私は聖女になります性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

019★召喚と魔石の関係



 そんな中、アルベルトは、ふと思い出して言う。

 「そう言えば
  聖女候補の
  召喚魔法の補助にと

  皇妃様、側妃様
  妾妃様達全員に

  私の手のひらから
  溢れる大きさの魔石を
  7個づつ頂ました……

  そのお陰で…聖女様を
  7人も召喚出来たのだと
  思っております」

 アルベルトのイヤァ~ンな発言に、恵里花はあることを思い出す。

 〔そう言えば…
  召喚の魔法陣の
  模様の上には

  色取り取りの大きな石が
  ぽつぽつと置いてあったわ

  あれって魔石だったのね

  そうすると…
  魔法陣の呪文を魔石で

  強化していたって
  コトになるわね…はぁ~…

  その強化の結果が…
  7人の聖女候補を

  異世界から召喚出来た
  ってコトね

  なんか、安心したわぁ~……
 
 でも、やっぱり
  確認しておこう〕

 「あのぉ~………
  魔法陣に置かれていた
  色の付いた石って

  もしかして魔石ですか?

  それって…魔法陣を
  より強力なモノにして………

  呼び寄せる対象の数を
  増やすとか?

  より能力のある者を
  呼び出すとか?

  って…効力が有るんですか?」

 恵里花の問い掛けに、神官は大きく頷く。

 「はい、もしかしたら
  聖女候補様を複数呼べる
  かも知れないということで………

  過去に魔石の補助で
  3人の聖女候補が

  召喚できたという記録が
  存在していましたので…………
 
  大きな魔石が有れば
  3名以上の召喚が

  出来るのではないか
  ということで……

  魔石を使用しました」

 その説明に、恵里花は小首を傾げて聞く。

 「えっとぉ…なぜ
  そんなに聖女候補の人数を
  増やしたかったんですか?

  もしかして、何か特別な
  事情が有ったんですか?」

 アルベルトは、良くぞ聞いてくれましたという表情で、嬉しそうに答える。

 「聖女候補様達は
  異世界の知識を

  その身に宿して
  召喚されますので

  我々にはわからない
  事柄を読み解くことが
  過去に多数あったのです

  その知識を
  必要としたのです」

 説明するアルベルトの様子と内容から、恵里花はふと思う。

 〔新しい知識ね………
  よほど何かに
  困っているのかしら?〕

 恵里花や説明しているアルベルトをよそに、室内に居る騎士や神官や魔法使いはそれぞれの思うところを口々に口にする。

 「なるほどねぇ~…だから…
  あの仲が悪い妃様方が…

  魔石を全員足並みそろえて
  神殿に寄付するわけだ」

 「でもなぁ………
  理由がソレだったら

  団長に言えば
  本部にある魔石を

  幾らでも寄付したろうに………」

 「魔法騎士団の団長に
  魔石を出してもらうコトを

  1人を除いて
  嫌がったからだろうさ…
  馬鹿馬鹿しい話しだな」

 「ああまったく
  色も力も落ちる者を
  立てる気かって思うな」

 雰囲気と会話内容が怪しくなったソコに、ノックの音が響く。

 マイケルが、ぞろぞろと騎士達(魔法騎士と着ている甲冑の色とデザインが違う者もいた)を連れて部屋に入って来た。
 そして、オスカーに話し掛ける。

 「オスカー副団長
  神殿周辺に魔物の
  気配は有りません

  また、聖女候補の
  姫君達は

  保護担当予定のお……
  ゲフンゲフン…
  すみません…

  神殿から、予定の
  王城内の騎士団本部

  及び王城内の支部へと
  移動しました

  こちらの姫君は………」

 報告の途中で、わざとらしい咳き込みをしたマイケルに、恵里花は胡乱うろんな瞳でジッと見詰める。

 そんな恵里花の視線に気が付いたオスカーは、視線がマイケルに向けられているので、ついチッと小さく舌打ちしてしまう。
 
 〔はぁ~…ちょっと…
  不味いかな?

  隊長就任から
  まだ日が浅いマイケルでは

  姫君への対応に
  不味い部分が出てしまうな…

  でも、経験豊富な隊長は……
  団長に付いて
  出撃しているから………

  その他に、東西南北及び
  中央に魔物討伐の
  手伝いとして

  出来る隊員と共に
  呼ばれているしで…

  人材不足なのは
  しょうがないか………

  はぁ~…私が…
  手綱を握るしかない…

  このままでは
  流石にハゲそうだ………

  以前…祖先の日記に…
  聖女様と性女様の
  出現した時………

  帝都騎士団…………

  …いやいや…逃避しても
  何も解決しない

  ああ…そうだ………
  マイケルがこれ以上

  不味いコトを
  口にしないように……

  視線に…魔力を込めて
  脅すとするか〕 







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