勇者なしで魔王討伐 ~チートと愉快な仲間と共に~

夏季

18話 ガーベッジ戦①

「お前らぶち殺してやる!!」


ガーベッジはそう言うとものすごい速さで突進してくる。


「エンハンス!!」


最初にハルにエンハンスをかけてもらう。一気に身体がかるくなる。
俺達は攻撃を軽々回避して反撃するのだが


「ニャ!硬いニャ!」
「ちっ、本気で攻撃しないと貫通しそうにないな」


ものすごい硬いのだ。俺もマロンも本気で攻撃すれば貫通するのだが、そうするとスキが生まれる。多分、そのスキの間に攻撃をくらってしまう。だが、無理に攻撃を入れなくていい。俺達は誘導までの準備をすればいい。まずは目つぶしだ。そのためにも一瞬でいいからスキを作らないとだ。


「マロン!俺がおとり役になるからそのツメで一発本気のやつきめて痺れさせろ!」
「わかったニャ!」


俺はおとりになるためにガーベッジの目の前に行って煽った。


「おい、そこの汚いの!さっきから全然攻撃が当たってねーじゃねーか!当ててみろ雑魚が!」
「なんだと……!?」


案の定ガーベッジが突っ込んでくる。俺はフェアリーブレスに魔力をこめ、身体強化もつかう。さすがに痛いだろうが死にはしないはずだ。
そしてガーベッジは俺に突進した。俺はものすごい速度で吹っ飛んだ。木々はなぎ倒され、20メートルぐらいで止まった。怪我は……ないな。かすり傷ひとつもない。フェアリーブレスだけでもちょっとした怪我ぐらいにしかならなかっただろう。さすがフェアリーブレスだ。


俺が吹っ飛ばされている間にも戦いは続いていた。マロンがものすごい速度でガーベッジに突っ込み本気で切り裂く。そして麻痺で一瞬止まったスキを逃さず


「「フラッシュ!!!」」


サキとレイが目つぶしをした。この間にマロン、サキ、レイは森に隠れる。


「くっ、目が……、だが残念だったな!
俺は匂いでお前らの場所なんかわかるんだよ!」


ここでサファイアの出番だ。幻術を使い匂いをだましているらしい。


「こっちだ!」


ガーベッジはまんまと騙され川に向かって突進する。


「ふふ、残念でしたわね、ハルよろしくですわ」
「はーい!いくよー、フリーズ!!」


川が凍り、ガーベッジの身動きがとれなくなる。


「なっ!たがこれしきで俺が止まると思うなよ」


ガーベッジは力を込めて足を引き抜こうとしている。氷がパキパキわれてすぐにでも抜け出しそうな所にセンだ。


「はっ!やっと私の出番か!そのキモイ足を切り落としてやる! 六連斬!!!」


だいぶ様子のおかしいセンが一瞬で6本ある足を切り落とした。練習の時とは桁違いの速度だ。ほとんど剣を抜いた所がみれなかったぞ。


「くっ、足が……」
「あたしが終わりにしてあげるわ」


最後は特大魔法だ。


「―――氷塊山―――」


カエラがそう唱えると川の氷がガーベッジを貫き、大きな氷弾がいっせいにヤツに突撃した。相変わらず馬鹿げた威力だ。


氷の上にはボロボロになったガーベッジがいた。

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