俺がこの世に生まれた意味

高木礼六

無料っていい!

「ここにはね、武器を作るのを頼みにきたんだよ。」


やっぱりそうだよな。それしか頼み事ってないよな。

でも、それなら当然お金の問題が浮上してくる訳だ。

異端児三人にそんな大金はない。

何か考えがあるんだろうきっと、マイヤには。


「ここで一言、ハイカよりありがたいお言葉があります。どうぞ。」

「何?その変な前振り、ま、いいけど、...えっとなんだっけ?あっ、そうそう、素材さえ集めてくれれば、無料で武器を作ってあげる、君たち冒険者になったばっかだって聞いたし。初心者応援キャンペーン。」


.........え?聞き間違いじゃ、ないよな?

今、ちらっと、無料って聞こえたような...


「ほんとに?」

「本当だけど、何?また疑うの?それなら今の取り消す。」

「いやいやいや待って、別に疑ってない、全然疑ってない、一切疑ってないから!そのご厚意、ありがたく頂戴いたします。」

「ふーん、まあいいや。じゃ、僕の役目は終わったから、あとは好きにしていってよ。」


アースカティアは、絶好の機会を、危うく取り逃しそうになったが、勢いで押し切り、間一髪のところで掴み取った。

ハイカは要件が終わり、また店の奥へと姿を消していった。


「良かったね三人とも。あの子の腕は私が保証するから。明後日のクエスト、全力で頑張ろうね。」


覗いてくるマイヤの笑顔がとても輝いて見える。

こんな状況、彼女がいなかったら絶対に起こり得なかった。

言って仕舞えば彼女さまさまだ。彼女に感謝を。

三人は胸の中からものすごいものが込み上げてくるのを感じる。

やばい、めっちゃやる気が出てきた。


「よっしゃーー!明後日のクエスト、絶対に成功するぞー!」

「「おーー!!」」


この店に並んでいるこんな凄い武器を作る人だ。たとえ難易度一の素材でも最高に仕上げてくれるはず。

待っていろよ俺のマイ大剣!

待ってるかしらララの刀!

待っててねレレの双剣!

ここで三人の意志は完璧に固まった。

目指すは魔窟、目指すはクエストクリア、目指すは俺たちの武器!

次にここに来るのが待ち遠しいぜ!

さあ、そうと決まったら準備だ!

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品