オタクとヤクザが恋したら…

かのちゃん

02 彼の正体…!

「……あなたのこと、もっと知りたい!家に来てくれませんか?」

言っちゃった〜。
すると、遼太郎さんは、私の手を振り払い。

「ありがとう。けど、ごめんな。野暮用があるから。また、誘ってくれ。」

……。
私、仕方なく、車から降りちゃった。

「……ありがとうございました。」

「……。」

遼太郎さんは、車の窓を閉め、また運転し始め、マンションの駐車場から出て行っちゃった。
私は、出ていく遼太郎さんの車を、ボーと眺めてるだけだった。
……はっ!好きなアニメが始まる時間だ!







それから2ヶ月後。遼太郎とは、それ以来、会ってない。
頭の中、遼太郎さんのことが離れなくて、仕事に集中できない……。
野暮用ってなんだったんだろ?
遼太郎さんは、何やってる人なんだろ?

「……山岸先輩!」

あ!鈴木くん!
鈴木雅史くん。24歳。最近入社してきたばかりの、私の後輩。

「これ、お願いします。」

うん。
えっと、書類のチェック、チェック……。
ん?書類の中から、なんか落ちた!
何これ?ん!?これ、私が好きなアニメのイベント!?
超〜行きたかったんだよな〜!!チケット落選で落ち込んでた〜。
けど、誰が……はっ!鈴木くんか?
ほら!私が見たら、目線を慌ててパソコンに向けちゃって!
なーるほどねえ。

(最近、先輩が元気ないから、チケット2枚買っちゃった!イベント終わったあと、先輩に好きって伝えるんだ……!)

「鈴木くん!これ、コピーしてくれ!」

「は、はい!」






イベント当日。
あー!早く行かないと、間に合わないよ〜!

「……やっほー。」

「久しぶりだねえ。」

……!?2ヶ月前のチンピラ2人組!
どいて!用事があるから!
キャッ!腕を掴まれて、グイッと男の方に連れていかれたよ!

「今度こそは逃がさないぜ。」

「たっぷり、遊んでやるぜ!」

お願い……だから助けて……!
遼太郎さん……!
と、その時!どこかで見た覚えがある白い車が私達の前に止まり、誰かが車の中から出てきた。
アイパー、サングラス、強面、白いスーツ、イケおじ……。

「遼太郎さん……!」

「来たな!クソジジイ!」

「この前の蹴り、付けてや……!」

うわ!チンピラの顔を強く蹴って、倒しちゃった!

「お前〜!」

チンピラが走って遼太郎さんをグーパンチをしようとした時、遼太郎さんは、そのグーパンチを手で止めて、後ろに倒しちゃった!
2ヶ月前と同じ光景……。

「大丈夫か?」

目線が近くて心臓がドキドキ鳴ってる……。

「……はい。」

「うう……やっぱりそうだな!」

チンピラが、起きようとしてる……!

「どこかで見たことがあると思ったが……おっさん!1350人の子分を率いる、皇牙組の組長、皇牙遼太郎だろう!」

えっ!?この人、ヤクザ!?




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