オタクとヤクザが恋したら…

かのちゃん

34 遼ちゃんの誕生日プレゼントは?

9月2日……誰の誕生日かわかりますか?
そう!私の彼氏、遼ちゃんの誕生日〜♡
ケーキも準備したし、あとはプレゼント……と、言いたいところだけど、遼ちゃん、何が欲しいのかな?
遼ちゃんの好きなものは一体なんだろう。
ということで、皇牙組へ直行!
遼ちゃんは今日は事務所にいないみたいだから、いるメンバーに聞いてみよう!
まずは、鈴崎くんから!

「遼太郎さんの好きなもの……?そりゃあ、任侠映画でしょう!」

それもわかってるけどぉ……他にある!?

「えー?ごめん……知らない。」

続いて、田中くん。

「俺も知らない。煙草ぐらいじゃないかな?」

そんな〜。
続いて、黒田くん!

「男だから……エッチなDVDとかじゃないかな?」

却下。
続いて、城山くん!

「遼太郎さんの好きなもの……酒と煙草ぐらいじゃないかな?」

うーん……。
冴島くんは……。

「あの人の趣味は……謎だからな。わかんないや。」

全員に聞いても無理……。
あ!そうだ!テルくんに聞いてみよう!

「遼太郎さんの好きなもの?」

長い付き合いだから、遼ちゃんのこと、知ってるよね!?

「ごめん……俺、任侠映画しか知らないんだ。他はあんまりわからない。」

そ、そんなあ〜。テルくんでもダメかあ。

「なにしてんの?」

ん!?後ろから、声が……。
振り返ると……うわあ。
白髪で、黒い服とズボンを着て、綺麗な赤い目の男の子……。

「遼ちゃんの彼女の山岸由香!今日、遼ちゃんの誕生日だから、好きなものは何か聞いてるの。」

「……そう。俺、知ってるよ。」

知ってるの!?

「ああ。」

男の子は、私の耳元で囁いた。

「愛……かな?」

へっ?

「じゃ、また。」

男の子はそう言って、向こうに行っちゃった。






結局、何もわからないまま、新作の任侠映画のDVDをプレゼントしました、はい。
遼ちゃん、いつも以上に喜んで見はまった。ケーキは2人で、食べた。
ベッドの上に座って、寝る準備をし始めた。

「ありがとな。あの映画、ずっと見たかったんだ。」

よかったね。

「ねえ、遼ちゃん……。」

「何?」

「遼ちゃんの本当に欲しいものって、なんなの?私、ずっと皇牙組のメンバーに聞いたんだ。教えてくれない?」

「俺が……本当に欲しいものは……。」

遼ちゃんは、私の肩に両手を置いて。

「お前だよ。」

へっ?私?

「ああ。俺が1番欲しいものは、由香だ。」

遼ちゃん……。
すると、遼ちゃんは、唇を近づけて。

「今夜、抱きしめてもいいか?」

返事は……。

「うん……。誕生日、おめでとう、遼ちゃん。」

「ありがとう……。」

遼ちゃんと私は、キスをした。

続く!

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