私は聖女になります性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

094★魔法騎士団が1番の理由は?


 エリカが、アルファードにちょっとした制裁?を加えた後、何事も無かったように聖女候補達は話しだす。
 それに、恥ずかしくてたまらなくなっていたエリカはのった。
 エリカに話しかけたのは、魔法騎士団が何故全ての騎士団の上なのか?と思っていた撫子だった。

 「ねぇ~エリカさん、魔法騎士団って全ての騎士団の上に立つって
  聞いたんだけど?」

 その質問には、副音声が付いていた。

 【私の見た騎士様達に比べると
  ここにいる魔法騎士団の騎士様達って、細身の美形ばっかりなのよねぇ~…

  姿だけを見ると《体力》では…中央騎士団の方が強いかも?
  魔法が上なだけ?】

 撫子の疑問に、エリカは、にっこり笑って言う。

 「うん、1番上だって、オスカーさんが言ってたよ」

 見た感じだと、そこまで強そうに見えないので、疑問なのという表情で牡丹が首を傾げる。

 〔こんなに美形ばかりだと…乙ゲーの近衛騎士団みたいだな?って思っちゃう
  帝都騎士団も美形がいたけど、細マッチョって感じの人が多かったしね
  本当に強いって言うなら、どの辺が強いんだろう?〕

 「どうしてか判る?」

 そう聞かれたエリカは、魔の森で戦っていたアルファードを思い出す。

 〔あの場に到着した時、アルってば対峙した魔物と剣で戦っていた
  あれは、強力な魔法を使うと怪我している

  ギデオンさんやレギオンさんやマクルーファさん達に
  被害が出る可能性があったからだって、後で聞いたけど………

  でも…救援を要請する魔法を使いながら戦っていたしねぇ~………
  色々なコトを戦いながら出来るって、凄いって思うもん〕

 思い出した記憶の中から、ソレらしいモノを引っ張り出して、エリカは言う。

 「たぶん、騎士としての《力》と魔法使いの《魔力》の
  バランスが取れているから、1番強いってことなんじゃないかな」

 エリカの答えに、百合が小首を傾げて聞く。

 「騎士の《力》と魔法使いの《魔力》って?」

 「よくラノベでも書いているけど
  魔法を使う為に、詠唱している時、魔法使いって無防備になるでしょう」

 「うん、詠唱が終わる前に攻撃すれば、勝てるって設定だよね」

 「でも、無防備にならないように、エンチャントされたアイテムを使うとか
  《シールド》とか《結界》を使って防御するのがセオリーだったよね」

 エリカの説明に、聖女候補の少女達はうんうんと頷く。
 そして、そのうちの1人が合いの手を入れる。

 「後は、仲間に守ってもらい魔法を発動するって感じだったよね」

 桔梗の言葉に、ちょっと小首を傾げた鈴蘭が言う。

 「それって、常に誰かと一緒にいるってコトじゃないの?」

 その続きを牡丹が引き取って言う。

 「魔法使い1人だと《魔力》枯渇が心配になるよね
  《シールド》とか《結界》の使いすぎでさ」

 「確かにそうね」

 連想ゲームのように、騎士や魔法使いの戦い方や《力》についてを、聖女候補達から引っ張り出したエリカは、ちょっと肩を竦めて言う。

 「その弱点が無いのが、魔法騎士団の魔法騎士達なの…両方の特性があるから
  ラノベだと、ルーンナイトやマジックナイトって、表現されているアレね」

 エリカの説明に、撫子がなるほどという表情で言う。

 「そうね、騎士だったら、戦えるわね
  その上で魔法使いとしての《魔力》や騎士としての《体力》があるから
  うん、ひとりでも戦えるのが、この魔法騎士団の騎士達なのね」

 納得という響きに、他の聖女候補も同じような表情になる。
 そして、蘭がポツリと言う。

 「う~ん…チートな感じだね」

 「うん、そうだよね
  でも、私達もかなり《魔力》があるって、神官様が言っていたから………」

 「そっかぁー…私達も魔法を習って、使えるんだよねぇ」

 「えっとね…それだけど………
  魔法の制御方法とかを習ってなくてもね
  ラノベやRPGのドラク○とかなんかをしっかりと思い出して………

  がっつりとしたイメージを固めて、それに適した呪文?を唱えれば使えるよ
  私は、攻撃も防御も治癒も使えたよ」

 エリカの言葉に、6人の聖女候補達は、声をハモらせて言う。

 「「「「「「えっーマジでぇー」」」」」」

 〔うん、わかるわその反応…エリカだって厨二病臭いって思いながら
  やったんだもん〕

 「うん、きちんと発動したよ
  乙ゲーのように魔法学園とか魔法学校に行かなくても………
  ある程度は、イメージ《力》と《魔力》で魔法が使えるみたいよ」

 そのエリカのセリフに、鈴蘭がハッとした表情になって言う。

 「そう言えば、貴族の子弟が行く学校があるって言ってたよ」

 「本当?」

 エリカも学校の言葉に、ピクッとする。

 〔学校があるんだぁ…どんな学校なのかな?
  ここは……聞くならオスカーさんかな?〕

 エリカは、ちょっと考える風を装ってからオスカーへと視線を向けて言う。

 「オスカーさん、学校ってあるんですか?」

 オスカーは、エリカの質問に、隠す必要を感じなかったのであっさりと答える。

 「ええ、有りますよ
  寵愛の聖女様がどうしても作りたいといって出来た学校が幾つかありますね

  その中には《魔力》があるならば
  平民でも通える魔法を教える学校もあります」

 「そうなんだぁ~」





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