37 赤ちゃんができたの…

私、皇牙由香。26歳。既婚者。OL。アニメオタク。今、非常事態が起きてます！
実は私……妊娠4ヶ月だってことが判明しました！
もちろん……父親は……遼ちゃんこと、皇牙遼太郎さん。

「なんか心当たりある？」

私達……いつやったっけ？？
8月まで生理が来たから……あ。

「『今夜、抱きしめてもいいか？』」

遼ちゃんのバースデーだぁぁぁぁぁ！！
確かあの日、遼ちゃんとキスをして、ベッドに倒れ込んで、それからいつも以上に熱いキスをして……。
あーーーー！！その先は言えないよーー！！
ただ、遼ちゃんが上手かっただけしか言えない……。

「9月の……2日です。」

「最後に生理が来たのは？」

「8月の……下旬です。」

「予定日は、来年の6月12日。1ヵ月後にまた来て。」

「はい……。」

「嬉しそうじゃないわね。美紅、盛り上げて。」

「ゆ……由香、おめでと〜！」

「結婚と妊娠、ダブルで来るなんてびっくり〜！」

……どーしよー！
私は泣きながら振り向いた。

「私、ちゃんと避妊してやったのに……こんなことになるなんて……。」

「失敗したんじゃない？そういう方も結構いるのよ。」

避妊……失敗！！

「とりあえず、薬出しとくから。旦那さんにはちゃんと伝えないとね。」

はーい。
ん！？

「どうしたの！？由香！」

い、今、お腹が痛くなって……。

「大丈夫よ。胎動といって、赤ちゃんが今動いてるのよ。」

胎動……赤ちゃんが動いてる……。
小さな命が……生きようとしてる。
私は手でお腹をさわると……。
あ、動いた……遼ちゃんと私の子供。
早く帰って、遼ちゃんに報告しないと。

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「ただいまあ。」

私が帰ってくると、遼ちゃんがいつもと違う笑顔で、雑誌を何冊も持って出迎えてきた。

「お帰り！由香！今日は本屋で式場に関する雑誌を買ってきたんだ！この中で1番安い式場があってな、ブライダルフェアやっていて、今予約すると半額で……。」

「妊娠しました。」

そのとたん、遼ちゃんが目を点にして、雑誌を落とした。

「へっ？」

「赤ちゃんができたの……。」

口をポカーンと開けて、目を点にして、固まったまま、驚いてる……
今まで見た遼ちゃんの顔よりギャグ漫画みたいな顔だ。

「……あ……ああ……。そ、そうかあ。じゃ……。」

遼ちゃんは苦笑いを浮かべながら、寝室に入って行った。
遼ちゃん……私が思ってたリアクションとは違う……。
嬉しくないの……？
ひょっとして、驚きすぎて言葉が出なかったんじゃ……。

続く！