冬の稲妻

ブラックベリィ

010★カミナリが怖い理由は?



 うるりんと雅美にされた秀人は、よろっと来て、つい可愛いと思いながら質問する。

 「お前、どうしてそんなに
  カミナリが苦手なんだ?
  こんなに綺麗なのに…………」

 雅美は秀人の裸の胸に縋り付きながら、ちょっと幼い口調で、たどたどしく話し出す。

 「あのね、小学校の頃ね

  運動会の時
  ゴールポストの近くに
  いたの……グランドで……」

 「ふーん」

 雅美のたどたどしい言葉に、秀人は相槌と合間合間に合いの手を入れて、話しやすいようにしてやる。

 「えっとぉー……
  四年生の時
  だったっけかなぁ………

  ちっと、雨降ってたの……
  ほんとおに、少しだけ」

 「それで」

 「それでね、秀人くん
  先生がね

  『大丈夫
   少しの雨だから
   このまま決行しましょう』

  って言ってた

  ………な…のにね……
  ひっく……何時の間にか

  ゴロゴロって
  空がいい出してね…
  …ヒック…」

 「ふぅーん、それで」

 「うん…そのカミナリね
  ゴールポストに
  おっこったの………

  でね、そん時、僕……
  ヒロシちゃんがね

  野生の勘でダッシュして
  よけてくれなきゃ
  死んでたの………

  隣りにいた子
  次の瞬間には
  死んでたんだもん

  ………本当だよ」






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