異世界に行ったら国が衰退していたので、不動産屋をしていた経歴を生かしてエルフの王女と国を立て直す。
第66話お母さん! 魔法少女達の過去⑦
□ □ □
それから、数日後。
ミーレとレミーの二人はリズの家から少し離れた所にある小川に架かる橋の上で何やらニヤニヤとしている。
「ア・ライデス!」
「ア・ライデス!」
リズの家から持ち出した便所においてある棒が気に入ったのか、ミーレとレミーは前に魔法を出した時のようにそれを天空に掲げて呪文を唱える。
すると、水面が微かに揺れたかと思うと水中にいたはずの魚が水の中から飛出し、ミーレとレミーがいる橋の上に自ら着地し、ぴちゃぴちゃと音を立てて跳ねる。
それを見た二人も魚に連動するかのように橋の上で飛び跳ねる。
『あたしは二人の才能が怖くてね。二人に頼まれても魔法を教える事はなかった、でも、本物の魔女って奴の才能をあたしは勘違いしていたんだよ。魔女ってやつの本質は『見た魔法を出せる』っていうような単純なものじゃない、圧倒的な理解力なんだ』
「何だか難しいけどあれか? その事象についての選択肢が多いってやつか?」
『何だい。あんた、魔法について詳しいじゃないか』
初めてリズに褒められ、頬が緩んだ。
まあ、ホワイトの受け売りだがそれは黙っておこう。
『ただ、あの子達は理解してた訳でも魔法についてとやかく考えた事もない。さっきの魔法だって簡単そうに見えてそうとう複雑な魔術式を何重にもかけているんだよ。あたしらのような平凡な魔女は1.2.3.4...と順序を組み立てて魔法を発動する。あの子達は「目の前の橋に大量の魚を打ち上げたい」としか考えてないんだろうね。全く... ...。まるで、魔法があの子達の為に従順に従っているように見えるよ』
リズも相当な実力者のはずだ。
しかし、リズは「あたしがどうあがいてもミーレとレミーには勝てないだろう」というような口ぶりだった。
「すごいじゃないか! オジサンびっくりしたよ!」
森の中から先日、リズの家にやってきた兵士が拍手をしながらミーレとレミーの前に現れ、二人を称賛。
「あ! お前!」
「悪いやつ!」
ミーレとレミーは戦闘態勢を取るかのように便所の棒を兵士に向けるが、兵士は両手を上げ。
「待て待て! 俺は別に悪い奴じゃない! リズを救いたいんだ!」
それを聞いたミーレとレミーは顔を見合せ、戦闘態勢を解除。
二人が便所の棒を下に向けてから兵士は二人に向かって流暢に語りだす。
「実はリズは呪いにかかっている。その呪いを払う為には国にある施設で治療しなくちゃいけない。だから、俺はリズを国に連れて帰りたい」
「え... ...。呪い?」
「リズ。死んじゃうの... ...?」
二人の表情が一気に曇り、それを見た兵士は畳み掛けるように話を進める。
「俺だってリズを死なせたくない。俺もリズは大好きだ。母親のように思っている。でも、リズは国に戻ってくれない、それに、リズの呪いを解くには莫大な費用がかかるんだ... ...」
「お金... ...」
「あたしたち、お金持ってない... ...」
そして、兵士は悪魔のように微笑み。
「うん。それは大丈夫。お金は王様が負担してくれる」
「良かった」
「王様いい奴だな」
「但し! ちょっとした条件があってね」
「条件?」
「なんだ?」
「悪い魔女がリズの呪いを解く魔法薬を持っていてね。魔女に勝てるのは魔女しかいなくて困っているんだ... ...」
ミーレとレミーは顔を見合わせることなく、食い気味に。
「なら、あたし達がその悪い魔女を倒す!」
「それで、リズを救う!」
ここまで、まるで兵士の描いたシナリオ通りに事が進み、彼は笑いが止まらない様子。
「ありがとうございます。君達は本当に良い子だよ」
そう言うと兵士は森の奥に消えて、ミーレとレミーは兵士の後について行ってしまった。
それから、数日後。
ミーレとレミーの二人はリズの家から少し離れた所にある小川に架かる橋の上で何やらニヤニヤとしている。
「ア・ライデス!」
「ア・ライデス!」
リズの家から持ち出した便所においてある棒が気に入ったのか、ミーレとレミーは前に魔法を出した時のようにそれを天空に掲げて呪文を唱える。
すると、水面が微かに揺れたかと思うと水中にいたはずの魚が水の中から飛出し、ミーレとレミーがいる橋の上に自ら着地し、ぴちゃぴちゃと音を立てて跳ねる。
それを見た二人も魚に連動するかのように橋の上で飛び跳ねる。
『あたしは二人の才能が怖くてね。二人に頼まれても魔法を教える事はなかった、でも、本物の魔女って奴の才能をあたしは勘違いしていたんだよ。魔女ってやつの本質は『見た魔法を出せる』っていうような単純なものじゃない、圧倒的な理解力なんだ』
「何だか難しいけどあれか? その事象についての選択肢が多いってやつか?」
『何だい。あんた、魔法について詳しいじゃないか』
初めてリズに褒められ、頬が緩んだ。
まあ、ホワイトの受け売りだがそれは黙っておこう。
『ただ、あの子達は理解してた訳でも魔法についてとやかく考えた事もない。さっきの魔法だって簡単そうに見えてそうとう複雑な魔術式を何重にもかけているんだよ。あたしらのような平凡な魔女は1.2.3.4...と順序を組み立てて魔法を発動する。あの子達は「目の前の橋に大量の魚を打ち上げたい」としか考えてないんだろうね。全く... ...。まるで、魔法があの子達の為に従順に従っているように見えるよ』
リズも相当な実力者のはずだ。
しかし、リズは「あたしがどうあがいてもミーレとレミーには勝てないだろう」というような口ぶりだった。
「すごいじゃないか! オジサンびっくりしたよ!」
森の中から先日、リズの家にやってきた兵士が拍手をしながらミーレとレミーの前に現れ、二人を称賛。
「あ! お前!」
「悪いやつ!」
ミーレとレミーは戦闘態勢を取るかのように便所の棒を兵士に向けるが、兵士は両手を上げ。
「待て待て! 俺は別に悪い奴じゃない! リズを救いたいんだ!」
それを聞いたミーレとレミーは顔を見合せ、戦闘態勢を解除。
二人が便所の棒を下に向けてから兵士は二人に向かって流暢に語りだす。
「実はリズは呪いにかかっている。その呪いを払う為には国にある施設で治療しなくちゃいけない。だから、俺はリズを国に連れて帰りたい」
「え... ...。呪い?」
「リズ。死んじゃうの... ...?」
二人の表情が一気に曇り、それを見た兵士は畳み掛けるように話を進める。
「俺だってリズを死なせたくない。俺もリズは大好きだ。母親のように思っている。でも、リズは国に戻ってくれない、それに、リズの呪いを解くには莫大な費用がかかるんだ... ...」
「お金... ...」
「あたしたち、お金持ってない... ...」
そして、兵士は悪魔のように微笑み。
「うん。それは大丈夫。お金は王様が負担してくれる」
「良かった」
「王様いい奴だな」
「但し! ちょっとした条件があってね」
「条件?」
「なんだ?」
「悪い魔女がリズの呪いを解く魔法薬を持っていてね。魔女に勝てるのは魔女しかいなくて困っているんだ... ...」
ミーレとレミーは顔を見合わせることなく、食い気味に。
「なら、あたし達がその悪い魔女を倒す!」
「それで、リズを救う!」
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