勇者なしで魔王討伐 ~チートと愉快な仲間と共に~
12話 フェアリーブレス
商店街に行った次の日。
午前の練習が終わったあと俺はまた校長室へ向かった。昨日サキに教えて貰った無属性魔法のことについて書いてある本を探してもらうためだ。最近午後の自主練でやることがなくなってきたのでなるべく早くほしい。それともう1つ、防具に関してだ。何故か俺が必要だと言われたのでその事について聞きに来たのだ。
「失礼します」
「お、ジンか。昨日ぶりじゃのう」
校長はまた事務作業か。おつかれさん。
「今日は二つ要件がありまして、一つは無属性魔法専用の本がないかどうか。二つ目は、昨日俺のことが必要って言ったのが気になってきました。」
「なるほど、本に関してはわしにまかせろ。昔そんな本を図書館で見た気がする。明日にでも持ってってやろう。」
校長は満面の笑みだ。多分俺が自分から進んで強くなろうとしているのがよほど嬉しいのだろう。
「それで昨日の事じゃが、
ジン、裁縫とかはできるか?」
裁縫か、めちゃくちゃ得意だ。
昔、両親が死んでシスターに預かってもらってたことは前に言ったと思うが、その時シスターが預かってたのは俺以外にもたくさんいた。しかも全員年下だ。だから俺もみんなの面倒をみなくてはいけなくて、料理とか裁縫とか全部シスターに教えて貰ったのだ。よく、アイツらの服とか作ってあげたものだ。懐かしいな。
「はい、できますよ」
「おー、意外じゃのう。それなら話が早い。実はな最近世界でも珍しい布を手に入れてな。それで防具を作って欲しいんじゃ。そこで必要になるこの裁縫道具が実はお前にぴったりでな。」
校長はそういって机の引き出しから虹色の裁縫道具を取り出した。これはすごい、神石で作られたツメより高そうだ。
「これは神魔石っていう超高級なもので作られた裁縫道具なんじゃが、魔力をよく通すのじゃ。それで、これを使って防具を作るとき、込めた魔力が強いほど強くなるんじゃ。お前にぴったりじゃろう。どうじゃ、できそうか?」
「まかせてください」
おれはそう言って裁縫道具をもらった。
そして次の日から俺は午前の練習以外は防具作りと無属性魔法の特訓につけこんだ。無属性魔法専用の本は校長が翌日の朝には持ってきてくれたのだ。防具作りの方は中々に順調である。このペースで行けばあと一週間で余裕でおわる。
しかし問題は無属性魔法の方だ。これが全然わからない。無属性魔法はどの技も覚えるのがとても大変で、使える事ができないのがほとんどらしい。わかったのは魔力をこめれば防御力も上がるということだけだ。魔力をこめても攻撃力しか上がらないって思っていたから助かるな。
そして一週間後防具が完成した。
防具はいつでも着れるようにということで制服みたいなのにした。あと女子の下はスカートにしたかったのだが、足の防御力がすごく弱くなるということでズボンになった。残念だ。
「お前ら、自分の防具を取ってってくれ。
この防具は魔力を込めると防御力が高くなる仕組みだ。多分ここら辺じゃいちばん強いぞ。」
「わぁー!さすがジンだねー!」
「しかもデザインもかわいいです」
「それに動きやすいニャ」
「サイズもピッタリですわ」
「む、私のだけが少し周りと違うのだが」
「センのはどうしてもサキがデザインしたいって言ってたからな。」
そう、サキにデザインの話をした時にセンのは自分にやらせてっと言ってきたのだ。制服に少し和服という服の要素を少し足したらしい。和服もまたニホンとか言うところのを取り入れたのだろう。
「やっぱり!センなら似合うと思ってたよ!」
「そ、そうか、ありがとう」
うん、すごい綺麗だ。
一瞬目を奪われてしまった。
「君のことだから女子の服は一生懸命作って男子のはてきとうにすると思ってたよ。意外とデザインの方も考えてくれたんだね、すごくかっこいいよ!」
「あたりまえだろ。死なれたら困るしな。」
レイはやっぱ何きてもイケメンだ。すごい王子に見える。隣に立っているのが恥ずかしい。
「それにしてもぴったりすぎるわね。」
急にカエラが首を傾げながら言った。
何か難しい顔をしてるな。あれ、俺の方を睨んできている。あれは、疑っている顔だ!
