俺がこの世に生まれた意味
からかわれる異端児
「あっ、ディグル。どうしたの?そんな血相変えて。」
「どうしたもこうしたもねぇよ!何だよそれ。お前、雷の魔法なんて使えなかっただろ。それに水の魔法に別の魔法の上乗せなんて出来んのかよ!?ああ!意味分かんねえ!俺にも教えろ!」
アースカティアは急に来たかと思えば、急に叫び散らし、急に魔法の指南を縋ってきた。
レレは一瞬瞠目し、アースカティアの様子を伺っていたが、ふと、笑った。
「良いよ。でも、教えてもらうのにそんな態度ってなく無い?」
「は?いつもこんな感じだろ?今更良いだろ別に。」
「良くないよ。態度を改めないなら魔法、教えてあげないんだからね。」
レレは今まで気づいていなかったのだが、本当は頼ってもらえるのが嬉しいのかもしれない。
ララの時もそうだったが、自分が必要にされていると思うと、心の底から喜びを感じる。
アースカティアに魔法を普通に教えてあげても良いのだけれど、気分が高鳴っているからか、ついからかってしまった。
アースカティアは邪魔するプライドに頭を抱え、悩みに悩んでやっと決心した。
碧眼で、教えを乞う相手の青眼を見据え、口を開く。
「お、俺に、魔法を教えて、ください。」
「あははっ!本当に言ったよ!ディグルかわいー!」
「な!?お前が言えって言ったんだろ!?俺をバカにしたな!」
アースカティアが勇気を振り絞って言ったボソボソの懇願は、お腹を抱えたレレの笑い声によって容易く吹き飛ばされた。
もちろんそれに対してアースカティアは反論する。
二人のにぎやかで大きな声が訓練場内で響き渡る。
「何をやっているのかしら二人で。煩くて仕方がない。」
そんな騒音に近い音を発する二人の元に、もう一人の仲間、赤髪赤眼の少女が呆れ顔で近づいてきた。
彼女はただでさえ魔法の習得が上手くいっていなかったのに、そこに意識の邪魔をする雑音が聞こえてきたので、それを止めるために今ここにいるのだ。
「あっ!ララ!聞いてくれよ。レレが俺のことをバカにするんだぜ?あいつが言った通りに俺はちゃんと魔法を教えてくださいって頼んだのに笑いやがったんだ。おかしいと思わないか?」
「ぷっ、ディグルがレレに丁寧語を使うなんて、傑作かしら。もう一度言ってみて。」
「な!?そんなの言うわけねえだろうが、ってか、お前まで俺をバカにするのか?」
「バカにするとは心外かしら。ララはもちろん、レレだってディグルのいつもは見られない姿に笑っただけ。」
「結局おんなじじゃねぇか!」
ララはこの場の騒ぎを止めに来たはずなのに、気づけば雰囲気に飲み込まれ、一緒に騒ぎ出していた。
しかも、なんだかんだでめちゃくちゃ楽しんでいる。
これでは、何のために今ここにいるのかがわからない状態だ。
アースカティアにしてみれば、妹分である双子の姉妹にからかわれるのはバツが悪い。
この窮地を今すぐにでも脱したい。
「ったくよ、もういい、レレ、早く魔法について教えてくれ。」
「そんな頼み方でいいの?」
「いいんだよ!早く教えろ!」
「はーい。」
流石に二度目は引っかからないか。
レレの二度目の要求は、アースカティアの少し怒りを孕んだ拒絶に切り捨てられた。
「ララもその特訓に混ざってもいいかしら。」
「うん、もちろんいいよ。一人よりも二人、二人よりも三人。三人寄れば文殊の知恵っていう言葉もあるんだしね。」
レレは笑顔でララを招き入れた。
こうして、成り行きではあるが、ララもレレに魔法を教えてもらうことになった。
このままやっていてもあまり進歩がないと感じていたし、途方に迷うだけだと気付き始めたところだったので、ちょうどいい機会だ。
三人の合同訓練が始まった。
