オタクとヤクザが恋したら…

かのちゃん

08 元カノVS由香

俺は夜、新宿にあるBARで1人で飲んでいた。
今度、由香を誘って飲もう。
俺が、煙草に火を付けて、吸い始めたその時、カランとドアが開いた。
茶髪で、ふんわり縦ロールで、美人で、ピンクのキラキラしたドレスを着て、高そうなハイヒールを履いて、財布カバンを持って、唇の右下にほくろが付いて、ピンクの口紅を付けた女が入ってきた。

「遼太郎、久しぶり。」

美帆……。
こいつは甘尻美帆。31歳。俺の元カノだ。
美帆は、機嫌よく俺の隣に座った。

「この人と同じのでいいわ。」

「かしこまりました。」

……なんだ?

「いや……遼太郎とぐーぜん会ってびっくりだなと思って。」

俺もだ……。
すると、美帆が俺の腕をいきなり、組み始めた。

「ねえ、あたし達、も一度やり直さない?前みたいに上手くやれば、結婚も遅くないかもよ?」

……断る。

「えー?なんでよぉ〜。」

なんとなくだ。

「……もしかして、付き合ってる女の人いるの?」

「……!トイレに行ってくる。」

ガチャッ。

「わかりやすいなあ、相変わらず。」

ピローン。

「ん?LINE?」

〈遼ちゃんごめん!(>_<)今日は残業になりそう…(゜∀`;)ご飯は自分でなんとかして食べてて!あと洗濯物畳んだら、タンスの中に直して(ㅅ˙ ˘ ˙ )♡〉


(由香……遼太郎の今カノね。)






あー。雨だ〜。早く洗濯物を直さないと……。
あれっ?マンションの前に、女の人がいる。見知らぬ人だな。
それより早く中に入らないと……。

「……あなたが由香さん?」

へっ?あ、マンションの前で待ってた女の人だ。
しかも、私より美人だし、胸が……大きい……。

「は、はい……。」

「初めまして。遼太郎の元カノの甘尻美帆です。」

りょ、りょ、りょ、りょ、りょ、りょ、りょ、りょ、りょ、りょ、りょ、りょ、遼ちゃんの、元カノ〜!?
こんなにスタイル抜群な人なら、遼ちゃんの元カノにはピッタリだよ!

「ねえ。あなたに言いたいことがあるんだけど。」

言いたいこと……ですか?

「そう……遼太郎と、別れてくんない?」

そのとたん、私は傘を落とし、耳には雨音しか聞こえなかった。

「あなたみたいなふつーな女、遼太郎は好きじゃないと思う。正直言って、遼太郎の傍にいないといけないのは、あたししかいないわ。だからお願い……このマンションを出ていけ!!ここは、あたしと遼太郎の愛の巣になるからな!!アハハハハ!!」

美帆さんは笑いながら、私の横を通って行った。





ガチャッ。

「ただいまあ。って、由香?帰ってねえのか?あーあ。洗濯物が濡れるぜ……ったく、あいつはなにしてるんだ?まさか、また残業か?」

ピローン。

「ん……?」

〈探さないでください さようなら〉

……!?

「由香!」

一体、何があったんだ!?

続く!


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