話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する

ブラックベリィ

048★私の時間感覚と実際の時間経過はかなり違いました


 えっ? これって、お父様の声……ですわよね?
 いくら、年に数回しか会えなくても、聞き間違えなんてしませんわ。
 じゃなくて、どうやって?

 私が疑問に小首を傾げると、コウちゃんとガッちゃんがほぼ同じ内容のことを言う。

 『ママの頭の飾りと
  耳の飾りで
  受信しているよ』

 『主さまの頭部と耳に
  着けられているモノが
  受信しているようです』

 2人からの言葉の内容で、なるほどと思う。

 そう思うと同時に、なんで今?
 なんか、時間経過がおかしくない?
 今頃、お父様の声が届くのって………。

 そこで、私はハッとする。
 
 私が、このダンジョンに転移されてから、いったいどのぐらいの時間が経過しているのかしら?
 ここは、コウちゃんに聞いてみよう。

 「ねぇ…コウちゃん

  私がこのダンジョンに
  転移してから

  いったいどのぐらい
  時間が経過して
  いるのかしら?

  少なくとも
  半日以上よねぇ?

  もしかして
  2日? ぐらい
  過ぎているとか?」

 不安を覚えて言えば、コウちゃんはケロッと言う。

 『ママァ…まだ
  ここに来てから

  前世時間で
  30分ちょっと
  ぐらいだよ』

 「えっ?」

 驚きの声を上げた私に、ガッちゃんが言う。

 『主さまを、こちらに
  転移させた者は

  主さまを、確実に
  亡き者にする為に

  本当に深淵部に
  送ったようですね

  時間経過は
  その地点から

  左の部屋に
  入るまでの時間です』

 えっとぉ~……あの難攻不落の深淵の絶望ダンジョンの《狂いし神子の討伐》の攻略のための正規ルートと思わされていた、偽ルートを歩いていた時間だけ?
 って、あれ? そう言えば、あの部屋の時間経過ってどうなっていたの?
 聞いてみようかな?

 「コウちゃん

  あの左右の部屋って
  時間経過は
  どうなっているの?」

 私の問いかけに、コウちゃんが笑って言う。

 『左の部屋が
  通常時間の
  百倍ぐらい遅い部屋で

  右の部屋が百倍早いの……

  で、両方の部屋で
  トントンだけど………

  ママは、右の部屋に
  きちんと入ってないから………』

 額の魔石で外の様子をていたらしいガッちゃんが、その後を続ける。

 『本来は相殺されて
  普通の時間経過
  しますが………

  主さまは、入って
  おりませんので

  左の部屋に
  入るまでの時間に

  ほんの数分を
  追加した時間しか
  経過しておりません………』

 2人に言われて、私は左右の回廊は時空間の停止した空間であることを思い出す。

 「そっか…そんなに
  時間経ってないんだ」

 そう呟きながら、私はお父様が、あのお花畑でお馬鹿なルドルフ皇太子に、婚約破棄されたあげく、未来の宮廷魔術師長間違いなしと言われている、美少年コリウスに転移されたのを見ていたことに気付いた。

 『主さま? その声を
  送って来る者の姿を
  映しましょうか?』

 その言葉に、私はびっくりして聞く。

 「えっ? そんなこと
  できるのガッちゃん?」

 私の言葉に、コウちゃんは、アッなるほどという顔をする。

 『ママ…左手首の
  インベントリの中に

  ガッちゃんと共鳴する
  水晶球があるんだ』

 「へっ…そうなの?
  どれかしら?」

 そう呟きながら、私はコウちゃんが言った水晶球なるモノを意識しながら、左手首の腕輪に嵌まる魔晶石を見る。
 と、コウちゃんが爪先でチョイッと魔晶石を触った。

 その瞬間、コロンッと指輪が手のひらの中に落ちて来る。

 えっ? これぇ? いや、確かに小さい水晶球は付いているけど…………。
 コレが何の役に立つの?

 疑問顔の私に、ガッちゃんがストンッと目の前の床に降り立ち言う。

 『主さま

  その水晶珠を
  僕の額の魔石に
  触れさせてください』

 私は言われた通りに、ガッちゃんの額を飾る大きな魔石に、指輪の水晶珠をちょんっと当てる。

 『ママ…そしたら

  指輪をガッちゃんの
  前に置いて

  5歩ぐらい
  退がった方が良いよ

  いや、今のママの
  歩幅だともう少し

  退がらないと
  危ないかな?』

 コウちゃんがそう助言してくれたので、私は言われたとおりに、置いた指輪からかなり下がった。
 と、指輪に付いていた水晶球がスゥーっと大きくなった。

 指輪に付いていた1センチ程度の水晶珠は、前世の感覚で言うところの、直径3メートルはあろうかという水晶球に変化していた。

 『でわ、主さまに
  思念を送って来た者を
  周辺ごと映しますね』

 そう言って、ガッちゃんが水晶球に両手を当てた。







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 やっと、シルビアーナ視点の部分を予定の場所まで書き終わりました。
 次は、シルビアーナのパパ視点へと移ります。

 いやぁ~…予定は未定で書いているので、ここまで来るのにかかりました。
 流石に、ダンジョンなのに戦闘のひとつもないのは………と、思いまして………。
 でも、現時点でのシルビアーナに戦闘能力は有りませんから、ここはガッちゃんに活躍してもらおうと思い入れました。

 と、いうことで、次回からしばらくシルビアーナのパパ視点です。
 




「悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く