私は聖女になります性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

037★この展開って、まるで…………



 エリカの言葉に、アルファードは苦笑しなが答える。

 「俺は、48才

  キデオンとレギオンは
  2人とも、30才だ」

 アルファードの言い方に、誕生日はまだ来ていないと、どこぞのアラサー女性のようなことを言うレギオンだった。

 「ひっひどい、キデオンは
  あと10日で30才だけど

  僕は、あと13日で
  30才なのにぃー」

 レギオンの言葉にむっとしていたギデオンだったが、エリカに少しでも良い印象を与えたくて、自分達を若く言うのだった。

 「「とにかく
  まだ、20代です
  姫君……姫君は?……」」

 声をハモらせてそう訴えるように言いながら、エリカの年齢をしっかりと聞いてくる。
 が、他意を感じなかったエリカは、あっさりと答える。

 「エリカは、15才です」

 エリカの年齢を聞いて、2人は嬉しそうに言う。

 「「俺達と、そう変わらないですね」」

 嬉々としてそういう弟達に、冷たい視線を送りながら、ボツッと言う。

 「30代と10代じゃ
  結構違うと思うが?」

 アルファードの言葉に、エリカに好印象をと画策する2人は、再びハモって言う。

 「「兄上ってば酷い」」

 〔あぁ~……なんか
  楽しそうだなぁ~……

  やっぱり
  物資と人材の救援が来て

  ヒドラにキメラに
  サラマンダーの討伐が

  終わって
  安心したんだなぁ~………

  じゃない、流石に
  この格好は恥ずかしいわ〕

 「あのぉ~…質問しても
  イイですか?」

 「何を聞きたい?」

 「何時まで
  この恥ずかしい
  お姫様抱っこを

  アルにされていなきゃ
  いけないんでしょうか?」

 羞恥心の限界に、一生懸命そう言ったエリカに、アルファードは少し困ったように言う。

 「あっあぁすまない…

  エリカがあまりにも
  軽かったから………

  ついそのままに
  してしまった

  でも…君は魔力を
  使い過ぎて
  倒れたんだから………

  このまま俺と
  シルファードに
  乗るんだよ」

 〔げっ…勘弁してよ…
  本気で羞恥心で死ねる

  美少年に抱えられる
  ぽっちゃりブス……

  シチュ的に無いでしょ……
  それって……

  こんなのスチルに
  無いでしょぉぉ~……

  嗚呼…誰でもイイから
  助けて……いや、マジで……
  自力救済しかない?〕

 大勢の人前に行くことが決定している事実に、エリカは何とかしようと足掻こうとするが………。

 「でっでも」

 お姫様抱っこのエリカを手放したくないアルファードはもっともらしく言う。

 「エリカは
  初めて戦闘と治癒に
  魔力を使ったんだから………

  神官に体調を
  確認してもらうまでは

  俺に従って欲しいんだ…
  ダメか?」

 心配なんだというニュアンスとともに、その表情を覗き込もうとする行為に、エリカはわたわたする。

 「わっわかったから…
  ……ひゃぅ……

  そんな顔しないで……
  ちっ…近いぃぃ……」

 抵抗する余裕もないまま、エリカはアルファードにシルファードの背に乗せられる。
 馬の背に乗ったことで、アルファードと離れるコトが出来ると安心したのだが…………。

 そんな甘い男では無いので、すかさずエリカの後ろにひょいっと乗るのだった。
 そして、爽やか笑顔?で言う。

 「気絶から
  目覚めたばかりの
  エリカを

  ひとりで馬に
  乗せられないから…………

  俺と一緒に
  野営地まで行こうね」

 その言葉に、エリカは項垂れてしまう。

 〔くっ…言い返せない…
  確かに正論だもん…

  でも…なんか…
  前に読んだラノベみたいな

  妙な展開になってる気が……
  まっ…まさかね

  大丈夫よ…エリカは
  ブスでぽっちゃりだから

  そういう対象的には
  問題外の人間だもん……

  エリカが
  聖女候補の1人で………

  面倒を見る必要が
  あるからだよね
  …たぶん、きっと……

  そうそう、ラノベや
  乙ゲーみたいなこと

  あるはずなんて
  無いって……たぶん……〕

 自分の思考に入りおとなしくなったエリカに、気を良くしたアルファードだった。
 が、魔の森の中でのんびりとするわけにはいかないので、シルファードの腹を軽く蹴り走る速度をガッツリと上げたアルファードだった。
 そんなアルファードの後を、騎士達は全員で追い駆けて行くのだった。

 なお、エリカやアルファードの甲冑は、オスカーの魔法の袋に突っ込まれて、運ばれています。
 エリカの日本刀は、大切にオスカーが、持っています。

 そんな一行は、負傷した騎士達を集めて野営地に戻るフェリックス達より、遅れてつきました。
 それでも、日没の残光が残っていただけマシだったという感じだった。

 日が暮れると魔物がより活発に動くので、屈強な騎士とはいえ《守護結界》が張られた野営地でおとなしく休息をとるしかないのだ。

 まっ…街と違って遊べる場所が無いので、元気が余っている騎士でもおとなしく休むことになっています。
 まして、魔物討伐で負傷したり、疲労でヘロヘロになっているので、彼らの娯楽は帝都からやって来たエリカ達の噂話をするぐらいがせきのやまだった。







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