悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する

ブラックベリィ

073★ダンジョン内にはお宝が残ってます


 「ねぇ…ガッちゃん、それって
  入った場所じゃないところで
  出るってことかな?」

 私の質問に、ガッちゃんが首を振る。

 『ううん、入った場所の位置に
  入り口が戻らないと
  ダンジョンから出られないんだ』

 えっとぉ~…それって………何時、ダンジョンから出られるの?
 タイミング悪いと、何時までもってこと?
 っていうと、アレか? あの噂のダンジョンか?
 
 確か、そこって、入ったら、何度も死ぬって、与太話の中にあった。
 存在すら噂の領域を出なかった、思いがなんでも叶うってお宝があるって………。
 あのダンジョン………確か、死に戻りのダンジョン
 いや、別名黄泉帰りのダンジョンって呼ばれている
 または、永遠のループダンジョンって………アレのことかしら?

 いや、確かに《時空神》が造ったってことになってるのなら、有りかも………。

 あのゲーム会社って、男性専門エロゲーがメインだったから、8時間連続ログインしていると、強制ログアウトするシステムを導入しているって…………。

 だって、R18ってことは、社会人向けのゲームなんだもの。
 8時間でログアウトさせて、働かせて、ガッツリ課金しろよって、えげつないコンセプトがあるんだぜって、ネットで噂になっていたわね。

 でも、それだけに、廃ゲーマー予備軍には好評だったわ。
 強制ログアウトがあるから、人間やめなくて済むって………。

 その強制ログアウトシステムのお陰で、出られるだけの永遠の牢獄ダンジョンって言うのが正式名だって、まことしやかに言われていたわね。
 集めたアイテムも、入った出口から出ないで、強制ログアウト食らうと、特殊なインベントリに入れていても、綺麗さっぱり無くなっているって………。

 そんな不毛なダンジョンの場所………そう言えば、探さなかったわ。
 お陰で、名前も知らないしね。
 回収したお宝が消えるんじゃ、コンプ好きの私には合わないダンジョンねって…………

 私は、そんな不確かなイベントより、カッコイイ美形キャラパパ達だったけど達にも会えるし、仲間もこっちのダンジョンの方が好きって言うから………。

 結構、そこここに、美味しいお宝があったし………。
 お陰で、私は仲間と一緒に深淵のダンジョンに、潜ってばっかりだったわねぇ~………。
 まぁ、だから不毛なダンジョンの情報は、ひとかけらも無いわ。

 って、そう言えば、奥地に直接送られて、正しい道順でのお宝はきちんと回収したけど、ここまでのお宝回収してないわね。

 ここは、最強生物ガッちゃんがいるんだから、ヒョイッて地上に戻らないで、逆順路で入り口まで辿りつつ、回収してい無いお宝回収して、ガッちゃんにもう少し魔物を食べさせてあげるのが良いかな?

 なんと言っても、腕輪の中で仮死状態で待機している子達を蘇生させる為にも、私自身も魔力をより磨かないとね。

 「とりあえず、そのダンジョンは後回しにして
  ここの残りのお宝回収しようか?

  とにかく、ここを出ないと次に行けないしね

  ちょっと怖いけど
  認識阻害用のティアラとピアスを外して
  順路を逆に辿りながら、未回収のお宝回収して
  魔物をガッちゃんが食べる………で、良いかな?」

 『ママ、それって
  ママが囮になって魔物を呼び寄せて
  ガッちゃんのご飯にするってこと?』

 「そうよ……だって、コウちゃんが
  守ってくれるでしょう?」

 『うん……えへへ…なんか…嬉しいな』

 「じゃ、ダンジョンの出口に向かって
  前進ね

  それで、ガッちゃんは、ガッツリと
  食べることに専念してね

  ってことで、とりあえず
  この巨大水晶珠は回収ね」

 『はい。主さま』

 ガッちゃんの返事と共に、巨大な水晶珠は小さな指輪に付いた水晶珠へと戻る。
 私は、ソレを回収し、左の腕輪へと収納する。
 ついでに、ティアラとピアスも外して、収納する。

 これで、準備オーケーね………

 私の気配に気付いた魔物がくれば、ガッちゃんのご飯になるもの。
 できるだけ、いっぱい食べさせて上げたいしね。
 それに、コウちゃんが居るしね。

 私だって、厨二病でRPGの魔術師や魔法使い頑張ったンだから、きっと色々と出来るはず………ってか、試してみたいしね。
 魔法は、基本的に想像力だって言うから……出来るはず。

 「コウちゃん、頼りにしているわよ」

 『うん。頑張るよぉ~』







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