悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する
094★不運持ちは嫌われます
私の独り言に、おじさんがピクンッと反応した。
そして、きつい口調で私に問いかけて来る。
「お前さん、何処から来た?」
その質問に、私はここに来るまでに、あらかじめ考えていた設定を口にする。
「学園で…魔法の実験をするからって言われて………
謝礼の半額をもらって、転移の距離を確認する為に飛ばされたの
この村の近くに……その証明に、この村の冒険者ギルドで
登録することになっていたのよ………
それなのに登録できないなんて……
せっかくもらった、報酬の半金が旅費になっちゃうわ
予定ではギルドから学園に連絡を入れてもらって
迎えに来てもらえたのに………私って、運が無いのかしら?」
ここソルス・ロス・エンダ村に、着く前に私は『何故こんなところに来たのか?』という問いかけをされたら、どうやって答えるかを予め考えていたけど………本気で、考えていて良かったわ。
だって、ここは、難攻不落の深遠の絶望ダンジョン《狂いし神子の討伐》へ向かう最後の村だったから………。
そう私のような、みるからに少女が来るような場所ではなかったから………。
誰が聞いても納得できるとは言わないけど、なんとなく納得できる内容を考えたけど………これで通用するかな?
学園では、魔法の実験をしていたし、ちょっと危険な実験は、それなりの金額を支払って被験者を募っていたのを見ていたから………それを口実にさせてもらった。
そう、私のここでの表向きの設定は、裕福な商人の娘で、学園に通っていたのに、父のキャラバンが魔物に襲われてほぼ全滅状態になり、このままでは退学になってしまうから、どうしてもお金が必要だった………と、いうものにしたんだけど………。
だから、危険な実験の被験者になって、ここに転移したことに………不自然はないはず……たぶん、大丈夫だよね。
でも、私の言葉は、何処か投げやりだったおじさんの意識をはっきりさせてしまう。
それも、悪い方向で………。
「あんた、若いからって無茶な実験に付き合ったもんだ」
「お金が必要だったの。だって、学園を辞めたくなかったから………」
「そうかい…でも、学園を退学しなきゃいけないほど
運の悪い出来事があったってコトだよな?」
おじさんの問いかけに、私は用意していた答えを言った。
「ええ…父のキャラバンが、2つも魔物に襲われてほぼ全滅してしまったの」
私は、おじさんが、同情するとか思っていた………。
が、実際のおじさんの考えは………。
「あんたには悪いが、この村からさっさと出て行って欲しい」
「…は? ……えっ? なんで?」
予想外の反応に私は、思わず首を傾げてしまう。
そんな私におじさんは、ずけずけと言う。
「この村は、あの難攻不落の深淵の絶望ダンジョンと永遠の牢獄ダンジョンという
2つの高難易度のダンジョンへ行く為の最後の補給地で
太陽神ソレスト様の加護がある村だ」
「あっ…はい、確か古語で【太陽神ソレストの光りと愛と加護が届く最後の村】
って言う意味でしたよね?」
「そうだ。だから、不運を嫌うんだよ。冒険者達も縁起を担ぐしな」
「…? ……」
えっとぉ………もしかして、かなり薄情? 縁起が悪い?
だから、排斥する……になっちゃうの? どこのイジメよ。
「身一つで、ここに跳ばされたあんたは、まさに不運の塊だ
だから、早急に出て行ってもらう」
「そんなぁ~…何の装備も食料も無いのに………」
「食料は分けてやる
それに、あんたが冒険者なら、ソレス・エル・ピーシェを採れるだけ採って
持って行けば良い
冒険者や騎士達みたいな魔物を討伐する者以外は採れないモノなんだ
今では、樹から実が落ちるだけで、消えていく
必要無いモノならということなのか
ソレス・エル・ピーシェの本数が減ってきているんだ」
えっ…ソレス・エル・ピーシェの大樹が減っているの?
いや、そういえばRPG【黄昏の解放】のスチルより少ない気が………。
とりあえず、もう少し話しを引っ張り出して、少しでも良いから何か買い物を………。
「えっ…それって、大変なコトだと思いますけど………
ギルドや国に報告したんですか?」
「言っても気のセイだと一蹴されてしまう
……じゃない、あんたには、細身の剣と皮の防具と干し肉や干した果物
木の実やチーズ、水筒をやる………ちょっと待ってろ」
私が言い返す間も無く、おじさんは宿に入って行った。
この村から不運を追い払う為に、私に水と食料、武器と防具を与えるってコト?
