冬の稲妻

ブラックベリィ

004★始まりは雨音から………


 雅美は、真夜中にフッと目覚めてしまった。

 真っ暗な見覚えの無い室内に、内心で首を傾げる。

 あれ? …ここは…………えーっとぉ…………。
 ああ……そうだ……ここは……秀人君のマンションだ。

 そして、雅美は、自分が何処にいるか、なぜ、此処にいるかを思い出したのだった。

 ぼくは、あの銭湯での…………。
 あうぅぅぅっ………いやだぁぁ…………あんなモン。
 うえぇぇ…思い出したくなぁいぃぃぃ…………。

 そして、雅美は、はたっとそこで気付く。
 何時もとは違う、不自然さを…………。

 「……あ? ……なんでぇ……
  ぼく、目ぇ覚めたんだろう?
  変だなぁ?

   朝まで、ぐっすりと
  寝れるはずなのにぃ………」

 首を傾げた雅美は、シトシトと雨の降る音に、ふと気付く。

 「ぅん? あれぇ?
  この音、もしかしてぇ……
  シトシトしてるぅぅ………」

 うふふふふ……雨の音してるけどぉ……ふ…冬の雷鳴…冬の稲妻………なんて事は…………。
 この時期だから……たぶん……平気だよね。

 「今、冬なんだからぁ…………
  無いよねぇ………
  だいじょうぶ、大丈夫」

 口の中でそう呟いた雅美は、ソファーの中に隠れるように丸まり、毛布を頭まですっぽりと被る。







「冬の稲妻」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く