私は聖女になります性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

008★恵里花が聞きそこね、神官による聖女候補についてのお話し3

 やはり、どの美少女もマンガとラノベを読み、アニメを見ているので、魔法を使えるようになるというお話しには弱かった。
 年頃的にも、厨二病を克服したかどうかという年齢もあったから…………。

 だから、美少女達は、真面目に魔法の勉強をして、魔法使いになるんだとこころに誓っているのだった。
 そう、浄化を司る聖女ではなく、魔法少女を目指していたのだ。
 そんな厨二病の聖女候補達に、ワルター神官は予定通りの説明を淡々とする。

 「自分に適正のある属性だけ
  修行しますし………

  魔法についての基礎知識は
  教えますが

  それを追求した
  魔法理論や魔法付与など

  新しい魔法の
  創造などについては…………

  こちらも聖女が
  早く欲しいので

  色々とはぶきますから
  大丈夫です

  それらに対して
  好奇心がおありでしたら

  瘴気しょうきの浄化が
  終わりました後

  ゆっくりとお教えします

  まずは、聖女候補の
  皆様の守護獣となる

  神獣や聖獣や幻獣を
  試練の森にて

  手に入れていただきます」

 ワルター神官の長い説明に疲れた牡丹は、ちょっと面倒くさくなっていた。
 いや、聞きたいコトと、美味しい(厨二病の欲望を満たす)話しが終わったので、こちらも淡々とした感じで聞く。
 
 「それって………
  どういう意味があるの?」

 残りの5人が、うんうんと頷き、ワルター神官を見る。
 その視線を感じ、ワルター神官は説明を続ける。

 「試練の森と
  呼ばれる場所で

  神獣や聖獣や幻獣と
  感合かんごうする為には

  聖女候補様達は
  試練の森ではかならず

  お独りになる必要が
  有りますので………

  そのぉ……
  独りにならないと……

  守護獣となる彼らは
  人前に出てきませんから……」

 〔〔〔〔〔〔……えっ?…マジで…
  それって……かなぁ~り
  ヤバイじゃん……〕〕〕〕〕〕

 全員の気持ちが重なる。
 が、聞かなければと、1人が勇気をだして聞く。

 「試練の森って……
  魔物とか色々と居るとか?」

 その問いに、ワルター神官は大きく頷いて言う。

 「はい…魔物などが
  棲んでいる場所ですから…

  最低でも
  乗馬は必須ですね

  徒歩で試練の森に
  入ったりしたら

  魔物や獣に
  好きに襲ってくれと
  言うよなものです

  ですから
  聖女候補の皆様は

  馬に独りで乗れるように
  なっていただきます

  それに、身の安全を
  確保する為にも

  剣の修行も必要ですね

  守護獣と感合かんごうする為には

  聖女候補の護衛をする
  騎士達と離れて

  独りになる
  必要がありますから

  自分の身は自分で
  守るというコトです」

 あくまでも、淡々とそう言うワルター神官に、ちょっと気の強い牡丹が、これ重要だからと、聞く。

 「魔物が棲んでいるのに
  どうして
  神獣や聖獣や幻獣がいるの?」

 牡丹の問い掛けに、ワルター神官はかなりとぉ~いぃ~視線で、明後日を向いて言う。

 「それは、そこには
  人が住んでいないからです」

 そんなワルター神官の様子と言葉に、ちょっとおとなしい鈴蘭が、勇気を出して聞く。

 「もしかして、人間って
  嫌われているの?」

 〔だったら感合かんごうって
  よっぽどの運がないと

  出来ないモノ
  なんじゃないかな?〕

 不安を滲ませる聖女候補達に、ワルター神官は少しだけ無意識に肩を竦めて言う。

 「まぁ…嫌われている
  というよりは………

  そうですね
  人は個体数が多いですから

  個体数の少ない
  神獣達と違って

  数が多い上に
  色々な気や欲望を

  あたりに大量に
  撒き散らしているので…

  彼らには、それがとても
  五月蝿うるさくて
  わずらわしいんですよ

  だから、人が住まない
  静かな場所を
  好んでいるんです

  それとですね……
  試練の森以外だと

  あとはほぼ
  人跡未踏の土地にしか

  神獣達は
  おりませんので……

  そんなに、王都から
  離れた場所に

  か弱い聖女候補を
  連れては行けないという
  事情もありますので……」







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