冬の稲妻

ブラックベリィ

008★パニックで子供化



 雅美の問い掛けに、秀人はカミナリが怖くて、完全にパニックを起こしているんだからと、諦めの境地の中で緩く首を振る。

 「いや……雅美が嘗めて
  治してくれたから平気だぞ……」

 その言葉に、雅美は自分の行動に、ハッとして顔をうっすらと赤らめる。
 そんな雅美を、秀人はソッと自分のベットに降ろした。
 次の瞬間、和やかな雰囲気をぶち壊すように、地響きを伴う重い雷鳴が響き渡る。

 ゴゴォ…ゴロゴロ……ズゥズゥーン

 窓の外には、暗雲の中から稲光が綺麗に枝分かれしながら空を切り裂いていた。

 「怖いよ、秀人君
  こわいよ……ヒック……」

 ビクンッと身体を振るわせた雅美は、秀人の腕の中に潜るように丸まりながら、ぽろぽろと涙を零して泣く。

 うっ……子犬がプルプルしてるみてぇーで…可愛い…。

 秀人は雅美の泣く姿が、意外と可愛いので、雅美の涙を指で取ってやりながら優しく囁く。

 「雅美、俺がいるだろう」

 背中を宥めるようにさすり、ぐっと自分の半身にぴったりつく程抱き寄せてやる。
 素肌の感触に、無意識に癒された雅美は、更に胸に縋るにしながら健気に頷く。

 「うん」

 雅美は、秀人の優しい配慮に瞳を潤ませながら、嬉しそうに心置きなく抱きつく。
 はっきり言って、その仕草は子供である。




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