オタクとヤクザが恋したら…

かのちゃん

12 新たなる刺客

俺は皇牙遼太郎。38歳。独身。
皇牙組の組長で、現在超かわいい彼女、山岸由香と交際中。
今日は、1350人の子分を大広間に集めて新入りを迎える。

「今日から新入りが入る。入って来い!」

俺がドアに向かって声をかけると、ドアが開いて、1人の男が入ってきた。
髪の色は白で、うさぎのような赤い目をしていて、黒い服と短パンのジーンズを履いた、若い男。

「名前を言え。」

「月宮蓮です。24歳です。よろしくお願いします。」

と、蓮はみんなに向かってお辞儀をした。

「それじゃあ早速、兄弟盃を行なうから、袴に着替えろ。」

「はっ!」

(俺の若頭補佐が他にも出てきやがった……あっ!こっち見た!)






俺達は大広間で兄弟盃を行うことに。

「ようこそ、皇牙組へ。これからは組の仲間として、共に皇牙組の未来を築いていこう。この盃を飲めば、お前は皇牙組の仲間だ。」

「はい。」

「それでは、乾杯。」

俺と蓮は、盃を飲み干した。

「ライバルが増えたなあ、テル〜。」

「う、うっせえ!」

「テル!やかましいぞ!!」

(……怒られた。)






「蓮は、俺と一緒の部屋な〜。」

「はい。ん?そういえば、遼太郎さんはここで寝ないんですか?」

「ああ〜。」

「あの人には、スケがいるんだよぉ〜。」

「ちょっ、おい!中井!お前、酔いすぎだぞ!!」

「2ヶ月前に交際して、現在そのスケのマンションに同棲中〜♪」

「殺されるぞ!!」

「ふーん。」






すっかり夜になっちまったなあ。
由香、帰りを待ってるだろうなあ。

ガチャッ。

ん?蓮か。どうした?初日で緊張して眠れねえのか。

「はい……。」

俺も、お前くらいの時はそうだった。

「……スマホの待ち受けの女の人、彼女ですか?」

……!

「わかりやすい。」

「ああ。付き合って2ヶ月だ……!?」

おでこに銃を突きつけられた!
俺は銃を出した。

「……なんの真似だ。」

「組長の代わりにご挨拶をと。」

組長……?

「そう!2年前の抗争で、お前が殺したはずの出雲輝男!そいつが俺達の親父さ。」

出雲……輝男!?
確かあいつは、俺が仕留めたはず……!

「ハハハ!残念だったなあ!親父は病院でなんとか一命を取り留めたんだよ!!あの時、親父以外のやつらは全員死亡!!親父だけ生き残って、親父はその後に出雲組を建て、俺をスカウトし、「皇牙組を潰せ」と命令した!!お前を殺せば、俺は出雲組の組長になる!!ハハハ!マジ最高だぜ〜。もし、変な真似をしたら、殺す。じゃ、おやすみなさい、遼太郎さん。」

蓮は笑いながら部屋を出ると、テルがはいってきた。

「遼太郎さん……。」

「聞いてたのか。」

「はい……。」

……あいつぅ〜!

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