異世界に行ったら国が衰退していたので、不動産屋をしていた経歴を生かしてエルフの王女と国を立て直す。

とっぱな

第55話お母さん! 魔法少女と婆の様子が変です!

____「ゴーレムの森」____


ホワイトの兄の誘導でゴーレムの森まで来る事が出来た。
森に入って思ったのだが、鳥や動物の声がなく、とても静かだ。


_________ドン!!!!

爆発音が再び、ゴーレムマンションの方から聞こえてくる。
俺とホワイトとホワイトの兄は目を合わせて、ゴーレムマンションまで駆ける。


□ □ □


ゴーレムマンションの前に到着すると、大きな門の入口は樽のようなものが積み上げられて、塞がれている。
なんだよ。
これじゃあ、入って来るなと言わんばかりじゃないか。
所有者なのに入れないって何だよ。


「これじゃあ、虫一匹も入って行けないじゃないか... ...」

上を見上げると、小窓から煙が無数に立ち上がっている。
俺は中にいるはずの魔法少女と婆を呼ぶ。


「おーい! 魔法少女! 婆! いるなら返事してくれ!」


中から反応はなし。
くそっ!
状況が全く掴めない。
敵に攻められたのか?
そもそも、敵って誰だ?


このまま、立ち尽くしていてもラチが空かない。
俺はホワイトとホワイトの兄に提案した。


「二人とも、あの、バリケードを取っ払う事は可能か?」


「え? それは、全然、大丈夫だけど、中に入るつもり?」


「ああ、あの中には友人がいるかもしれないんだ」


「で、でも、き、危険じゃないか?」


「このまま、二人を放っておくわけにはいかないよ!」


ホワイトとホワイトの兄は、俺の言葉を聞くと、ゆっくり扉の前に行き、積み上げられていた樽を薙ぎ払い、二人で扉を押し、悲鳴のような高い音を出し、木製で出来た大きな扉が開く。



____「ゴーレムマンション内部」____



ゴーレムマンションの内部は昼なのに薄暗く、どうやら、窓にバリケードのように木の板が打ち付けられている。
ここで、戦闘が行われたのか、壊れた椅子や皿などが床に所々散らばっており、新築時の面影はない。

「ホワイト! 明かりはないのか?」


「ないよ! それよりも、花島。この椅子みてよ」


ホワイトが指さした椅子を見ると、木製の椅子がグニャグニャに変形していた。
人間の技術で、どうこう出来る形ではない。
俺が息を呑むと、ホワイトは俺に言った。


「... ...これは、恐らく魔法だね」


「魔法?」


それを聞いた瞬間に、魔法少女と婆の姿を想像した。
しかし、魔法少女と婆に椅子を変形させるような魔法はあっただろうか?
そもそも、魔法少女と婆がゴーレムマンションをこんな風に荒れさせるとは考えられない。


ホワイトの兄が椅子の成分を調べようと椅子に近づいた瞬間___________。


______バン!


耳元で爆竹が爆破したかのような音がした。
顔の近くにあった柱を見ると、矢が刺さっている。


「くそ! 外した!」


部屋の奥にある中央階段の方を見ると、弓と矢を持った魔法少女の姿がそこにはあった。

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