異世界に行ったら国が衰退していたので、不動産屋をしていた経歴を生かしてエルフの王女と国を立て直す。
第17話お母さん! 魔法と能力は違うらしい!
______ぐう~。
「アハハ! いっぱい泣いたら腹減ったみそ!」
「そうね。お腹減ったわね」
確かに俺も腹が減った。
そういや、昨日の晩から何も食ってない。
... ...普通か。
「ちょっと、待ってるみそ!」
ゴーレムはバカデカイ熊をヒョイと持ち上げ、部屋の奥まで連れていく。
□ □ □
「ほい! ご飯だみそ! みんなで一緒に食べよう!」
食卓にはさっきまで動いていたクマの丸焼きが並んだ。
本当にここの住民たちは慈愛の心がないな... ...。
と民族性を軽蔑したが、背に腹は変えられない状況で俺もありがたく頂戴した。
「うわあ! クマうめえ!」
「ふふふ。あたしが調理したんだから当然だみそ」
弾力のある歯応え。
さっぱりとした赤身は和牛とは一線を画す味。
赤身と言えば外国産の牛を想像するが、それとも違い、どうも、例えようがない。
クマは雑食で木の実なんかも食べると聞く。
微かに香るクルミのような風味は正にそれ。
「本当に美味しいね! このクマ!」
「そうね。これは当たりかもね」
食卓を囲むとギスギスした雰囲気も一変し、まるで親戚と囲むの食事会のようだ。
並べられている食材を見ると原住民族に歓迎されたかのようだがそんな事はどうでもいい。
食事をしながら城の内部を見渡すと綺麗に内装が作られている事に気付く。
フロアは大理石のような白いタイルが敷かれ、耐震的に必要なのか等間隔に石柱が並んでいる。
造り途中なのか家具などの調度品はなく、ガランとした空間が広がり、寂しい雰囲気だった。
そういえば、ゴーレムの家は女の子らしい、可愛らしい内装だった。
ゴーレムは料理に対しては雑だが、部屋のコーディネートに関してはセンスがいいのかもしれない。
「ゴーレム、一つ聞いていいか?」
「なんだみそ?」
ゴーレムは口にクマを詰め込み、もごもご。
「そういえば、ホワイトシーフ王国では何の仕事をしていたんだ?」
「もごもごもごもご... ...」
「いや、飲み込め」
ごくん!
折角、クマを飲み込んだのにも関わらず、すぐさま、口にクマを頬張ろうとするので、俺は腕を掴み、質問に回答するように促す。
「城の補修や家を建ててたみそ! ゴーレム族は物を石化させたり、石をいろんな形に加工出来るから重宝されていたみそ! 中でも父ちゃんは国で一番の職人だったみそ!」
なるほど... ...。
だったら、この技術も納得がいく。
しかし、ここの住人たちは魔法が使えていいな。
俺らの世界じゃ魔法なんて使えないから肉体を酷使したり、勉強したりしてその技術にたどり尽く。
「いいよな。お前は魔法を使えて」
「ん? 私の力は”魔法”じゃないみそ。元々、持っている”能力”みそ」
「”能力”?」
何かそれは魔法と違うのか。
尋ねようとすると、ゴーレムの口はパンパン。
困っていると魔法婆が俺の疑問に答えてくれた。
「この世界には”魔法”と”能力”っていう二つの力があるんだよ」
「何か違うのか?」
「”魔法は術式を利用して後天的”に身に付ける力。”能力は個人に宿る先天的”な力。ゴーレムでいえばモノを石化したりする事かねぇ」
ほう... ...。
種族毎に使える能力が違うのか。
「そういえば、お前ら俺の事、違う世界に飛ばしたよな? 俺をこの世界に送ったのはもしかして魔法を使える奴じゃないか?」
恐らく、俺の憶測は当たっている。
それを確定するように魔法婆は「そうだろうね」と。
であれば、気になる点としては俺を送った奴とその目的。
それを魔法婆に改めて聞いてみるが「そんなもの知らない」と一蹴される。
「まあ、そうだよな... ...」
落胆する俺を見て、魔法婆は言葉を付け足す。
「ただ、転移魔法を使えるって事は相当な実力者に間違いないだろうね」
フォークをこちらに向けて、ドヤ顔を決める魔法婆。
俺をこちらの世界に飛ばした奴を特定すると共に転移魔法が使える自分の力を自慢してきた。
こちらの話を黙って聞いていると思っていた魔法少女も急に参戦し。
「実力者はあたし達並かそれ以上でしょう! まあ、とっても強そうだね!」
他の誰かと比べた訳ではないが、確かにここにいるゴーレムと魔法少女と婆は相当な実力者なのだろう。
兵士があれ程に恐れていたこのゴーレムの森で悠悠自適に生活をしている姿を見れば自然とそういう考えに至る。
魔法と能力。
そういう世界に来たいと中学生の時に思っていた俺はこの状況を内心喜んでいた。
ぐにゅ~!
「はうっ!」
「どうした? 花島? 汗が凄いみそ」
心配して、ゴーレムが俺に語りかける。
「ど・どうやら、腹が痛い。この城に便所は?」
「外にあるみそ」
「お~い! 何で、外に作ったんだよ!」
文句を言っても仕方ない。
俺は外に用を足しに行った。
それより、あいつら同じもの食ってるのによくお腹壊さないな!
