現実に満足なんてできない!
突然の再開に満足なんてできない!
HRが終わるまで僕は天乃原姉妹から目を離すことが出来なかった。なぜなら、天乃原姉妹の顔が僕の大好きなアニメのヒロインキャラにそっくりだったからだ。特に姉の沙希の方はまとっている雰囲気までそっくりなのである。そんなことを考えていると
「友也もしかして沙希さんに一目惚れでもしたのか?」
などといきなり剣矢が聞いてきたので思わず吹き出してしまった。
「バカ! そんなんじゃあねぇよ!」
と批判すると
「じゃあ、なんでさっきから沙希さんの方ばっかり見てんだよ」
「それは沙希さんが....」
そこまで言って僕は続きを言うのをやめた。何か余計な事を言えばオタクである事がバレてしまうかもしれないと思ったからだ。
「沙希さんがの続きは何だよ?」
「いや、やっぱりなんでもない」
と答えると
「そう言われると更に気になるだろ、早く言えよ」
なんて剣矢が言ってくるものだから困っていると丁度よく教室の前の扉が開いて1限の数学の教師が中に入ってきた。
「はい、みんな席について〜。授業始めるぞー」
と先生が言うと天乃原姉妹の周りに集まっていた女子たちは自分達の席へと戻って行った。
「授業始まるからまた後でな」
と言うと僕も前を向いて授業の準備をした。そのまま一限、二限、三限、四限と集中して授業に取り組んでいると気づいた時には放課後になっていた。
僕がさっさと帰ろうと思いカバンを持つと声をかけられた。
「友也くん...?」
声をかけてきた相手をみて僕は驚いた。声をかけてきたのは天乃原姉妹の妹の真希だったからだ。
「何、天乃原さん」
と答えると真希は急にとても嬉しそうな表情になった。なんで急に嬉しそうな表情になったのかを考えていると
「やっぱり、友也くんだよね!」
とニコニコしながら言ってきたので
「そうだけど、どっかで会ったことあるっけ?」
と答えると真希は
「ほら、去年OKTのイベントで会ったじゃん。」
真希がOKTと言ってきたので俺は驚いてしまった。なぜならOKTとは僕が好きなアニメ「俺の彼女は天使である」の略称のはずだったからである。
「今、なんて言った...?」
あまりの驚きに聞き間違えたのだと思い僕は思わず聞き返してしまった。すると真希がさっきよりも大きな声で
「だから去年OKTのイベントで会ったよねって言ってるの!」
と言ってきた。よく考えてみると去年OKTのイベントに行ってフードを被っていて全然顔は見えなかったが一人の女子と意気投合して仲良くなったことを思い出した。
「あの時のフード被ってた!」
「そうそれ!それわたしだったんだけど分からなかった?」
「あの時はフードで顔が見えなかったから」
と言って話していると後ろから剣矢が
「お前ら、知り合いだったの?あとオカ..トだっけそれって何?」
と聞いてきた。そう言われて周りを見てみると真希の声がでかかったせいなのか多くの生徒が帰り支度をしながらこっちを見ていた。剣矢にOKTについて聞かれこのままだとオタクである事がバレると焦った僕は
「真希、ちょっとこっち来い」
と言いながら真希の手を掴んで真希を連れて教室から逃げるように出て行った。
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