冬の稲妻
011★幼馴染みの名前に不快を感じるのは………
その言葉に、秀人は目を細める。
なるほど、んじゃあ、怖がっても当然かな?
………つっても……いまいち、危機感ないから、わかんねぇーなぁ………。
秀人は黙って雅美の言葉を聞きながら、その瞳に溜まった涙を拭いてやる。
………にしても、ヒロシ…か、俺達(ギドラ)にとっては、あまりいい名前じゃねぇーけど、そいつに感謝だな。
雅美の口から出た名前に、内心で首を傾げるが、表情に出す事なく頷いてやる。
「あれ以来ね、怖いの……
前はね、綺麗な光だね
って出来たのに
今は怖いの………」
「そっか、こわかったな」
優しく頭を撫でられ、雅美はその安心できる掌の感触に、撫でられて嬉しい子猫のように瞳をうっとりと細めながら、言葉を続ける。
「………ちなみにね
ヒロシちゃんは
僕を助ける為にね
火傷やっちゃって以来ね
『火が怖い』って
突然言い出す時があるの
でね、それ直す為にね
『煙草の味覚えてやる』って
無理やりライターいじってた
時期あったんだけど………
今、どうしてるかなぁ………」
おいおい、どぉーして、そこで煙草なんだ?
じゃなくて、それより、このまま雅美が大人しく眠ってくれればラッキーなんだけどなぁ…………。
まっ雅美のことが一つ知れて嬉しいけど…………。
でも、ちょっとムッとするのは、何故だ。
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