三人の力の強さにも感服したが、腹の強さにも驚かされた。
「アハハ! いっぱい泣いたら腹減ったみそ!」
「そうね。お腹減ったわね」
確かに俺も腹が減った。
そういや、昨日の晩から何も食ってない。
... ...普通か。
「ちょっと、待ってるみそ!」
ゴーレムはバカデカイ熊をヒョイと持ち上げ、部屋の奥まで連れていく。
□ □ □
「ほい! ご飯だみそ! みんなで一緒に食べよう!」
食卓にはさっきまで動いていたクマの丸焼きが並んだ。
本当にここの住民たちは慈愛の心がないな... ...。
と民族性を軽蔑したが、背に腹は変えられない状況で俺もありがたく頂戴した。
「うわあ! クマうめえ!」
「ふふふ。あたしが調理したんだから当然だみそ」
弾力のある歯応え。
さっぱりとした赤身は和牛とは一線を画す味。
赤身と言えば外国産の牛を想像するが、それとも違い、どうも、例えようがない。
クマは雑食で木の実なんかも食べると聞く。
微かに香るクルミのような風味は正にそれ。
「本当に美味しいね! このクマ!」
「そうね。これは当たりかもね」
食卓を囲むとギスギスした雰囲気も一変し、まるで親戚と囲むの食事会のようだ。
並べられている食材を見ると原住民族に歓迎されたかのようだがそんな事はどうでもいい。
食事をしながら城の内部を見渡すと綺麗に内装が作られている事に気付く。
フロアは大理石のような白いタイルが敷かれ、耐震的に必要なのか等間隔に石柱が並んでいる。
造り途中なのか家具などの調度品はなく、ガランとした空間が広がり、寂しい雰囲気だった。
そういえば、ゴーレムの家は女の子らしい、可愛らしい内装だった。
ゴーレムは料理に対しては雑だが、部屋のコーディネートに関してはセンスがいいのかもしれない。
「ゴーレム、一つ聞いていいか?」
「なんだみそ?」
ゴーレムは口にクマを詰め込み、もごもご。
「そういえば、ホワイトシーフ王国では何の仕事をしていたんだ?」
「もごもごもごもご... ...」
「いや、飲み込め」
ごくん!
折角、クマを飲み込んだのにも関わらず、すぐさま、口にクマを頬張ろうとするので、俺は腕を掴み、質問に回答するように促す。
「城の補修や家を建ててたみそ! ゴーレム族は物を石化させたり、石をいろんな形に加工出来るから重宝されていたみそ! 中でも父ちゃんは国で一番の職人だったみそ!」
なるほど... ...。
だったら、この技術も納得がいく。
しかし、ここの住人たちは魔法が使えていいな。
俺らの世界じゃ魔法なんて使えないから肉体を酷使したり、勉強したりしてその技術にたどり尽く。
「いいよな。お前は魔法を使えて」
「ん? 私の力は”魔法”じゃないみそ。元々、持っている”能力”みそ」
「”能力”?」
何かそれは魔法と違うのか。
尋ねようとすると、ゴーレムの口はパンパン。
困っていると魔法婆が俺の疑問に答えてくれた。
「この世界には”魔法”と”能力”っていう二つの力があるんだよ」
「何か違うのか?」
「”魔法は術式を利用して後天的”に身に付ける力。”能力は個人に宿る先天的”な力。ゴーレムでいえばモノを石化したりする事かねぇ」
ほう... ...。
種族毎に使える能力が違うのか。
「そういえば、お前ら俺の事、違う世界に飛ばしたよな? 俺をこの世界に送ったのはもしかして魔法を使える奴じゃないか?」
恐らく、俺の憶測は当たっている。
それを確定するように魔法婆は「そうだろうね」と。
であれば、気になる点としては俺を送った奴とその目的。
それを魔法婆に改めて聞いてみるが「そんなもの知らない」と一蹴される。
「まあ、そうだよな... ...」
落胆する俺を見て、魔法婆は言葉を付け足す。
「ただ、転移魔法を使えるって事は相当な実力者に間違いないだろうね」
フォークをこちらに向けて、ドヤ顔を決める魔法婆。
俺をこちらの世界に飛ばした奴を特定すると共に転移魔法が使える自分の力を自慢してきた。
こちらの話を黙って聞いていると思っていた魔法少女も急に参戦し。
「実力者はあたし達並かそれ以上でしょう! まあ、とっても強そうだね!」
他の誰かと比べた訳ではないが、確かにここにいるゴーレムと魔法少女と婆は相当な実力者なのだろう。
兵士があれ程に恐れていたこのゴーレムの森で悠悠自適に生活をしている姿を見れば自然とそういう考えに至る。
魔法と能力。
そういう世界に来たいと中学生の時に思っていた俺はこの状況を内心喜んでいた。
ぐにゅ~!
「はうっ!」
「どうした? 花島? 汗が凄いみそ」
心配して、ゴーレムが俺に語りかける。
「ど・どうやら、腹が痛い。この城に便所は?」
「外にあるみそ」
「お~い! 何で、外に作ったんだよ!」
文句を言っても仕方ない。
俺は外に用を足しに行った。
それより、あいつら同じもの食ってるのによくお腹壊さないな!
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