悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する

ブラックベリィ

076★とりあえず、やってみよう


 歩いている内に、私でも心置きなく倒せるオークやオークナイト、オークジェネラルやオークキングという、オーク尽くしに出会ったりした。
 勿論、美味しくガッちゃんは食べたし、私は死薔薇の鞭で、ガンガン絞め殺したわ。
 その後で、魔法を使えば良かったって後悔したけど………。

 ちょっと反省しながら、私はとことこと歩いた………。
 何も考え無いで歩いていた私は、角を曲がってミノタウルスを見て慌てたわ。
 だって、1メートルも離れていなかったから………。

 きゃー…不味いわ…死ぬわ……せっかく自由になったのに………。
 なんて思っていたら、もうガッちゃんが、ミノタウロスを食べているぅぅぅ。
 あわあわしている私に、コウちゃんが言う。

 『ママ、魔法攻撃をするって言ってたよね
  ここのミノタウロスは、炎に弱いから
  威力を抑えたファイアーランスあたりでも
  使ってみたら?

  ただし、ミノタウロスの角は
  精力剤として高く売れるよ

  皮は色々な防具に使えるからね
  お肉は、美味しいから高く売れるよ

  魔石は、精力剤や媚薬の効力をアップする
  材料になるから、回収は忘れちゃダメだよぉ……

  ガッちゃん、美味しくても、その辺は残してね』

 コウちゃん、本当にナビゲーターしてくれるのね。
 ついでに、ガッちゃんに注意もしてくれる。

 本当に出来た子だわぁ~……コウちゃんが、居るからダンジョン内でも、不安を感じないですんでるわね。
 良し、魔法を使ってみますか………って、軽く考えて私は言った。

 「ファイアーランスッ」

 ランスって………槍って意味なのに……ミノタウロスの身体の半分はあるふっとい柱?みたいなモノが………。
 なんで? どうして? ファイアーランスが? ………。
 混乱している私に、コウちゃんが話しかけてくる。

 『ママァ~ママの魔力は、とぉ~っても強いし
  良質っていうか、純度が高いの

  それに、魔力量もたぁ~っぷりあるんだよぉ~
  だから、威力を抑えてねって言ったのに………

  今度は、ファイアーボール
  ビー玉ぐらいって言うとイイよ

  ただし、威力は絞ってね
  ここで、色々と魔法を試すと良いと思うんだ

  だって、ダンジョン内は自動修復される機能が
  添付されているから………

  どんなに壊しても大丈夫ただよ
  修理代はタダだよ

  それに、周りに被害はでないしね
  ……ってことで、もう一度、試してみようよ
  ねっママ』

 コウちゃんの説明に、私は、落ち込むのを取りあえず、ポイッと捨てたわ。
 そうね、このダンジョン居る間に、魔法の威力を調整する方法を覚えてしまえば良いんだわ。
 試す相手は魔物なんだもん。

 多少、もったいないことになっても、ここはガンガン行く。
 って、決心したのに、ミノタウロスは、失敗した5体と試した3体の計8体しか倒せなかった。
 残りは、ガッちゃんのご飯になった。

 ちゃんと角、皮、魔石は回収したけど……次は、頑張る。
 コブシを握って、私は決心を新たにして、回廊を歩き出す。
 角を曲がる前に、コッコッココという、愛らしい声を聞いたの。

 うふふ…きっと、可愛いにわとりさんね。
 ………私は、今ひとつ、ここがダンジョンだって自覚が足りなかったわ。
 わくわくしていた私の目に映ったのは………。

 獰猛なコカトリスだったんですもの………。
 期待を外された怒りで私は、死薔薇の鞭をバッシバッシに振るって、コカトリスを絞め殺したわ。
 だって、羽や皮が痛むと価値が、物凄く落ちるんですもの。

 コカトリスの羽は、解毒薬のモトになるし、皮は、解毒作用のある防具になるから、高く売れるのよ。
 それに、お肉は精力アップの効力があるから高く売れるしね。
 勿論、ガッちゃんにも羽はもらいました。

 皮は美味しいから食べたいって言うんで、諦めました。
 私は、好き嫌いで戦い方に差が出るタイプなんだって、自覚が出来て良かったわ。
 その後に出会ったのは、バジリスクとサラマンダートカゲだった。

 どっちも皮と爪と牙が、高く売れるモノだったわね。
 バジリスクは、毒を吐くから、風魔法で覆って、死薔薇の鞭で絞め殺したわ。
 サラマンダートカゲは、火を吐かれる前にアイススピアでさくっと刺して殺したわ。

 でも、死薔薇の鞭で殺した方が、皮が痛まないって後で思ったわ。
 色々な失敗をしながら、私達は、お宝を回収してで口に向かったの。
 その間に、ダンジョン内で魔物と何度も戦ったわ。

 そのお陰で、私は戦い方を思い出すコトが出来て良かったわぁ~………。
 お宝も、コウちゃんのお陰で、回収してどうやらコンプ出来たもの。
 そんなこんなで、あっと言う間に、私達はダンジョンから脱出していた。

 そして、外を見ると、綺麗な朝焼けと言うか、夜明けでした。
 これなら、歩いている内に丁度良い時間で、あの村に辿り着く。
 そう思って、歩き始めて、やっと、私は、今の自分がドレスを着たままだったことを思い出した。




コメント

  • RAI

    出口がで口になってますよ
    あととっても面白いです

    0
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