双剣使いの暗殺者

sho

救われた命

 やっと、見つけた手掛かりだと思って出てきたは良いけど。

「こいつを倒しても、本体を見つけることはできないしな」

ガルル

後ろのシルバーウルフもどっちを威嚇してるのか、分からないし。

シュン

「なぁ」

速い。

しかも、さっき子供のシルバーウルフを助けた時に斬った部分が再生してる。


自分より速くて、回復力も以上しかもコイツに勝っても本体の位置がわからない。

「損しかない戦いだな。全く」

斬っても再生するなら切断系の魔法も意味がないし、魔力の無駄になる。

MPの少ない僕にそんな余裕はない。

闇魔法は視界を遮断するようなものしか考えてないし。

しゅる

「しまった」

地中からもう一本の根が出てきた。

スキルは常に発動させていたが、植物には反応しない。

ルーグは常にスキル頼りだった所為で不意打ちに弱い。

ヤバイ、血を吸われる。

諦めかけたその時、大人シルバーウルフの
が根を噛みちぎってくれた。

助かった。

「子供助けられた、お礼のつもりか」

モンスターを殺すのに抵抗ができそうだ。


水よ・弾けろ

「スチーム・ボム」

5つの水の球が、蒸気爆発が起こる。

瞬間、高熱の水蒸気が根を襲う。

「斬れないから、熱で攻撃したけど正解だったみたいだ」

表面が焦げていて、再生する気配もない。


戻って、ジャンヌさんに報告しよう。

そう思い、根に後ろを見せた瞬間。

根がいきなり再生し、ルーグを突き刺そうとする。

「油断した、やられたふりをしてたのか」

そうだ、本体は別にいるだ忘れてた。

ドン

死を覚悟した瞬間、大人のシルバーウルフがルーグを庇う。

「なぁ」

グサ

「何で、」

驚いた時には、シルバーウルフは刺し殺されていた。

2匹の子供は、怯えるでも、哀しむでもなく。

ただ敵を見ていた。

親が殺されても、ただ気高く眼前の敵に対して威嚇をしていた。

僕は、この子達の親に助けられた。

本来なら、ここで一緒に戦うのが正解なんだろうけど。


「助けてもらった命は、この子達を逃がすために使う」

2匹を水魔法で拘束して、気配隠蔽とミラージュの重ね掛けをして拠点まで逃げることを選んだ。

2匹のシルバーウルフは僕の手をずっと噛み、奴の所に戻ろうとしていた。

腕の痛みは感じず。

僕は、ずっと2匹に謝り続けた。



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