異世界に行ったら国が衰退していたので、不動産屋をしていた経歴を生かしてエルフの王女と国を立て直す。
第106話お母さん! ロストの村と爺さんみたいな婆さん
______ロストの村______
「いてて... ...。姉さんの掴んだ所がまだいてぇや」
「早く歩けみそ!」
おいおい。
少年はまだ10歳くらいだぞ。
どんだけ、俺らの仲間はショタに厳しいんだよ... ...。
ヴァニアルの国の中心街から一時間ほどの所にロストの子が集まる村がある。
そこは村というよりもゴミ処理場のような雰囲気でヴァニアル国で出たゴミが集められている。
積み上がったゴミの上から村の住人だと思われる子供達が、歩いている俺達に見つからないように覗いているのだが、それはそれで凄い気になる。
「ガキ、これでヴァニアルが元に戻らなければどうなるか分かってるみそ?」
そんな輩じゃないんだから... ...。
もっと優しくしてやれよ。
「パンチだよ! パンチ! ガキじゃないっす!」
「名前なんてどうでもいいわ」
「姉さん達厳しいなぁ... ...。ヒゲ爺さんは何でも知ってるから大丈夫ですぜ!」
この少年もこんなぞんざいな扱い受けてるのに元気だなと俺は感心した。
「... ...」
「ヴァニアル? 具合でも悪いの?」
先程からヴァニアルは何も喋らず、何やら思いつめた顔をしている。
人の悩みに敏感なホワイトは後方からヴァニアルに声を掛けた。
「あ、うん。ありがとう」
「疲れたら言ってね。肩に乗せるから」
ホワイトは優しい。
優しいダイダラボッチだ。
「ほら! 着きました!」
パンチ少年が指差す方向には煙突があり、ピンク色の外壁が特徴的な小さな家がある。
ロストの村を歩いていて初めて見たまともな家がこれ。
内心、「うっわぁ... ...」と思ったのだが。
「うわ! か、可愛いみそ!」
「あら。猫の家みたいで可愛いじゃない」
と一番権力のある女達に意外にも高評価で俺は何も言えず、人の感性の豊かさを改めて思い知らされた。
「おーい! ヒゲ爺さん!」
パンチが呼ぶがヒゲ爺さんからの返答はない。
「あれ? 死んだか?」
こらこら、縁起でもない。
______ガチャ!
一見、ピンク色の外壁全てに覆われた建物かと思ったのだが、ドアのように一部が開いて中から紫色のデザインパーマで身長1mほどの個性的な生き物が出て来た。
「爺さんじゃないよ!!! 婆さんと言いな!!!」
こりゃあ、楽しくなってきたぞ!
□ □ □
______ヒゲ爺さんの家______
外壁がピンク色だった事で想定はしていたが家の中も全てがピンク色だった。
ベットもキッチンも椅子もテーブルもぜーんぶピンク。
「か、可愛いみそ! 可愛い!」
「中々、良い趣味じゃない」
二人以外は大分落ち着かず、免疫がない才蔵と人狼のエイデンは口を開け、啞然としていた。
「嬉しいわぁ! ピンクは処女の基本だから! ぶほほほ!」
「あははは! この生き物面白いみそ! 四代目チャッキーになるか!?」
「しょ、処女... ...」
おー。
シルフが照れてるのは中々新鮮だ。
こいつ、自分で下ネタ言ったりするくせに相手から言われると恥ずかしいんだな。
と心の中でシルフの弱点をコッソリとメモした。
「ヒゲ爺さんは何でも知ってるで! とっとと質問したってや!」
この少年キャラが定まらんな... ...。
パンチはヒゲ爺さんの家の戸棚を勝手に漁って何の肉か分からない干し肉をほうばりながら、俺たちに質問を促す。
「質問の必要はないよ。あたしは何でも知ってるからあんたらがここに来た理由も知ってる」
「______!?」
先程の陽気なオカマの雰囲気とは打って変わり、いきなり、スピリチュアル感を出すヒゲ爺さんの発言に俺たちは呑まれてしまった。
「嬢ちゃん。いや、その坊やを直せばいいやろ?」
ヒゲ爺さんは自信満々にゴーレム幼女を不敵な笑みを浮かべながら見る。
「... ...」
どうしよ。
ゴーレム幼女とヴァニアルを完全に間違えているぞ。
これは可笑しな事になる前に訂正せねば。
「いや、ヒゲ爺さん。治して貰いたいのはこっちなんだ」
俺はヴァニアルを指差す。
「あん!? 婆さんと呼べ!」
ヒゲ爺さんもとい、ヒゲ婆さんは頬をぽりぽりと掻きながらヴァニアルの方へ首を回す。
「んー? 何を治せばいい?」
こいつ、何にも知らないんじゃないか?
俺がそう疑念を抱くと。
「あん? 疑ってんのかい? 違う世界から来た者よ」
「______!? 何故それを?」
この婆さん本物か!?
婆さんは勿論、ヴァニアル達にも俺が違う世界から来た事は言っていない。
俺が婆さんの能力を信じてしまうのは必然だった。
じゃあ、こいつ、俺が帰る方法知ってるんじゃ??
