異世界に行ったら国が衰退していたので、不動産屋をしていた経歴を生かしてエルフの王女と国を立て直す。
第100話お母さん! 新たな闘い
「で、あんたらどうしてくれるの??」
人狼だけではなく、三人衆も正座させられ、シルフに説教を受けている。
「... ...いやあ、有事の事態というか」
「まあ、非常事態でしたし... ...」
「なんか、弟が食べられたってことでテンション上がっちゃって... ...」
三人は下を向いて反省というか、言い訳を並べ、シルフにはそれが気に食わない様子で眉間をピクピクさせ、不快感を露わにしていた。
「殺すなら殺せ! どうせ______いたたた! 硬化! 脹脛!」
強気な姿勢を見せていたにもかかわらず、シルフがヒールの踵で脹脛を踏みつけると人狼は子供のように痛がる。
「どうして!? いたたたた!!! どうして硬化しない!? いてえ!!!」
「ふん。良い声で鳴くじゃない」
人狼の悲鳴で興奮したのか、シルフはどこか嬉しそう。
... ...くっ!
いいなあ!
俺も踏まれてえ!
と生唾をゴクリと飲み込んだ。
「し・シルフ姉さん! 先ずは状況を整理しましょうよ!」
「... ...それもそうね」
ヴァ二アルが止めなければ人狼の脹脛がどうなっていたことか... ...。
考えただけでもヨダレが溢れてくる。
そして、今までビビり倒しだった三人衆の一人、天音が口を開く。
「恐らく、パス様の命を狙う輩の手先だと思われます」
「僕の命?」
ヴァ二アルは自身の命が狙われているなんて1mmも考えた事がなかったのだろう。
唐突な展開にただでさえ大きな瞳をまん丸にし、困惑している。
それを見たシルフは再び、踵に全体重をかけ。
「どうなの?」
「いたたた!! そうだ!!  認めるからもう止めて!!」
と鮮やかな尋問術で言質を取った。
「森での話の続きになりますが、国王陛下の体調が優れないのはパス様もご存知ですよね?」
「う・うん。でも、お医者様も命には別状がないって」
「ええ。そうです。ただ、国王陛下は自身の体調を考慮し、自身が健在の際に王位を引継ぐことに決めたのです。それで我らはそのことを伝えようとパス様の後を追ってきたという経緯でございます」
うむ。
なるほど。
話が大分読めてきたぞ。
「そうか。で、この人狼はヴァ二アルが王位を継承するのに反対の勢力の回し者って訳か」
才蔵は黙って頷く。
「まあ、国を引き継ぐ際は色々あるわよね」
と自身の経験を語るようにシルフがポツリと言葉を吐く。
「なので、パス様! どうか、国に戻り王位を継承して下さい!」
三人衆は才蔵の言葉と共に土下座をする。
OH... ...。
これは美しい土下座や。
しかし、当事者であるヴァ二アルは... ...。
「絶対に嫌アアアアア!!!!」
と絶狂。
だが、三人衆は引き下がらず。
「パス様! お願いします!」
「国を救ってください!」
「パス様以外が王位を継承するなど考えたくありません!」
「嫌ったら嫌!!!」
ヴァ二アルは足をバタバタ、腕をブンブンと振って5歳児並みの抵抗っぷり。
これは本当に嫌なんだろう... ...。
「ま・まあ、嫌な奴にやらせてもね... ...。ほら、そういうの好きな奴に任せる案とかないの??」
と俺はゆとり世代全開の提案をするがこれが三人衆に火を点けてしまった。
「ああ!? 部外者がなにを言う!」
「好きな奴が適任という子供じみた考え止めて下さい! こっちは真剣なんです!」
「そうだ! お前は何も出来ないくせに出しゃばるな!」
「... ...うっ。そんな言わないでもいいじゃないか... ...」
とあまりの批判が集中したため、流石の俺も泣いてしまった。
慰めて貰おうとシルフに抱き着こうとしたのだが。
「ちょっと、どさくさに紛れて触んないでくれる?」
と当然の如くあしらわれてしまう。
こんな時にゴーレム幼女かホワイトがいれば... ...。
生憎、二人は作業の続きがあるといって未だに仕事中なのだ。
この働きマンめ!
「ともかく! 僕は絶対に王様になんかなりたくない!!」
そう言うとヴァ二アルはダイニングを飛び出して行ってしまう。
「パス様!」
うろたえる三人衆。
俺は目で合図し、シルフにヴァ二アルの事を依頼した。
人狼はシルフの魔法と拷問で身動きが出来る状況じゃないし、問題はない。
何かあれば三人衆でも対処出来るだろう。
そして、シルフはヴァ二アルの後を追ってダイニングを出る。
「まあ、でもさ、お前らの気持ちは分かるけどあれだけ嫌がっている奴に継がせるってのもどうかと思うぜ?」
少し冷静になったのか才蔵は俺の意見に耳を傾け。
「お前の言っている事は分からなくはない。一人の人生を決めてしまうのだ。しかし、パス様には王になっていただかなくてはならない」
「そう。あいつだけは王にしてはいけないから... ...」
「あいつ?」
おやおや。これは穏やかな話ではなさそうだ。
そこで俺は天音から衝撃的な名を聞くことになる。
「ヴァ二アル家当主の息子、そして、パス様の兄であるヴァ二アル・ハンヌだ」
「____ハンヌだと!?」
忘れもしない宿敵の名前。
魔法少女達を操り、シルフの最愛であったセバスの命を奪った男。
____ハンヌ。
どうやら、俺は奴と切っても切れない縁があるようだ。
人狼だけではなく、三人衆も正座させられ、シルフに説教を受けている。
「... ...いやあ、有事の事態というか」
「まあ、非常事態でしたし... ...」
「なんか、弟が食べられたってことでテンション上がっちゃって... ...」
三人は下を向いて反省というか、言い訳を並べ、シルフにはそれが気に食わない様子で眉間をピクピクさせ、不快感を露わにしていた。
「殺すなら殺せ! どうせ______いたたた! 硬化! 脹脛!」
強気な姿勢を見せていたにもかかわらず、シルフがヒールの踵で脹脛を踏みつけると人狼は子供のように痛がる。
「どうして!? いたたたた!!! どうして硬化しない!? いてえ!!!」
「ふん。良い声で鳴くじゃない」
人狼の悲鳴で興奮したのか、シルフはどこか嬉しそう。
... ...くっ!
