現実に満足なんてできない!

外海 響絶

日常の通学路に満足なんてできない!


制服に着替え終わると通学用のカバンを持って部屋を出た。玄関まで行くと

「ちょっと待って〜!」

めぐみが慌てた様子で近づいてきた。

「どうした、そんなに僕と離れるのが寂しいのか」

その言葉を聞いた瞬間、恵が今までにないような顔でこっちを睨んできた。

「それだけは絶対にないから」

朝食の時の明るい表情はどこにいったのだろうかなどと考えていると恵が右手を突き出してきた。その手には布に包まれた何かがある。

「はい、お弁当忘れてるよ」

そう言われてカバンの中を確認してみると確かにお弁当が入っていなかった。

「ありがとう。恵も遅刻しない時間には家を出ろよ。」

「うん、それじゃあ行ってらっしゃい」

「行ってきます」

そう言うと僕は扉にかかっていた鍵を開けて家を出た。
僕は家から徒歩で十分ほどで着くところにある私立 不満が原ふみがはら高校、人呼んで不満校に去年から通っている。つまり今は高校二年生だ。
いつも通りに日常の通学路を歩いていると
一人の女子に声をかけられた。

友也ともやー!おっはよー!」

「おはよう。かえで

彼女は楓。僕の幼稚園からの友達だ。つまり幼馴染である。いつも登校の時には決まって僕のところに来る。なぜ毎日、毎日飽きずにこんな事が出来るのかを聞いてみたいものだ。などと考えていると

「ねぇ、私の話ちゃんと聞いてたの」

と突然楓が聞いてきた。もちろん話など何も聞いていなかったので正直に

「全く聞いておりませんでした」

と答えると楓はあきれた顔でこっちを見ながら

「はぁー」

とため息をついた。

「どうして友也はいつもいつもそうやって私の話を聞いてくれないの?」

そんな事を言われても、こうやって楓の話を全て無視しながら楓と一緒に登校するのが日課なのだからしょうがない。

「これが日課なんだからしょうがないじゃないか」

その言葉を聞くと楓がどこか嬉しそうな顔になったと思うと

「じゃあこれからも一緒に登校するしてもいいの?」

と聞いてきた。突然なんでこんな事を聞くのかと思ったが返事をしておかないと怒られると思ったのでとりあえず

「別にダメって言っても来るんだろ」

それを聞いた瞬間、楓はにやにやしなごら先に行くからと言って走って行ってしまった。何だったんだろうと思いながら歩いていると気付いた時には学校に着いていた。

「現実に満足なんてできない!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「学園」の人気作品

コメント

コメントを書く