居心地がいいこの世界で一生を暮らして行く覚悟も芽生えていた中、まさかの展開。
次回!
物語が大きく動き出す!
「いてて... ...。姉さんの掴んだ所がまだいてぇや」
「早く歩けみそ!」
おいおい。
少年はまだ10歳くらいだぞ。
どんだけ、俺らの仲間はショタに厳しいんだよ... ...。
ヴァニアルの国の中心街から一時間ほどの所にロストの子が集まる村がある。
そこは村というよりもゴミ処理場のような雰囲気でヴァニアル国で出たゴミが集められている。
積み上がったゴミの上から村の住人だと思われる子供達が、歩いている俺達に見つからないように覗いているのだが、それはそれで凄い気になる。
「ガキ、これでヴァニアルが元に戻らなければどうなるか分かってるみそ?」
そんな輩じゃないんだから... ...。
もっと優しくしてやれよ。
「パンチだよ! パンチ! ガキじゃないっす!」
「名前なんてどうでもいいわ」
「姉さん達厳しいなぁ... ...。ヒゲ爺さんは何でも知ってるから大丈夫ですぜ!」
この少年もこんなぞんざいな扱い受けてるのに元気だなと俺は感心した。
「... ...」
「ヴァニアル? 具合でも悪いの?」
先程からヴァニアルは何も喋らず、何やら思いつめた顔をしている。
人の悩みに敏感なホワイトは後方からヴァニアルに声を掛けた。
「あ、うん。ありがとう」
「疲れたら言ってね。肩に乗せるから」
ホワイトは優しい。
優しいダイダラボッチだ。
「ほら! 着きました!」
パンチ少年が指差す方向には煙突があり、ピンク色の外壁が特徴的な小さな家がある。
ロストの村を歩いていて初めて見たまともな家がこれ。
内心、「うっわぁ... ...」と思ったのだが。
「うわ! か、可愛いみそ!」
「あら。猫の家みたいで可愛いじゃない」
と一番権力のある女達に意外にも高評価で俺は何も言えず、人の感性の豊かさを改めて思い知らされた。
「おーい! ヒゲ爺さん!」
パンチが呼ぶがヒゲ爺さんからの返答はない。
「あれ? 死んだか?」
こらこら、縁起でもない。
______ガチャ!
一見、ピンク色の外壁全てに覆われた建物かと思ったのだが、ドアのように一部が開いて中から紫色のデザインパーマで身長1mほどの個性的な生き物が出て来た。
「爺さんじゃないよ!!! 婆さんと言いな!!!」
こりゃあ、楽しくなってきたぞ!
□ □ □
______ヒゲ爺さんの家______
外壁がピンク色だった事で想定はしていたが家の中も全てがピンク色だった。
ベットもキッチンも椅子もテーブルもぜーんぶピンク。
「か、可愛いみそ! 可愛い!」
「中々、良い趣味じゃない」
二人以外は大分落ち着かず、免疫がない才蔵と人狼のエイデンは口を開け、啞然としていた。
「嬉しいわぁ! ピンクは処女の基本だから! ぶほほほ!」
「あははは! この生き物面白いみそ! 四代目チャッキーになるか!?」
「しょ、処女... ...」
おー。
シルフが照れてるのは中々新鮮だ。
こいつ、自分で下ネタ言ったりするくせに相手から言われると恥ずかしいんだな。
と心の中でシルフの弱点をコッソリとメモした。
「ヒゲ爺さんは何でも知ってるで! とっとと質問したってや!」
この少年キャラが定まらんな... ...。
パンチはヒゲ爺さんの家の戸棚を勝手に漁って何の肉か分からない干し肉をほうばりながら、俺たちに質問を促す。
「質問の必要はないよ。あたしは何でも知ってるからあんたらがここに来た理由も知ってる」
「______!?」
先程の陽気なオカマの雰囲気とは打って変わり、いきなり、スピリチュアル感を出すヒゲ爺さんの発言に俺たちは呑まれてしまった。
「嬢ちゃん。いや、その坊やを直せばいいやろ?」
ヒゲ爺さんは自信満々にゴーレム幼女を不敵な笑みを浮かべながら見る。
「... ...」
どうしよ。
ゴーレム幼女とヴァニアルを完全に間違えているぞ。
これは可笑しな事になる前に訂正せねば。
「いや、ヒゲ爺さん。治して貰いたいのはこっちなんだ」
俺はヴァニアルを指差す。
「あん!? 婆さんと呼べ!」
ヒゲ爺さんもとい、ヒゲ婆さんは頬をぽりぽりと掻きながらヴァニアルの方へ首を回す。
「んー? 何を治せばいい?」
こいつ、何にも知らないんじゃないか?
俺がそう疑念を抱くと。
「あん? 疑ってんのかい? 違う世界から来た者よ」
「______!? 何故それを?」
この婆さん本物か!?
婆さんは勿論、ヴァニアル達にも俺が違う世界から来た事は言っていない。
俺が婆さんの能力を信じてしまうのは必然だった。
じゃあ、こいつ、俺が帰る方法知ってるんじゃ??
居心地がいいこの世界で一生を暮らして行く覚悟も芽生えていた中、まさかの展開。
次回!
物語が大きく動き出す!
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