いいなあ!
俺も踏まれてえ!
と生唾をゴクリと飲み込んだ。
「し・シルフ姉さん! 先ずは状況を整理しましょうよ!」
「... ...それもそうね」
ヴァ二アルが止めなければ人狼の脹脛がどうなっていたことか... ...。
考えただけでもヨダレが溢れてくる。
そして、今までビビり倒しだった三人衆の一人、天音が口を開く。
「恐らく、パス様の命を狙う輩の手先だと思われます」
「僕の命?」
ヴァ二アルは自身の命が狙われているなんて1mmも考えた事がなかったのだろう。
唐突な展開にただでさえ大きな瞳をまん丸にし、困惑している。
それを見たシルフは再び、踵に全体重をかけ。
「どうなの?」
「いたたた!! そうだ!!  認めるからもう止めて!!」
と鮮やかな尋問術で言質を取った。
「森での話の続きになりますが、国王陛下の体調が優れないのはパス様もご存知ですよね?」
「う・うん。でも、お医者様も命には別状がないって」
「ええ。そうです。ただ、国王陛下は自身の体調を考慮し、自身が健在の際に王位を引継ぐことに決めたのです。それで我らはそのことを伝えようとパス様の後を追ってきたという経緯でございます」
うむ。
なるほど。
話が大分読めてきたぞ。
「そうか。で、この人狼はヴァ二アルが王位を継承するのに反対の勢力の回し者って訳か」
才蔵は黙って頷く。
「まあ、国を引き継ぐ際は色々あるわよね」
と自身の経験を語るようにシルフがポツリと言葉を吐く。
「なので、パス様! どうか、国に戻り王位を継承して下さい!」
三人衆は才蔵の言葉と共に土下座をする。
OH... ...。
これは美しい土下座や。
しかし、当事者であるヴァ二アルは... ...。
「絶対に嫌アアアアア!!!!」
と絶狂。
だが、三人衆は引き下がらず。
「パス様! お願いします!」
「国を救ってください!」
「パス様以外が王位を継承するなど考えたくありません!」
「嫌ったら嫌!!!」
ヴァ二アルは足をバタバタ、腕をブンブンと振って5歳児並みの抵抗っぷり。
これは本当に嫌なんだろう... ...。
「ま・まあ、嫌な奴にやらせてもね... ...。ほら、そういうの好きな奴に任せる案とかないの??」
と俺はゆとり世代全開の提案をするがこれが三人衆に火を点けてしまった。
「ああ!? 部外者がなにを言う!」
「好きな奴が適任という子供じみた考え止めて下さい! こっちは真剣なんです!」
「そうだ! お前は何も出来ないくせに出しゃばるな!」
「... ...うっ。そんな言わないでもいいじゃないか... ...」
とあまりの批判が集中したため、流石の俺も泣いてしまった。
慰めて貰おうとシルフに抱き着こうとしたのだが。
「ちょっと、どさくさに紛れて触んないでくれる?」
と当然の如くあしらわれてしまう。
こんな時にゴーレム幼女かホワイトがいれば... ...。
生憎、二人は作業の続きがあるといって未だに仕事中なのだ。
この働きマンめ!
「ともかく! 僕は絶対に王様になんかなりたくない!!」
そう言うとヴァ二アルはダイニングを飛び出して行ってしまう。
「パス様!」
うろたえる三人衆。
俺は目で合図し、シルフにヴァ二アルの事を依頼した。
人狼はシルフの魔法と拷問で身動きが出来る状況じゃないし、問題はない。
何かあれば三人衆でも対処出来るだろう。
そして、シルフはヴァ二アルの後を追ってダイニングを出る。
「まあ、でもさ、お前らの気持ちは分かるけどあれだけ嫌がっている奴に継がせるってのもどうかと思うぜ?」
少し冷静になったのか才蔵は俺の意見に耳を傾け。
「お前の言っている事は分からなくはない。一人の人生を決めてしまうのだ。しかし、パス様には王になっていただかなくてはならない」
「そう。あいつだけは王にしてはいけないから... ...」
「あいつ?」
おやおや。これは穏やかな話ではなさそうだ。
そこで俺は天音から衝撃的な名を聞くことになる。
「ヴァ二アル家当主の息子、そして、パス様の兄であるヴァ二アル・ハンヌだ」
「____ハンヌだと!?」
忘れもしない宿敵の名前。
魔法少女達を操り、シルフの最愛であったセバスの命を奪った男。
____ハンヌ。
どうやら、俺は奴と切っても切れない縁があるようだ。
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