sweet memory

竜泉塚神楽

僕の記憶がなくなっても

君とはじめて出会った日のことを
僕はすでに思い出せなくなっていた。


君はそれでも優しい声で
「大学の入学式だよ」というけれど
僕にとって君と楽しく過ごした日々は
もう記憶の渦には残っていなくて
こぼれていた


僕がなぜか一つだけ覚えてる
君を好きになり大切だと気づいた日のことを


夕暮れのそれにっ君が唄う
その歌を僕は覚えていて
初めて告白したあの日のこと
あの笑顔のことを
思い出させてくれた


二人で自転車で追い越した
あの電車はもうないけれど
二人で笑ったあの日々は
なくならないはずさ



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