オタクとヤクザが恋したら…

かのちゃん

番外編 テルに恋がキタ!!

それは、遼太郎が留置所に週間されてる間。皇牙組は出雲組との抗争に敗れ、1349人の子分が病院に搬送された。

(ちくしょー!!月宮のヤロー!!遼太郎さんをあんな目に遭わせて!!必ず、遼太郎さんの無実を証明してやる!!)

トントン。

「はい?」

扉が開くと……黒髪のセミロングの女が入ってきた。

「大丈夫?」

由香ちゃんの同僚の……えっとぉ……。

「根元美咲!覚えてよね!」

はい……。

「怪我は?」

大丈夫……いてててて!!

「もう!大丈夫じゃないじゃなーい!」

……。

「なんか、機嫌が悪そうだけど……もしかして、遼太郎さんのこと?」

ああ!!弁護士はまだ見つかんないのか!?

「うん……まだ見つからないみたい。」  

「ちくしょーー!!」

俺は、テーブルを、拳でドン!と叩いた。

「一体、いつになったら、遼太郎さんが自由になれるんだ……。」

「そんなにイライラしてんのなら、散歩行かない?」

へっ……?






外の空気……久しぶりに吸うな。
いい天気だ。こんなに晴れた日に散歩するなんて、めっちゃ気分がいい。

「テルくんって、親御さんは?」

「親?」

「いるんでしょ?」

俺は、顔を下に向けた。

「高校の頃、やんちゃして退学して、家を出て行ったっきり、会ってないっス。連絡も取ってないです。」

「そう……。」

なに元気なさそうにしてるんっすか〜!

「いやあ。なんか、聞いてはいけないことを聞いてしまったなあと思ってぇ。」

大丈夫っすよ!俺は何も気にしてません!

「なら、よかった。」

美咲さんの笑顔、すっごくかわいいな。

「おい!!じいさん!!金出せ、金!!」

「か、金なんて持ってないよ……!」

「嘘つけ!!」

あ、あいつら!!老人の金を取ろうとしてる!
止めないと……!

「待って。私が止める。」

あ、危ないって!!

「……おい。」

ドス低い声!?

「ああん?なんだ?姉ちゃん。」

とても怖いジジイが、美咲さんを睨んでる。
と、その時。美咲さんがジジイの胸ぐらを引っ張った!?

「……!?」

「ここは病院!!金貸すとこじゃねえぞオラァ!!」

こ、怖ーっ!!

「す、すみませーん!!」

ジジイは、怯えて逃げて行った。
つ、強い……美咲さん!
強い女性は、好きだなあ♡

「……はっ!ご、ご、ごめん!!私、実は元ヤンでさ……怒るとヤンキー時代の血が騒ぐから、男の人があんまり近づいて来ないんだよね〜。それが、私の悩みっていうか……。」

俺、惚れました♡美咲さん、あなたのことが好きになりました……♡
こんな正義感が強い女性には惹かれるなあ。
遼太郎さん……留置所にいる間、俺は初恋しちゃいました♡

「あのう……。」

はっ!さ、散歩の続きをしましょ〜!

「……?」

〜完〜

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