オタクとヤクザが恋したら…

かのちゃん

04 呼び名

遼太郎さんと付き合って1週間が経ちました。

「彼氏さんと最近どうですかぁ?彼女さーん!」

いやあ〜。今、めっっっっっっっちゃ、幸せでちゅ〜♡
毎日LINEやってるし、電話なんか相手が呆れるほど2時間までやったし!

「アハハ。」

「すごいよね〜!由香ちゃんの彼氏、薬剤会社の社長さんで!いいなぁ〜。」

ま、まあね。
実は、遼太郎さんがヤクザの組長だということは、みんなにはナイショにしています!てか、あたりまえだけど!

「ねえ。彼氏さんのこと、なんて呼んでるの?」

えっ?

「呼び名だよ、呼び名!」

呼び名……。

「遼太郎さんかな?」

「えっ!?」

みんな、驚いた表情になってどーしたの!?

「まださん付け!?」

「恋人なのに!?」

う、うん……。

「恋人は恋人らしく呼び名で呼ばないと!」

「そういうカップルが、別れるんだよ!?」

わ……か……れ……る……!?

「いやああああ!」

(山岸先輩に……彼氏が!俺の初恋、終わった……。)






仕事の休みの日。遼太郎さんがうちに遊びにきて、夜ご飯を食べることに。

「うめえな。」

ありがとうございます。
私は、箸を置いた。

「あのう……。」

「ん?」

「私達、呼び名で呼びません?恋人同士だから、そろそろと思って。」

そしたら、遼太郎さんも、箸を置いた。

「わかった。そうしよう。お前は、今までの彼氏からなんて呼ばれてた?」

えっと……。

「由香ちゃんとか、由香ちんとか、由香たんとか、由香っちとか、由香りんとか……。」

「……ちっ。」

あれっ?もしかして焼きもち妬きましたか?

「るせえ。」

わかりやすい人だ。

「じゃあ、由香でいいな。」

はい……。

「では、遼太郎さんは、昔の彼女さんからなんて呼ばれてたんですか?」

「遼太郎だ。」

そうですかあ〜。
名前が遼太郎だから……。

「遼ちゃんでいいですか!?」

「……ブー!」

うわ!麦茶吹き出しちゃって!

「ゴホッ、ゴホッ!りょ、遼ちゃんだと!?ふざけんな!」

だってかわいいし。

「……いい。あと、俺と話す時は、敬語じゃなくて、タメで話せ。」

う、うん……。

「これからよろしくね、遼ちゃん!」

私が笑顔で言うと、遼ちゃんは顔を真っ赤にして立ち上がった。

「ご馳走様。先に寝る。」

えっ!?ご飯、まだ残ってるよ!
ああ、寝室に行っちゃった……。

「クッソかわいいじゃねえかぁぁぁぁぁぁぁ!!」

心の声漏れてる……。

続く!


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