俺がこの世に生まれた意味
問題です
「違う違う!また同じところ間違えて、何度言えばわかるの?やる気はあるの?」
「す、すいません!マイヤ先生!」
「魔法はこれからの冒険の中で必要不可欠な要素。今のあなたたちには魔法に関する知識があまりにも無さすぎる。体が記憶した魔法の術式を頭が理解できていないから、魔法の威力も下がっている。そんな状況なの。それが嫌ならどんどん知識を溜め込んで、更なる高みを目指そう。」
鬼のマイヤ先生の指導は数時間に及んでいた。
ひっきりなしに魔法についての巨大な知識を蓄積させられ、勉強とは無縁の生活を送ってきたと言うこともあり、すでに三人の頭はパンク寸前。
けれども休憩はとれない。何故なら鬼教官がそれを許可してくれないから。
考えれば考えるほど己の脳を酷使しパンクしかける、休もうと思っても半ば強制的に再び考えさせられる。これの繰り返し、
鬼の過酷すぎるブラックスパイラルだ。
「それじゃ、今日は私からの問題に答えられたら最後にしよう。けど、間違ったらずっとやり直すから。」
「....!?」
聞き間違いではない。次の問題が最後だ。
唐突に告げられたその言葉で、ようやく終了と言う名の楽園が垣間見えた。
慣れないことで疲れた心と体を癒せる。
そのうっすら見えてきたものをはっきりと現実にするため、最後の障害を素早く終わらせる。
俄然やる気が出てくる。
「それじゃあ私からの問題。でれれん!魔法とは一体なんでしょう。」
ーー魔法とは一体何か?は?こんな簡単な問題が最後なのか?舐めすぎだろ、まあ、いい、俺たちからしたら願ったり叶ったりの問題だ。魔法とは何かだろ?えっと、魔法とは、魔法とは、魔法、とは、魔法................あれ、魔法、魔法ってなんだ?
この質問でアースカティアは気づいてしまった。
魔法についての勉強をしているはずなのに、根本である魔法が何なのかと言うことを理解していなかった。
アースカティアは窮地に立たされた。
希望が遠退いていく。
「答えはまだ?三人のうち誰でもいいから答えられたら終わりだよ?あっ、そうだ!間違えた人はお仕置きだからね。」
マイヤは三人に悪戯な微笑を向けた。
ついでに残酷なこともしれっと言いやがった。
「はあ!?それはないだろ!?」
「そうかしら!断固反対!」
「マイヤの鬼!残酷の化身!」
もちろん三人は反対する。けれどもマイヤは依然として微笑を止めない。
「大丈夫大丈夫、答えればいいだけだから。」
その通り、マイヤの言う通りだ。
答えればいい、それだけのこと。
これを否定すると言うことは、つまり、
「あれ?もしかして答えられないの?」
自分が答えられないと言う非を確定付けることになってしまう。
それは、俺のプライドが、自尊心が傷ついてしまう。
上等じゃねえか、この問題、お仕置きとやらもかかってこい!
「レレ、言ってやれ!」
「え!?何でレレ!?」
もとい、俺は異端児トリオのリーダー、英雄は遅れて登場すると言うし、子分を見届けてからだ。
そうさ、俺は異端児のリーダーなんだから。これは当然。
頑張れ、レレ!
アースカティアの視線にレレは渋々マイヤの方を向いた。
「えーっと、悪魔を倒すための攻撃手段とか?」
「ぶっぶー、残念不正解。レレちゃんは後でお仕置き一回ね。」
「ええー。」
レレが振り絞って出した答えは不正解。
だが、お仕置きの犠牲と引き換えに、攻撃の手段ではないと言うことがわかった。
よくやったぞレレ。お前の犠牲は無駄にしない!
「次言ったれ、ララ!」
「やっぱり次はララなのかしら。」
レレと来たらやっぱり次は双子の姉であるララの出番だ。
「じゃあ、悪魔から自分を守る防衛手段、とかかしら。」
「ぶっぶー、ララちゃんも不正解、お仕置き一回ね。」
また不正解。
ララですらマイヤの微笑を崩すことはできなかった。
これで双子の妹はどちらも撃墜。
残るはリーダーただ一人だけになった。
「アースカティアくんはまだかな?」
マイヤの視線がアースカティアへと降り注ぐ。
彼は必死に真剣に考えている。
仲間を囮にして、答えの幅を狭めて、姑息にも自分だけでもお仕置きを回避しようと、一生懸命答えを模索している。
ーー魔法とは攻撃手段でも防衛手段でもない、だとしたら.....そうか、これだ!これしかない。
二人の犠牲を払い、アースカティアはようやく一つの答えにたどり着いた。
ーーララ、レレ、お前たちの犠牲は無駄にしない。これがお前たちから貰った答えだ!