そんなに、ここは、不運なものを嫌う土地なの?
そして、きつい口調で私に問いかけて来る。
「お前さん、何処から来た?」
その質問に、私はここに来るまでに、あらかじめ考えていた設定を口にする。
「学園で…魔法の実験をするからって言われて………
謝礼の半額をもらって、転移の距離を確認する為に飛ばされたの
この村の近くに……その証明に、この村の冒険者ギルドで
登録することになっていたのよ………
それなのに登録できないなんて……
せっかくもらった、報酬の半金が旅費になっちゃうわ
予定ではギルドから学園に連絡を入れてもらって
迎えに来てもらえたのに………私って、運が無いのかしら?」
ここソルス・ロス・エンダ村に、着く前に私は『何故こんなところに来たのか?』という問いかけをされたら、どうやって答えるかを予め考えていたけど………本気で、考えていて良かったわ。
だって、ここは、難攻不落の深遠の絶望ダンジョン《狂いし神子の討伐》へ向かう最後の村だったから………。
そう私のような、みるからに少女が来るような場所ではなかったから………。
誰が聞いても納得できるとは言わないけど、なんとなく納得できる内容を考えたけど………これで通用するかな?
学園では、魔法の実験をしていたし、ちょっと危険な実験は、それなりの金額を支払って被験者を募っていたのを見ていたから………それを口実にさせてもらった。
そう、私のここでの表向きの設定は、裕福な商人の娘で、学園に通っていたのに、父のキャラバンが魔物に襲われてほぼ全滅状態になり、このままでは退学になってしまうから、どうしてもお金が必要だった………と、いうものにしたんだけど………。
だから、危険な実験の被験者になって、ここに転移したことに………不自然はないはず……たぶん、大丈夫だよね。
でも、私の言葉は、何処か投げやりだったおじさんの意識をはっきりさせてしまう。
それも、悪い方向で………。
「あんた、若いからって無茶な実験に付き合ったもんだ」
「お金が必要だったの。だって、学園を辞めたくなかったから………」
「そうかい…でも、学園を退学しなきゃいけないほど
運の悪い出来事があったってコトだよな?」
おじさんの問いかけに、私は用意していた答えを言った。
「ええ…父のキャラバンが、2つも魔物に襲われてほぼ全滅してしまったの」
私は、おじさんが、同情するとか思っていた………。
が、実際のおじさんの考えは………。
「あんたには悪いが、この村からさっさと出て行って欲しい」
「…は? ……えっ? なんで?」
予想外の反応に私は、思わず首を傾げてしまう。
そんな私におじさんは、ずけずけと言う。
「この村は、あの難攻不落の深淵の絶望ダンジョンと永遠の牢獄ダンジョンという
2つの高難易度のダンジョンへ行く為の最後の補給地で
太陽神ソレスト様の加護がある村だ」
「あっ…はい、確か古語で【太陽神ソレストの光りと愛と加護が届く最後の村】
って言う意味でしたよね?」
「そうだ。だから、不運を嫌うんだよ。冒険者達も縁起を担ぐしな」
「…? ……」
えっとぉ………もしかして、かなり薄情? 縁起が悪い?
だから、排斥する……になっちゃうの? どこのイジメよ。
「身一つで、ここに跳ばされたあんたは、まさに不運の塊だ
だから、早急に出て行ってもらう」
「そんなぁ~…何の装備も食料も無いのに………」
「食料は分けてやる
それに、あんたが冒険者なら、ソレス・エル・ピーシェを採れるだけ採って
持って行けば良い
冒険者や騎士達みたいな魔物を討伐する者以外は採れないモノなんだ
今では、樹から実が落ちるだけで、消えていく
必要無いモノならということなのか
ソレス・エル・ピーシェの本数が減ってきているんだ」
えっ…ソレス・エル・ピーシェの大樹が減っているの?
いや、そういえばRPG【黄昏の解放】のスチルより少ない気が………。
とりあえず、もう少し話しを引っ張り出して、少しでも良いから何か買い物を………。
「えっ…それって、大変なコトだと思いますけど………
ギルドや国に報告したんですか?」
「言っても気のセイだと一蹴されてしまう
……じゃない、あんたには、細身の剣と皮の防具と干し肉や干した果物
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コメント
ノベルバユーザー457351
続きが読みたいです!一気に読んでしまいました。
主人公になった気分で読んでいました。
誰も予想しない展開だと思います。
asutorufo
とても面白いので、更新お願いします!m(__)m