冬の稲妻
019★酒の影響が残っていたようだ
秀人の質問に雅美は考え考え答える。
「……んとねぇー……
なんかさぁー……
秀人君の舌がぁー…
ぬめぬめして口の中で
暴れるのぉ~……
でも嫌じゃないんだ
これが
僕って変なのかなぁ?
ねぇ~もう一回やってみてよ
秀人君」
はは……昨夜の酒が残っているな……ちっ……。
この部屋には、酒は置いてないからなぁー……このまま…キスで寝かせるかぁ………。
すっかり興味をもってしまった雅美に、秀人は、不味いかなと思いながらも、雅美の言葉(要求?おねだり?)に応える。
「じゃあ、ちょっと
口開けろ」
秀人の言う通り、ほんの少し唇を開いて雅美は、秀人の舌を受け入れていく。
わぁー、気色悪ぅー……………気色……あ……良い………。
「あ、でも…気持ちイイ
……もっとぉ~……」
秀人は、雅美のおねだりにちょっと呆れていた。
恐怖を忘れる為に、お前。節操、捨てるかよ、雅美。
でも、まっいっかぁ……。
雅美と同じように、秀人も、昨夜の酒が残っていて、理性の働きが本人が思っているより、かなぁーり鈍くなっているようだった。
だから、適当に女と付き合っては、ポイッと捨てている非道な男なのに、雅美には無自覚で惚れていた秀人は、雅美の望みは何でも叶えようとするのである。
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