この簡単なようで以外と難しい問題の提唱者、マイヤに向かって指差し、勢いよく、その答えを言いはなった。
「ズバリ、魔法とは攻撃手段でもあり、防衛手段でもある、俺たちの戦う術だ!!」
「す、すいません!マイヤ先生!」
「魔法はこれからの冒険の中で必要不可欠な要素。今のあなたたちには魔法に関する知識があまりにも無さすぎる。体が記憶した魔法の術式を頭が理解できていないから、魔法の威力も下がっている。そんな状況なの。それが嫌ならどんどん知識を溜め込んで、更なる高みを目指そう。」
鬼のマイヤ先生の指導は数時間に及んでいた。
ひっきりなしに魔法についての巨大な知識を蓄積させられ、勉強とは無縁の生活を送ってきたと言うこともあり、すでに三人の頭はパンク寸前。
けれども休憩はとれない。何故なら鬼教官がそれを許可してくれないから。
考えれば考えるほど己の脳を酷使しパンクしかける、休もうと思っても半ば強制的に再び考えさせられる。これの繰り返し、
鬼の過酷すぎるブラックスパイラルだ。
「それじゃ、今日は私からの問題に答えられたら最後にしよう。けど、間違ったらずっとやり直すから。」
「....!?」
聞き間違いではない。次の問題が最後だ。
唐突に告げられたその言葉で、ようやく終了と言う名の楽園が垣間見えた。
慣れないことで疲れた心と体を癒せる。
そのうっすら見えてきたものをはっきりと現実にするため、最後の障害を素早く終わらせる。
俄然やる気が出てくる。
「それじゃあ私からの問題。でれれん!魔法とは一体なんでしょう。」
ーー魔法とは一体何か?は?こんな簡単な問題が最後なのか?舐めすぎだろ、まあ、いい、俺たちからしたら願ったり叶ったりの問題だ。魔法とは何かだろ?えっと、魔法とは、魔法とは、魔法、とは、魔法................あれ、魔法、魔法ってなんだ?
この質問でアースカティアは気づいてしまった。
魔法についての勉強をしているはずなのに、根本である魔法が何なのかと言うことを理解していなかった。
アースカティアは窮地に立たされた。
希望が遠退いていく。
「答えはまだ?三人のうち誰でもいいから答えられたら終わりだよ?あっ、そうだ!間違えた人はお仕置きだからね。」
マイヤは三人に悪戯な微笑を向けた。
ついでに残酷なこともしれっと言いやがった。
「はあ!?それはないだろ!?」
「そうかしら!断固反対!」
「マイヤの鬼!残酷の化身!」
もちろん三人は反対する。けれどもマイヤは依然として微笑を止めない。
「大丈夫大丈夫、答えればいいだけだから。」
その通り、マイヤの言う通りだ。
答えればいい、それだけのこと。
これを否定すると言うことは、つまり、
「あれ?もしかして答えられないの?」
自分が答えられないと言う非を確定付けることになってしまう。
それは、俺のプライドが、自尊心が傷ついてしまう。
上等じゃねえか、この問題、お仕置きとやらもかかってこい!
「レレ、言ってやれ!」
「え!?何でレレ!?」
もとい、俺は異端児トリオのリーダー、英雄は遅れて登場すると言うし、子分を見届けてからだ。
そうさ、俺は異端児のリーダーなんだから。これは当然。
頑張れ、レレ!
アースカティアの視線にレレは渋々マイヤの方を向いた。
「えーっと、悪魔を倒すための攻撃手段とか?」
「ぶっぶー、残念不正解。レレちゃんは後でお仕置き一回ね。」
「ええー。」
レレが振り絞って出した答えは不正解。
だが、お仕置きの犠牲と引き換えに、攻撃の手段ではないと言うことがわかった。
よくやったぞレレ。お前の犠牲は無駄にしない!
「次言ったれ、ララ!」
「やっぱり次はララなのかしら。」
レレと来たらやっぱり次は双子の姉であるララの出番だ。
「じゃあ、悪魔から自分を守る防衛手段、とかかしら。」
「ぶっぶー、ララちゃんも不正解、お仕置き一回ね。」
また不正解。
ララですらマイヤの微笑を崩すことはできなかった。
これで双子の妹はどちらも撃墜。
残るはリーダーただ一人だけになった。
「アースカティアくんはまだかな?」
マイヤの視線がアースカティアへと降り注ぐ。
彼は必死に真剣に考えている。
仲間を囮にして、答えの幅を狭めて、姑息にも自分だけでもお仕置きを回避しようと、一生懸命答えを模索している。
ーー魔法とは攻撃手段でも防衛手段でもない、だとしたら.....そうか、これだ!これしかない。
二人の犠牲を払い、アースカティアはようやく一つの答えにたどり着いた。
ーーララ、レレ、お前たちの犠牲は無駄にしない。これがお前たちから貰った答えだ!
この簡単なようで以外と難しい問題の提唱者、マイヤに向かって指差し、勢いよく、その答えを言いはなった。
「ズバリ、魔法とは攻撃手段でもあり、防衛手段でもある、俺たちの戦う術だ!!」
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