オタクとヤクザが恋したら…

かのちゃん

07 誕生日プレゼント

「ねえ遼ちゃん。」

「ん?どうした?」

明後日、何の日か知ってる?

「今日?」

覚えてないな。

「明後日はは3月24日!私の誕生日!付き合い始めた時、言ってたじゃーん!」

「そうだったな。すっかり忘れてた。どら、誕生日プレゼントは何がいい?」

えっ?買ってくれるの?

「あたりまえだろ。俺達、恋人同士だから。」

やったあ!ありがとう、遼ちゃん!

「こらこら。そんなに抱きつくんじゃねえ。何が欲しい?」

ピヨクエ!

「ピヨクエ?」

知らないの!?今流行ってる、ひよこのモンスターを倒す、冒険物のゲームだよ!
そのシリーズのVIが最近発売されたの!
遼ちゃんは、ジャケットを着始めてる。
遼ちゃん、どこ行くの?

「ちょっとな。」

朝早くから、遼ちゃんは外出して行きました……。






ここのゲームショップなら、ありそうな予感……。

「いらっしゃい……。」

(うわー。怖そーなお客さんだぁ。)

「おい。」

「は、はいーっ!」

「ピヨクエは、どこだ?」

「す、すみませんっ。ただいま、品切れでして……。」

品切れ……だと!?






その後も、ゲームショップを回ったが……どこの店舗にもなくて、神奈川、千葉、埼玉、静岡などのゲームショップに走って行ったが、どこもピヨクエは売り切れだった。
そして、由香の誕生日当日になってしまった。
俺は、デパートの前で、倒れていた。

「お母さん、あのおじさん……。」

「こら!指ささないの!」

「あ。あれは、皇牙組の……。」

「今日は襲う気ないから、ほっとこう。」

なんで……なんでないんだ?
この俺に買われなくないからか……。
……イライラするぜ。
こーなったら、店に車突っ込むしかねえ。

「あのう……。どうなさいましたか?」

誰だ?俺に話しかけたの。
メガネをかけた、若いサラリーマンか。

「実はな……ピヨクエが売り切れてて困ってんだ。」

「そうなんですかぁ。」

男はスマホをいじり始めた。

「ありました!ここにありますよ!」

男が見せたのは……リサイクルショップ?
そこに行けばあるのか。

「はい……。」

兄ちゃん!道案内しろ!

「えっ……僕、仕事が……。」

仕事はいつでもできんだろ!さあ、車に乗れっ。

(や、やばそーな人に絡まれた!)






俺は、男を連れて、リサイクルショップへ。

「ピヨクエはどこだ。」

「ピヨクエは……これですね!中古しかないですが。」

おお!これこれ!これが欲しかったんだよぉ!
俺は、男の両手をぎゅっと握って。
ありがとな!お前がいなかったら、今頃どーしていたことか……。

「は、はあ……。」

名前はなんていうんだ?

「鈴木雅史です。」

俺は、皇牙遼太郎!LINE交換しようぜ!

「は、はい……。」

(見た目は怖いけど、優しい人なんだな〜。)







「鈴木ぃ!遅かったじゃないか!」 

「す、すみませんっ。」

あの真面目な鈴木くんが、珍しく課長に頭を下げてる。
鈴木くんは、頭を下げたまま、自分のデスクに戻った。

「鈴木くん、どうしたの?」

「実は……変な人に絡まれて。」

鈴木くん、東京は怖い人がいるから気を付けて!(鈴木くんは、宮城県出身です)

「はい……。」






「由香、誕生日おめでとう。」

ありがとう、遼ちゃん!ケーキも買ってきてくれて!

「礼はいい。それより、お前に渡したいブツがある。」

渡したいブツ?
ん!?そのショーケースの中身は、まさか薬!?
遼ちゃん!私、使いたくないよぉ!
遼ちゃんが、ショーケースを開けると……。
ん?うわあ!これ、ピヨクエVIじゃん!
ありがとう、遼ちゃん!

「……おう。」

ケーキ食べ終わったら、一緒にやろっ。

「俺、ゲームやったことないからなあ。」

大丈夫!私が教えてやるから!
遼ちゃん、私の為になんでもしてくれてありがとう。
最高の誕生日になったよ。

続く!

コメント

  • 姉川京

    こういうの面白いから本当好き!

    続き投稿楽しみにしてます!

    これからもお互い頑張りましょう!

    あともし宜しければ僕の作品も読んでください!

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