでいるあなたです。
国王様夫妻は私がこの計画を話した時、泣いて謝られました。
今まで苦労をさせてすまなかった、後始末は我々がやる、貴女は自由に生きてくれ、と言ってくれました。
今日で公爵令嬢としての私は死にますしこの家のお終いです。
この手紙を読んでいるあなた、多分掃除をしに来たメイドだと思いますが、この手紙を読み終えたら火で燃やしてください。
そして、机の引き出しに私が書いた紹介状とちょっとしたお金を入れておきましたのでそれを持ってすぐに家を出てください。
このままこの家にいても良い事等ありません。
なんで、こんな事をするのか、疑問に思う事と思いますがそれは手紙を読んだ時点であなたは私の味方だと思うからです。
この手紙はわかりにくい所に置いてありますからね。
それではあなたの人生に幸がある事を祈っています。
ベンシアール家長女レネシアより。』
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