世界最強の強くてニューゲーム

ゼクト

北側計画

北側の国は確かに強いのだが、それでも強いがゆえに向上心の塊でもある。

つまり、互いに戦争をしているのだ。

しかし、総戦力戦をしてしまうと、ほかの国に攻め込まれてしまう可能性があるので、あまり総戦力戦はできていない。

つまり、そこまで戦力を減らしているわけでもないが、ゼアークの判断では、前回の人間国戦で、上級をそれなりの数投入すれば、大国で勝てそうなことが分かった。

「ダンジョンは慈悲は持たない。
このまま攻め込め。」

人間国同士の戦争では、宣戦布告をしなくては、卑怯ということで、周辺諸国にまで非難されるが、ダンジョンにとっては、すべての人間国が敵といっても違わない。

それに、北側はあまり同盟を重視していないようなので、戦争をしても、そこまで援軍が来ることを警戒しなくていいだろう。

「ある意味、南側諸国よりも、ゆっくりと攻められるな。」

まぁ、ゼアークの性格上、そこまで時間をかけたいとは思っていないので、時間をかけるつもりはないのだが、入念にできるという点においては、こちらのほうがやりやすい。

「それで、今回はどこまで進むのですか?」

幹部の者にそう聞かれたので、今回予定している占領範囲を教えた。

「今回は、敵の国土の半分まで攻め、その後、国土の3分の一を勝手に占領する。」

「停戦は?」

「しないし、できないだろう。
いきなりダンジョンが襲ってきたと思ったら、ダンジョンマスターが講和条件を持ってきてやってきた。
そうなってしまえば、いくら何でも、ほかの国に情報を提供するだろうし、それに、ギルド側が黙っていない。」

「ギルド側が襲ってきても、勝てるのでは?」

「勝てるが、あまりお勧めはしない。
モンスターだってレベルを上げることができるのだから。」

そう、モンスターでもレベルを上げることはできる。

もちろん、最上級モンスターなどはレベルを上げるのに殺す必要のある生物の数が多すぎて、レベルを上げることを考えなくていいのだが、下級、中級レベルになると、人間をそこそこ殺していると、いつの間にかレベルが上がっていることがある。

「今、ギルド側を壊滅状態にしてしまうと、ダンジョンに攻めてくるものもいなくなってしまうからな。
それに、北側に関しては、この一回の侵略をした後、しばらくの間は何もしない。」

「それはなぜ?」

「ダンジョンに入ってくる冒険者の数を見れば一目瞭然なのだが、北側の国のほうがダンジョンを利用しようと考えている者が多い。
これが、ダンジョンを侮っているのか、もしくは自身があるものが多いからかはわからないが、北側は、ダンジョン側にとっても利用価値が高い。
そこまで焦って攻め落とさなくていい。
しかし、それでも、土地は欲しい。ということで今回は、占領するのだ。」

「わかりました。それでは、とりあえず、前線に張り付いているモンスターたちに侵攻の命令をいておきます。」

「ああ、頼んだ。」

正直、一国の3分の1だけで足りるのかはわからないが、それでも、これから攻める国に関しては、結構な国土を持っている。

その3分の1ともなると、それなりの広さになるだろう。

あまり大きな範囲を一気に占領してしまうと、反乱も沸くだろうから、今回は狭くしておいたのだ。

「さて、史実の西欧クラスの国土を持っている国が相手だが、どのくらい時間がかかるのか…」

そして、モンスターたちは最初の町に侵攻を開始するのだった。

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