私は聖女になります性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

031★アルファード団長とオスカー副団長、どっちがイイ性格?



 オスカー副団長の言葉に、アルファード団長は何故?と言う表情で言う。

 「どうして?
  俺の聖女だろ?」

 そのセリフに、オスカー副団長はやっぱりという表情で言う。

 「姫君が
  正式な聖女として
  認定されるのに必要な

  守護獣を手に
  入れなければ

  聖女とは
  認められないことを
  忘れたんですか?」

 「うっ…忘れていた
  訳じゃないぞ

  召喚されたばかりの時は
  聖女候補だろ」

 「そうです…
  まだ、聖女候補です

  ちなみに
  アルファード様の姫君は

  神獣か聖獣か幻獣を
  手に入れる為の

  剣と魔法と馬の修行は………
  全部終わっているも
  同然のようです

  ですから、訓練で
  色々と教えて

  親しくなるという技は
  使えないと思った方が
  イイでしょうねぇ……」

 「えっ…? …それは本当か?」

 「はい、剣は、異世界から
  持ち込んだ

  日本刀というモノで
  我々の模擬刀を一撃で
  切り落としました

  魔法ですが
  攻撃魔法を使って

  先程、ヒュドラを
  撃退しましたね

  治癒魔法の凄さは
  アルファード様や

  ギデオン様レギオン様達が
  身を持って
  知ったのではないですか?

  後は、小うるさい輩を
  黙らせる為の
  守護獣を手にするだけで

  アルファード様の
  愛しい姫君は

  すぐに聖女と
  認められるんですよ」

 オスカー副団長の説明を聞いて、アルファード団長は腕の中で意識を失っているエリカを見下ろしながら言う。

 「凄いな、今まで召喚した
  聖女の中で

  最強…いや…最高…
  うぅ~ん……

  1番の力と言うか…
  魔力を持つみたいだな…
 
  本気で
  俺の妻にしたい」

 アルファード団長の言葉を聞いたオスカー副団長は、にっこりと笑って言う。

 「でしたら
  最速で仕事を終えて

  自由な時間を
  作って下さいね

  そして、色々な所に
  出かけるとか………

  図書館で…我が帝国の
  周りの国々について
  教えるとか………

  姫君にとって
  楽しいことや

  知りたいコトを
  一緒に楽しめるように………」

 「ああそうだな
  俺は…エリカに
  好かれたい……」

 「では、しばらくの間
  この間の森に
  来ないで済むように

  この森の主をしっかりと
  処分して下さい

  そう、当分の間………
  この魔の森に来なくて
  済むように……」

 「わかった討伐して来る
  エリカを頼む」

 ちょっとシブシブ感のある口調で、アルファード団長は腕の中のエリカをオスカー副団長へと手渡す。
 エリカを受け取ったオスカー副団長は、きびすを返すフルファード団長に、すかさず言う。

 「お1人で行かないで下さい」

 「えぇ~面倒臭い
  ひとりの方が良いのに………」

 「ダメです…
  部下にもきちんと
  経験を積ませて下さい」

 「そこを
  ちょっと曲げて欲しい」

 「しょうがないですね…
  今回…だけですよ」

 「わかったよ…
  行けばイイんだろ?」

 「はい…では…
  さっさと行って下さい

  怪我しないで
  帰って下さいね

  姫君が哀しみますから………

  でも、ちゃっちゃと
  討伐して下さいね

  姫君が目覚める時に
  側に居たいでしょ」

 オスカー副団長に乗せられたと判っていても、エリカの側に居たいという強い要求を感じているアルファード団長は、良い子の返事をして森の奥へと向かう為に、自分の馬を指笛を使って呼んだ。

 ピィーッという音に、反応して馬のいななきが、直ぐ側とちょっと離れた場所から聞こえる。
 直ぐ側に居たのは、エリカが乗ってきたシルファードで、ちょっと遠くでいなないたのは、黒い馬体に金色のたてがみと尻尾を持つウェンドールだった。

 素直に駆けて来たウェンドールを軽く撫でてから、アルファード団長は、ひょいっと鞍に跨った。

 一応は、アルファード団長の指笛に応えていなないたが、ちらりとも視線を向けることも無く、動くこともしなかったエリカを見ているシルファードに視線を送ってから、森の奥へと駆けて行った。

 その微妙な表情を、オスカー団長とマクルーファ副団長は楽しんだ。
 キデオンとレギオンは、なんとなくアルファード団長に同情したのだった。

 アルファード団長が、森の奥に消えてさほど経たずに、マイケル隊長が部下達と馬を連れて現われた。
 そして、エリカを抱き込んで座っているオスカー副団長に声を掛ける。

 「オスカー副団長

  中央騎士団と
  魔法騎士団の負傷者を
  回収していたんですが…………

  途中で
  突然治ったのは

  姫君の
  治癒魔法ですか?」

 「その通りです…
  フェリックス達とは
  会いましたか?」

 「はい、俺達が
  纏めていた騎士達を

  一緒に連れて行くことに
  なりました

  フェリックス達には
  ドナルドとエルロイを
  付けました

  クリストファー達には
  タイラントとジョンを
  付けました

  経験を、もう少し
  積ませるというコトで……

  俺は…あんな大きな
  魔法を行使した姫君が
  気になりましたので………

  それと
  ギデオン様とレギオン様

  それに
  マクルーファ副団長の
  馬を見付けましたので

  届けた方が良いと
  思いましたので………」

 「まぁ~良いでしょう

  ギデオン様とレギオン様と
  魔法学園の
  同期だったんですから……

  気になっても
  しかたないですね

  好きにしなさい…
  今回だけですよ」

 「ありがとうございます」




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