「どうしたもこうしたもねぇよ!何だよそれ。お前、雷の魔法なんて使えなかっただろ。それに水の魔法に別の魔法の上乗せなんて出来んのかよ!?ああ!意味分かんねえ!俺にも教えろ!」
アースカティアは急に来たかと思えば、急に叫び散らし、急に魔法の指南を縋ってきた。
レレは一瞬瞠目し、アースカティアの様子を伺っていたが、ふと、笑った。
「良いよ。でも、教えてもらうのにそんな態度ってなく無い?」
「は?いつもこんな感じだろ?今更良いだろ別に。」
「良くないよ。態度を改めないなら魔法、教えてあげないんだからね。」
レレは今まで気づいていなかったのだが、本当は頼ってもらえるのが嬉しいのかもしれない。
ララの時もそうだったが、自分が必要にされていると思うと、心の底から喜びを感じる。
アースカティアに魔法を普通に教えてあげても良いのだけれど、気分が高鳴っているからか、ついからかってしまった。
アースカティアは邪魔するプライドに頭を抱え、悩みに悩んでやっと決心した。
碧眼で、教えを乞う相手の青眼を見据え、口を開く。
「お、俺に、魔法を教えて、ください。」
「あははっ!本当に言ったよ!ディグルかわいー!」
「な!?お前が言えって言ったんだろ!?俺をバカにしたな!」
アースカティアが勇気を振り絞って言ったボソボソの懇願は、お腹を抱えたレレの笑い声によって容易く吹き飛ばされた。
もちろんそれに対してアースカティアは反論する。
二人のにぎやかで大きな声が訓練場内で響き渡る。
「何をやっているのかしら二人で。煩くて仕方がない。」
そんな騒音に近い音を発する二人の元に、もう一人の仲間、赤髪赤眼の少女が呆れ顔で近づいてきた。
彼女はただでさえ魔法の習得が上手くいっていなかったのに、そこに意識の邪魔をする雑音が聞こえてきたので、それを止めるために今ここにいるのだ。
「あっ!ララ!聞いてくれよ。レレが俺のことをバカにするんだぜ?あいつが言った通りに俺はちゃんと魔法を教えてくださいって頼んだのに笑いやがったんだ。おかしいと思わないか?」
「ぷっ、ディグルがレレに丁寧語を使うなんて、傑作かしら。もう一度言ってみて。」
「な!?そんなの言うわけねえだろうが、ってか、お前まで俺をバカにするのか?」
「バカにするとは心外かしら。ララはもちろん、レレだってディグルのいつもは見られない姿に笑っただけ。」
「結局おんなじじゃねぇか!」
ララはこの場の騒ぎを止めに来たはずなのに、気づけば雰囲気に飲み込まれ、一緒に騒ぎ出していた。
しかも、なんだかんだでめちゃくちゃ楽しんでいる。
これでは、何のために今ここにいるのかがわからない状態だ。
アースカティアにしてみれば、妹分である双子の姉妹にからかわれるのはバツが悪い。
この窮地を今すぐにでも脱したい。
「ったくよ、もういい、レレ、早く魔法について教えてくれ。」
「そんな頼み方でいいの?」
「いいんだよ!早く教えろ!」
「はーい。」
流石に二度目は引っかからないか。
レレの二度目の要求は、アースカティアの少し怒りを孕んだ拒絶に切り捨てられた。
「ララもその特訓に混ざってもいいかしら。」
「うん、もちろんいいよ。一人よりも二人、二人よりも三人。三人寄れば文殊の知恵っていう言葉もあるんだしね。」
レレは笑顔でララを招き入れた。
こうして、成り行きではあるが、ララもレレに魔法を教えてもらうことになった。
このままやっていてもあまり進歩がないと感じていたし、途方に迷うだけだと気付き始めたところだったので、ちょうどいい機会だ。
三人の合同訓練が始まった。
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