オタクとヤクザが恋したら…

かのちゃん

55(最終話)幸せな未来へ

月宮蓮、出雲、子分は殺人の罪で逮捕された。
俺は裁判が終わったあと、留置所を出た。
久しぶりの外の空気……気持ちいいな。

「遼太郎さーん!」

ん?俺の車の窓から手を振ってるのは……。

「テル、黒田、田中、冴島、峰!」

「元気してましたか?」

元気……いや、不味い飯を食わされて、うめえもんなんて食っちゃいねえよ。

「ですよね〜。さ、車の中に入ってください!」

おう……。
俺はテルが運転する車に乗った。
由香からお前らのこと、聞いたぞ。散々、無茶しやがって。

「すみません……。」

「でも、怪我は大丈夫なんで!」

そうか……。
それより……道、間違ってねえか?由香のマンションはここら辺じゃねえぞ。

「まあまあ。着いたらのお楽しみってことで!」

は?
しばらくして、着いたのは……皇牙組のビル。

「おいおい。ここで何やるんだ。」

「着いてきてください!」

テル達のあとを着いて、階段を上がり、大広間に行くと……。

「おじしゃーん!」

わ!めい!?なんでお前がここに!?

「遼太郎さん!」

「おかえりなさい!」

由香の親戚……てか、着物やドレスやスーツを着て……。

「遼太郎!」

か、母さん!泣きながら抱きついて!

「よかった……一時はどうなるかと。」

もう……。
ん?椅子に腰を掛けてる、ウエディングドレスを着た、女が振り向いて……。

「遼ちゃん。」

由香!

「なんでこんな格好に……!」

「えへへ。」

「実は……私達で、サプライズで結婚式をやろうと決めたんです。」

「結婚式場をキャンセルされたと聞いて。何かできることはないかと考えたら……こういうことしか考えなくて。」

「そうか……。」

「遼太郎さん!早くウエディングスーツに着替えてください!」

えっ……。

「早くしろ。花嫁を待たせるな。」

じいちゃん……おう。
30分後。俺がウエディングスーツに着替えると、早速結婚式が行われた。
牧師は黒田がやる。
お腹、大きくなったな、由香。

「えへへへ。お父さんのこと、ずっと待ってたんだよ、この子。」

ふっ。

「皇牙由香。あなたは、皇牙遼太郎を愛することを誓いますか?」

「誓います。」

「皇牙遼太郎。あなたは、皇牙由香を愛することを誓いますか?」

「誓います。」

「それでは、指輪の交換を。」

俺達は、それぞれの薬指に指輪をはめた。

「それでは、誓いのキスを。」

俺は由香のレースを開けた。

「由香……これから3人で、幸せな未来へ向かって、愛し合おうな。」

「うん……。」

俺達は唇を近づけて、キスをした。

「おめでとー!」

「遼太郎さん!由香ちゃん!おめでとう!」

「お二人とも、おめでとうございます!」

「おめでとう!」

「おめでとさん!」

「遼太郎さん……山岸先輩を、どうかよろしくお願いしますっ!!」

「何泣いてんの。」

皇牙組の野郎共!

「はいっ!」

話がある。

「話?」

「……今日で皇牙組は終わりだ。今まで着いてきてくれて、ありがとな。」

「遼太郎さん……。」

「……。」

「遼ちゃん?」

「お……お前らのことは、宮島さんに頼んでる……。それぞれ別の道を歩むことになるが……心の中では、皇牙組の一員だ!!また、会おうな!!」

「遼太郎さん……!!」

あいつらも泣いている。鼻水を垂らしながら。

「では……これにて、皇牙組は解散!!」

「はいっ!!」

遼ちゃん。遼ちゃんと出会って、色々あったけど、楽しかった。
遼ちゃんとこれから幸せな未来を築いていく。
お腹の子も一緒に……。 
遼ちゃん……愛してるよ。ずっと。
オタクとヤクザが恋したら…喧嘩や悲しいことがあったけど、素敵なハッピーエンドが待ってました♡

~完~

「オタクとヤクザが恋したら…」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く