SUPEL_night

ルゲ野。

第四話


「気になったら確かめる。こんな風に単純なのがギシちゃんですっ、と」
現在の時刻は午後11:30分ちょい過ぎ。先程パジャマ姿で両親にお休みを言って二階へ上がったが、部屋についた0.7秒後には私服に着替え始めた。そして今着替え終わった。黒いシャツの上に明るい茶色のカーディガンを着て、付属の赤いリボンを結ぶ。下は灰色の短パンに黒のタイツ。靴は学校から帰ってきたときに玄関から持ってきた。···えっ?なんで持ってきたかって?
「そりゃ、ここから抜け出すからですよ~」
一人なのに明るく説明しながら部屋のベランダに出る。そう、ここから飛び降りて脱走…と言うわけではなく。近くの物置小屋の屋根に乗り移って、もともと小屋に付いてる梯子を伝って下に降りる。
「流石にこのまま地面に飛び降りたら、ギシちゃん死んじゃうなー」
ヘラヘラと笑いながら靴を履いて、愛用のポシェットを肩から掛ける。中は確認していないが、特に漁ったりもしていないので普段通り財布やお菓子等が入っていると思う。そして、
「よいしょーっ!」
ベランダの柵を越えて物置小屋の屋根に着地する。木製なので大きく音が鳴らなくて良かった。
「あと五分くらいで12時···人に見つからないように路地裏でも行ってみようかな」
腕時計を見ながら、家の庭から通りへ出た次の瞬間、右の方から、「パン」と乾いた音が鳴った。
「うぎゃっ!···ビックリした···なになに、タイヤでもパンクした···?」
かなり近くから聞こえたので、少し小走りでその場を離れた。

「さっきの音、よくよく考えたらおかしいよね…誰も外にいないはずだし、パンクしたとしても、視界外の所であんな大きい音なるかな……」
コンビニの近くを歩きながら呟いた。…なんだかミステリー小説みたいでカッコいい。
「………もしかしたら、本当にお化けがいたりして…いやいや!んなわけないない!」
もし本当だったら、今頃私はお陀仏してるだろうし!
「…あっ、今朝の路地裏だ」
歩いていたら今朝の路地裏を見つけた。朝でさえ薄暗かったから、夜となるととても暗い。月明かりでかろうじて足元が見える程度だった。
「あらら、これはちょーっと危ないかも···他の所に行」
こう、と発する前に、言葉が喉の奥に引っ込んだ。何故か。
謎の手が、私の腕に絡み付いていたから。

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