まずい、さすがにあれがバレたら……
「あ、それだったらジンが前皆で昼寝してる時になんかみんなのローブ取ってたからその時測ったんじゃないかな?」
レイ!!貴様裏切ったな!!
なんだそのやってやったって顔は!
女子は、みんな顔真っ赤だ。みんなすごい怒ってる。ダメだこれはもう逃げ場がない。なら……
「あぁ、そうなんだ、レイと!レイと一緒に測ったんだ!その時確か、カエラは最近昼ご飯食べすぎだから前よりお腹柔らかいなって触ってたよな」
「な!それは君がやったことだろう!しかも僕はそんなの測らなくても見るだけでスリーサイズがわか……って掴まないでくれ!僕はまきこまれたく……」
「―――獄炎―――」
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
カエラが魔法を放ったあと、みんなプンプンしながら昼ご飯を食べに行った。カエラの奴いつでも容赦ないな。俺は身体強化使ったから大丈夫だけど、レイは……
「はぁ、今回は君にやられたよ。
それにしてもこの防具すごいね、あのカエラの魔法も防げるなんて」
大丈夫そうだな。確かにすごい防御力だ。
並大抵の攻撃は防げるだろう。
「それで、名前はつけないのかい?」
そうだな、名前か。
ここはカッコイイ名前にしたいな。
いや、Sクラスは女子が多いからな……
「フェアリーブレスはどうだ?」
「妖精の祝福か、いいんじゃないか」
こうして俺達の防具「フェアリーブレス」は完成した。
午前の練習が終わったあと俺はまた校長室へ向かった。昨日サキに教えて貰った無属性魔法のことについて書いてある本を探してもらうためだ。最近午後の自主練でやることがなくなってきたのでなるべく早くほしい。それともう1つ、防具に関してだ。何故か俺が必要だと言われたのでその事について聞きに来たのだ。
「失礼します」
「お、ジンか。昨日ぶりじゃのう」
校長はまた事務作業か。おつかれさん。
「今日は二つ要件がありまして、一つは無属性魔法専用の本がないかどうか。二つ目は、昨日俺のことが必要って言ったのが気になってきました。」
「なるほど、本に関してはわしにまかせろ。昔そんな本を図書館で見た気がする。明日にでも持ってってやろう。」
校長は満面の笑みだ。多分俺が自分から進んで強くなろうとしているのがよほど嬉しいのだろう。
「それで昨日の事じゃが、
ジン、裁縫とかはできるか?」
裁縫か、めちゃくちゃ得意だ。
昔、両親が死んでシスターに預かってもらってたことは前に言ったと思うが、その時シスターが預かってたのは俺以外にもたくさんいた。しかも全員年下だ。だから俺もみんなの面倒をみなくてはいけなくて、料理とか裁縫とか全部シスターに教えて貰ったのだ。よく、アイツらの服とか作ってあげたものだ。懐かしいな。
「はい、できますよ」
「おー、意外じゃのう。それなら話が早い。実はな最近世界でも珍しい布を手に入れてな。それで防具を作って欲しいんじゃ。そこで必要になるこの裁縫道具が実はお前にぴったりでな。」
校長はそういって机の引き出しから虹色の裁縫道具を取り出した。これはすごい、神石で作られたツメより高そうだ。
「これは神魔石っていう超高級なもので作られた裁縫道具なんじゃが、魔力をよく通すのじゃ。それで、これを使って防具を作るとき、込めた魔力が強いほど強くなるんじゃ。お前にぴったりじゃろう。どうじゃ、できそうか?」
「まかせてください」
おれはそう言って裁縫道具をもらった。
