冬の稲妻

ブラックベリィ

052★それは、キスマークだ

 「あのな、雅美、女っていきものに
  理想もっているかもしんねぇ~けど

  お・ん・なって生き物は
  お前が思っているより

  結構面倒な存在なんだぞ」

 秀人に言い切られて、雅美は言い返す言葉が思いつかなくて黙ってしまう。

 「うぅぅー…………」

 そして、プイッと横を向いた雅美は、自分の腕に散る紅い痕に気付く。

 「ねぇ、秀人君
  秀人君のベットって虫さんいるの?」

 俺のベットに虫?
 そんなモンいるはずねーけど?

 「あん、何でだ?」

 秀人の質問に、雅美は腕を差し出して言う。

 「だって、ほら、ここ」

 差し出された腕を見て、秀人は内心舌打ちする。

 「うん?」

 あっ…やっべぇー………
 雅美が、気が付かない場所にも…………

 俺ってば、けっこうキスマークを着けた………
 所有欲ってヤツが強いらしい

 首筋……胸周辺……内腿なんて………
 あははは……言い訳……するより……

 夕べの雅美をなだめる為に、色々な刺激を……
 キスから、どんどんエスカレートしたから……

 って、本当のコトをあっさりと言うしかない
 その上で、俺としたコトは…………
 気持ちのイイコトだったって、教えてしまえば………

 秀人が慌てたのは一瞬のことで、直ぐに開き直った。



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