婚約破棄から始まる英雄伝説《ヒロイックサーガ》

ノベルバユーザー285581

皇帝、弟子を取る。

 アレクサンダーが鍛練を終えるとタマモがしゃべりかけた。


「陛下、それはなんという武器なのじゃ?」
「タマモ殿下、これはドラゴセーバーという武器です。記録では7千年前には実用的なレベルに到達していたようです。」
「すごいのじゃ!使ってみたいのじゃ!」
「殿下、訓練を初める前に今からどこまで使いこなすことができるかをこの装置で数字化しますので装置に手を触れて下さい」
「はいなのじゃ」
「これはすごいな……」
「陛下、結果はどうなのじゃ?」
「30億以上です。俗に天才と呼ばれる人が百年間ずっと鍛練し続けてやっと1億なので、鍛練を怠らなければ必ずや偉大な使い手と成るでしょう」
「やったーなのじゃ!そういえば陛下はいくつなのじゃ?」
「私は10京位ですね。」
「ひどいのじゃ~現実は残酷なのじゃ~。どうしたらそこまで強く慣れるのじゃ?」
「この部屋は特殊な魔法がかけられており、この部屋の中で1分瞑想すると最も過酷な環境で1万年修行したのと同じ力、経験、技術、そして直感を手に入れる事ができます。また、技術では習得する戦闘スタイルを自分で決める事ができます。」
「妾も瞑想するのじゃ!」
「では今回は初めてなので5分とします、恐らくは1兆位までは強く慣れるででしょう。ここまでで何か質問はございますか?」
「さっきの鍛練で色々な技を使っていたのは何だったのじゃ?」
「あれは真術と言い、ドラグナーの特殊能力です。殿下には才能が有りますが、どうしますか?」
「お願いしますなのじゃ。」
「了解しました。『龍神皇ヨルムンガルドの名において命ず、彼の者に祝福を!』」
 彼がそう言うとタマモの体から白い気が吹き出し白い九尾の狐の形を成した。
『やあ妖神皇。元気でしたか?』
『元気だよ龍神皇~、何の用~』
『彼女が私の弟子になったのですが真術を使いこなせるようにしたいのですが可能ですか?』
『できるよ~100ヘヴンクレジットね~』
『分かりました。どうぞ。』
 タマモに祝福を与えて、金を受けとると白い九尾の狐は消えた。
「どうですか?」
「何か力が湧いて来た気がするのじゃ!」
「それはよかったです。では瞑想に入りましょう。」
「はいなのじゃ」


 5分後アレクサンダーとタマモは瞑想をやめた。
「ではタマモ殿下、今からドラゴセーバーを作成してもらいます。そのあとのテストに合格すればそうすればようやく半人前の龍剣士ドラグナーです。」
「どう作れば良いのじゃ?」
「真術の《天啓ヴィジョン》を使えばわかります。又、材料はあちらのパネルで選択すると出て来ます。あとこれがコアとなるドラゴマテリアルです。これだけは言っておかないと危険なので言いますがドラゴマテリアルには込められるだけ魔力などを込めて下さい、そうしないと起動したときに爆発します。」
「わかったのじゃ。」


 3時間後タマモはドラゴセーバーを完成させた。
「できたのじゃ!」
「では起動して見せて下さい」
 ヒュン!という音と共に白銀の刃が起動した。
「動いたのじゃ!」
「素晴らしい。実戦でも充分使えるクオリティですね。実戦訓練をしてみますか?」
「お願いしますなのじゃ!」
「分かりました。では部屋の真ん中の近くに円が2つ有るのであちらの中心に立って下さい。私は真術を使用しません。殺す気でかかってきなさい。」
 アレクサンダーとタマモはドラゴセーバーを起動した。アレクサンダーの刃の色は純黒だ。そしてタマモは中段、アレクサンダーは上段に構えた。
 タマモが一瞬で動き、アレクサンダーの左脇腹目掛けてセーバーを振るう。アレクサンダーは冷静に後ろに下がる、タマモは返す刀でアレクサンダーを狙うがセーバーで防がれてしまう。
 このタマモが攻撃し、アレクサンダーが回避するやり取りが続く、タマモは真術の<雷撃>、<神速>、<エネルギー場操作>を使い攻撃しているのだが、これらもことごとく回避されている。勝ちたいという思いから体力の消耗が激しい<暗黒の憤怒ダークネス・ラース>を発動し攻撃するのだがアレクサンダーが因果率に干渉し回避するか防がれてしまう。


 開始から5分後、アレクサンダーが終了を宣言してテストは終了となった。


「結果は、どうなの、じゃ?」
「合格です。因果率に干渉して避けなければ私は今頃死んでいたでしょう。」
「やったなのじゃ!」
「はい、おめでとうございます。この飲み物を飲んで下さい。世界樹の果実の果汁100%のジュースです。完全回復の効果があります。あとこれはホルダーです。セーバーを付けて持ち運ぶ事ができますのでベルトなどに着けて下さい。」
「ありがとうなのじゃ。師匠マスター
「礼にはおよびませんよ。ではパーティーの準備をしますのでトレーニングルームから出ましょう。」
「はいなのじゃ。」

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