そして次の日から俺は午前の練習以外は防具作りと無属性魔法の特訓につけこんだ。無属性魔法専用の本は校長が翌日の朝には持ってきてくれたのだ。防具作りの方は中々に順調である。このペースで行けばあと一週間で余裕でおわる。
しかし問題は無属性魔法の方だ。これが全然わからない。無属性魔法はどの技も覚えるのがとても大変で、使える事ができないのがほとんどらしい。わかったのは魔力をこめれば防御力も上がるということだけだ。魔力をこめても攻撃力しか上がらないって思っていたから助かるな。
そして一週間後防具が完成した。
防具はいつでも着れるようにということで制服みたいなのにした。あと女子の下はスカートにしたかったのだが、足の防御力がすごく弱くなるということでズボンになった。残念だ。
「お前ら、自分の防具を取ってってくれ。
この防具は魔力を込めると防御力が高くなる仕組みだ。多分ここら辺じゃいちばん強いぞ。」
「わぁー!さすがジンだねー!」
「しかもデザインもかわいいです」
「それに動きやすいニャ」
「サイズもピッタリですわ」
「む、私のだけが少し周りと違うのだが」
「センのはどうしてもサキがデザインしたいって言ってたからな。」
そう、サキにデザインの話をした時にセンのは自分にやらせてっと言ってきたのだ。制服に少し和服という服の要素を少し足したらしい。和服もまたニホンとか言うところのを取り入れたのだろう。
「やっぱり!センなら似合うと思ってたよ!」
「そ、そうか、ありがとう」
うん、すごい綺麗だ。
一瞬目を奪われてしまった。
「君のことだから女子の服は一生懸命作って男子のはてきとうにすると思ってたよ。意外とデザインの方も考えてくれたんだね、すごくかっこいいよ!」
「あたりまえだろ。死なれたら困るしな。」
レイはやっぱ何きてもイケメンだ。すごい王子に見える。隣に立っているのが恥ずかしい。
「それにしてもぴったりすぎるわね。」
急にカエラが首を傾げながら言った。
何か難しい顔をしてるな。あれ、俺の方を睨んできている。あれは、疑っている顔だ!
まずい、さすがにあれがバレたら……
「あ、それだったらジンが前皆で昼寝してる時になんかみんなのローブ取ってたからその時測ったんじゃないかな?」
レイ!!貴様裏切ったな!!
なんだそのやってやったって顔は!
女子は、みんな顔真っ赤だ。みんなすごい怒ってる。ダメだこれはもう逃げ場がない。なら……
「あぁ、そうなんだ、レイと!レイと一緒に測ったんだ!その時確か、カエラは最近昼ご飯食べすぎだから前よりお腹柔らかいなって触ってたよな」
「な!それは君がやったことだろう!しかも僕はそんなの測らなくても見るだけでスリーサイズがわか……って掴まないでくれ!僕はまきこまれたく……」
「―――獄炎―――」
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
カエラが魔法を放ったあと、みんなプンプンしながら昼ご飯を食べに行った。カエラの奴いつでも容赦ないな。俺は身体強化使ったから大丈夫だけど、レイは……
「はぁ、今回は君にやられたよ。
それにしてもこの防具すごいね、あのカエラの魔法も防げるなんて」
大丈夫そうだな。確かにすごい防御力だ。
並大抵の攻撃は防げるだろう。
「それで、名前はつけないのかい?」
そうだな、名前か。
ここはカッコイイ名前にしたいな。
いや、Sクラスは女子が多いからな……
「フェアリーブレスはどうだ?」
「妖精の祝福か、いいんじゃないか」
こうして俺達の防具「フェアリーブレス」は完成した。
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