悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する

ブラックベリィ

080★前世で遊んだ、RPGの【黄昏の解放】の中にあるモノが結構そろってます


 そこで、私は自分の姿に慌てた。
 だって、コウちゃんが部分的に分解吸収した以外はなんの変化もない、パーティー用のドレスのままだったんですもの………。

 普通、こんな格好でダンジョン廻ったりしないわよねぇ………。
 いや、すっごくテンパッていたのねぇ…私って………じゃない。
 何か良い手を………ということで、私は、コウちゃんに聞いた。

 「コウちゃん、何か着替えあるかしら………
  流石に、このままじゃ不味いわよねぇ……

  あまりにも不自然すぎて、見かけたハンターとかに
  魔物が化けてるとか言われて、退治されちゃいそうよ」

 『大丈夫だよ、ママ
  だって、ママは強いから………

  俺もガッちゃんもいるんだから
  返り討ちにすれば良いんだよ』

 「じゃなくて、着替えになるモノが欲しいって話し………」

 『あっ…それだったら、腕輪の中に

  天使のドレスと天使のブーツ
  天使の羽っていうマントと天使の手袋っていう

  天使シリーズがあるよぉ~………』

 えっ…あの天使シリーズ………そう言えば、ガチャで頑張ったわぁ~………。
 難攻不落の深淵の絶望ダンジョンの《狂いし神子の討伐》の攻略の為に………。
 天使シリーズの防御力って、以外に高いから、女性に人気だったのよ。

 ちょっと、エロいなぁ~ってぐらい胸を強調してるし、谷間もかなり切れ込みが入っていたわ。
 勿論、ドレスはかなりのミニで、着けるのはガータベルトでつる白のストッキング。
 でも、マントがあったから………。

 考えてみれば、美女や美少女のアバターが、真っ白超ミニにガータが見えてるストッキングに、ババーンとした胸の谷間がガッツリ見えるドレスなんて、男性ゲーマーにサービスしているようなものね。

 でも、ガチャをちょっと頑張れば、天使シリーズ簡単に手に入ったもの………。
 着るのは、めちゃくちゃ頑張って造った美少女なんだもの、どんな格好でも似合うから気にならなかったわ。

 今、冷静になって考えると………ちょっとアレだけど。
 あのRPGって、女性には優しい課金になっていたのよねぇ~。
 さすが、男性向けエロゲー会社の作成だけあるって言われてたなぁ~。

 男性は懐が痛いけど、PCキャラじゃなくて、それぞれに個性のある美女と美少女が、いっぱいいて会話出来て、パーティーが組めたから………。
 二次元オタクにはたまらないわよね………。
 現実と違って、可愛い美少女達や優しい美女達と親しく慣れるんだモノ。

 ギャルゲーと違って生身の女のアバターだから、なんかすっごく得した気になれたって、市役所職員で自衛官予備役して時は思ったもの。
 だから、アラフィフも殺し屋も数千円したかな? って程度だったもん。
 お蔭で、ネカマが多いって噂があったっけ………。

 市役所職員で自衛官予備役していた時は、男性向け守護天使シリーズのガチャに、かなりかけてしまったから………。
 そう、晩酌のビールが、発泡酒になってしまったって、随分嘆いたっけ………。

 それでも、あの防御力はどうしても欲しかったから………。
 男性用防具、守護天使シリーズは、女性向けより遥かに防護力が高かったから………。
 パーティーの女性陣を守れよってことで、ガチャの課金が高かったんだよねぇ……。

 じゃない、デブっていた私が着れるモノがあるかしら?
 一応、コウちゃんの裏技エステでかなりスタイルは良くなったようだけど………。
 とりあえず、コウちゃんに聞いてみよう。

 「私でも、着られるサイズかしら?」

 『特殊アイテムの一種で
  サイズは衣装を着た人間に合わせるから
  女性なら誰でも着れるのぉ~……

  それと、ドレスには魔法防護と物理防護が
  付与されているよ

  マントには、一定時間…魔力しだいでは
  何時までも飛べる魔法が付与されているの

  手袋とブーツは、パワーアップの魔法がかかっているから
  今のママにはぴったりだよぉ』

 それを聞いて、私はホッとする。

 「わぁ~…嬉しいレアアイテムの天使シリーズね
  それじゃ、さっそく着替えるわ」

 そう言って、周囲を見回し、良い感じの遮蔽物がある物陰へと入る。

 よし、ここなら大丈夫ね。
 いくら、誰かに見られる心配のないところってわかっていても、やっぱりお外で着替えるのは勇気がいるわ。

 物陰に入った私は、ドレスを脱いで、天使シリーズを腕輪から出してチャッチャッと着替えた。
 脱いだドレスは勿論、腕輪に入れたわ。

 うふふ…なんか…冒険者って感じになったわねぇ~…。
 これで、食事も宿で取れるわ。
 あの村には、冒険者ギルドの支部があったから、登録もできるわ。
 今日からの私は、冒険者のシルビアーナ、いいえ、ルビアよ。

 あの村……ソルス・ロス・エンダって、太陽神の光りと加護が届く最後の地って、古代の言葉で、名付けられていたわね。
 あの村より先には、人跡未踏の未開の地と、魔物の領域である魔の森と、ダンジョンがあるだけだったから………。

 って、それってRPGの【黄昏の解放】の中のお話しだけど………。
 今、現在の…この世界に存在するのかしら?




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